米国の高校や大学では卒業式でこの曲を歌うところがあるようです。"ウィーン"。みんな先へ先へと急ぎ過ぎず、しっかりと地に足をつけて歩いていこう…そういうメッセージなんだろうな。
(記事の一番下に卒業式でこの曲が使われている動画があります)
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◆レコードで聴いていたビリーの"The Stranger"のB面。僕のレコードはかなり聴き込んでいて(まだ"素顔のままで"が"そのままの君が好き"という邦題が印刷されていた初盤ですよ)、イントロのピアニッシモには、静電気のチリチリ音が入ってしまっていたのを想い出します。
◆この曲"ウィーン"はB面1曲目。ご存じのように"ウィーン"はオーストリアの首都ですね。でも何でこの都市の名前がタイトルなんだろう?中学校のときはそう思いました。
(後半に続く)

Song Title:「Vienna」
Artist:Billy Joel
Writer(s): Billy Joel
Released in1978
From The Album“The Stranger”
Slow down
you crazy child
You're so ambitious for a juvenile
But then if you're so smart tell me,
Why are you still so afraid? (mmmmm)
急ぐんじゃない
まわりが見えなくなってる息子よ
少年時代に大きな夢を持ってるのはいいが
そんなに頭がいいのなら 言ってごらん
何をそんなに恐れているんだ?
Where's the fire,
What's the hurry about?
You better cool it off before you burn it out
You got so much to do and only
So many hours in a day (Ay)
どこで火事が起きたんだい?
何を急いでるんだ?
焼け落ちてしまう前に冷静になれ
やらなくちゃならないことが沢山あるのに
一日の時間はちょっとしかないってことかい
But you know that when the truth is told
That you can get what you want
Or you can just get old
You're gonna kick off
before you even get halfway through (Oooh)
When will you realize
... Vienna waits for you?
でもおまえもわかってるんだろ
欲しいものを手に入れなくっちゃ
ただ無駄に年を取るだけってこと
おまえ 死んじまうぜ
人生半分すら生きてないのに(Oooh)
いつ気づくんだい?
…ウィーンはお前を待ってるのに
Slow down you're doing fine
You can't be everything you want to be
before your time
Although it's so romantic
on the borderline tonight
ペースを落とせ おまえはよくやってる
その時が来なくちゃ
なりたいものにだってなれないのさ
たしかに今夜はとてもロマンティックで
そんな感じがしないわけでもないけれど
Too bad, but it's the life you lead
You're so ahead of yourself
that you forgot what you need
Though you can see when you're wrong
You know you can't always see
when you're right
悪いことに いまおまえは
先へ先へと 先走りすぎてて
必要なことを忘れてしまってる
間違ってるときは見えていることが
そうさ うまくいってるときは
いつだって気付きもしないんだ
You got your passion,
you got your pride
But don't you know
that only fools are satisfied?
Dream on, but don't imagine
they'll all come true (Oooh)
When will you realize
... Vienna waits for you?
おまえには情熱があり
おまえにはプライドもある
でもわかるだろ
満足するのは愚か者だけだってこと
夢を見るのはいい でも間違うなよ
すべてが叶うわけじゃないってことだ
早く気づいておくれ
・・・ウィーンはどこへも行かないよ
Slow down
you crazy child
Take the phone off the hook
and disappear for a while
It's alright,
you can afford to lose a day or two
When will you realize
... Vienna waits for you?
ゆっくり行こう
焦ってる息子よ
受話器を外してしまえ
そしてしばらく姿を消したっていいさ
問題ないんだ
1日や2日くらい無駄にしたところで
早く気づくといい
ウィーンはどこにも行かずそこにある
And you know that
when the truth is told
That you can get what you want
or you can just get old
You're gonna kick off
before you even get halfway through
Why don't you realize
... Vienna waits for you?
でもおまえもわかってるんだろ
欲しいものを手に入れなくっちゃ
ただ無駄に年を取るだけってこと
走り過ぎて死んでしまうぞ
人生半分すら生きてないのに(Oooh)
いつ気づくんだい?
…ウィーンはお前を待ってるんだ
When will you realize
... Vienna waits for you?
いつ気づくんだい?
…ウィーンはお前を待ってるんだ
(Words and Idioms)
only so many.=限られた[少しの]数の
kick off=(米俗)死ぬ
cf.get ahead of oneself=先走りする;早合点する
日本語訳 by 音時

◆What do the lyrics mean in "Vienna" by Billy Joel?
こちらのサイトで調べたところ、次のようにありました。(こちらをクリック)
ビリーが8歳のときに父親が出て行ってしまいました。ビリーが22か23歳の頃、ビリーは彼の父親を追いかけてウィーンへ行きました。この曲の大半はここでの彼の父親が彼にしたアドバイスを元にしています。
"Vienna waits for you" のフレーズは、ビリーと父親が通りを歩いていたとき、ビリーがふと年老いた婦人が通りを掃き掃除しているのに気が付きました。ビリーはなぜ彼女はそんなことをしてるんだろう?と不思議がったところ、父親はこのように言いました。「あの人はまだ年老いたとは思っていないんだ」。ビリーは「年老いることを心配してもしょうがない」と思いました。
また、この曲のSongfactsページでは同じ話ではあるのですが、次のように書かれていました。
"ウィーン(Vienna)"は「残りの人生」の比喩表現である。ビリーは忙しなく働く頑張り屋の若者にこう尋ねてる"我慢しなくてはだめさ。愛や幸福を手にするために残りのきみの人生が待っている"ってことを理解しないといけないよ"
ビリーは歌を描き始めた頃、ウィーンに行ったことがありました。そこで彼は年老いた婦人が通りを掃き掃除しているのを見かけました。ビリーは一緒にいた父親に"なぜ彼女は掃除しているんだろう?若い人はやらないのだろう?"と聞いてみたところ、父親は"この街の誰もが目的を持っていて自分の役割を果たしているんだ。誰もが誰かに思いやられていて、社会にとって価値がある存在なんだ"と答えました。
"おまえ自身が何をしようと、どんなに時間がかかろうと、ウィーンはおまえを待っているんだ“

◆"ウィーン"の歴史や風土、人々ということには特別な意味はないようですね。
ただこの背景をもとに父親の言葉"Vienna waits for you"を解釈するのであれば、「年老いても、住んでる町との関係などで、あなたのできることはある」(Vienna=住んでる町やふるさと)、またさらに広くとらえるとSongfactsページにあったように"Vienna"=仕事を定年してからの人生全体、のことだと思います。あなたは今やるべきことをやればいい、って意味なんでしょう。
コメント
コメント一覧 (16)
音時
が
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いきなりですが。。。
そうなんですよ。どこ探しても出て来ないんです。
実はビエナの和訳サイト探して、音時さんのブログに行き着いたのも、ソレ探していたんです。
確か、小林克也さんがラジオ(テレビのベストヒットUSAじゃなかったと思います。)で語っていました。
エルビスの死を聞いて、一晩で書き上げたそうです。
エルビスの死とアルバム the stranger の発表と時期的にも合いますし。。。
まぁ、いわゆるヒット曲として馴染んでいて、歌詞の和訳見て、ビックリした(悪い意味で)なんて楽曲とは違って、真の名曲ですよね。
残念ながら、あまりオンエアされませんが。。。
音時
が
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うーむ、でも僕は記事に書いたこの曲の背景の物語の方が好きだなあ。今の20代の若者は30代でやればいいことをやろうと焦って燃え尽きてしまうことも。もっとゆっくりしよう、というメッセージ。(当時の?)ウィーンには「老害」なんて言葉もなかったんだろうな。
音時
が
しました
いきなりですが、オイラの記憶が確かなら。。。
この歌はエルビス・プレスリーの死を悼んで書かれたものだったかと。。。
冒頭の crazy child とはエルビスのこと。
ビエナ、ウィーンとは音楽の都。
つまり、ビリー・ジョエルは、エルビス・プレスリーのことを焦らず長生きしていたら、もっと音楽の高みに行けたのに と追悼した歌。
音時
が
しました
若い人へ、急ぐなよ、人生は長いぞ、って歌ってくれてるんですね。
音時
が
しました
ああ恥ずかしい・・でも、こちらで教えていただけて良かったです。
今回もまたまたお世話になりましたー。
僕は「Cold Spring Harbor:」のアルバムが一番好きです。
音時
が
しました
音時
が
しました
シェーンブルン宮殿、ベルヴェデーレ宮殿、シュテファン寺院、ウィーン国立歌劇場(オペラ座)…。 とても魅力的な街です。
シェーンブルン宮殿には、ナポレオンが立ち寄った時に使ったベッドがありました。それに、幼少のモーツァルトがマリーアントワネットにプロポーズしたという部屋もありました。 できることなら、もう一度行ってみたい街です。
この曲は、「しっかりと地に足をつけていこう」という内容なのですね。で、卒業式で歌われるんですか。 <勉強になります>
音時
が
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音時
が
しました
中3の時、ギンザNOWの洋楽コーナーで見たピアノを弾きながら口笛を吹きストレンジャーを歌う姿のカッコ良さと言ったら。
高校に入り洋楽好きの友達から借りた52番街のアルバムで完全にハマった。
ガキの俺には出たばかりのグラスハウスは特にお気に入りになった。
それからはしばらくの間ビリーばかり聴いていたな。
次のアルバムが出るのを首を長くして待っていた。
代々木にライブにも行った。
そして待ちに待った新アルバム、ナイロンカーテン。
ん〜、なんか違う、俺の好きなビリーとはなんか違う。
ビリーが言う。「俺は常に新しい音楽をやる。」
そしてイノセントマン。
こんなのビリーじゃない。クソだ。
そして大人になった俺は52番街以後のビリーはいっさい聴かなくなった。
Zanzibar。この曲こそビリーの真骨頂。最高傑作だと思う。
音時
が
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音時
が
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音時
が
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音時
が
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音時
が
しました
はい、シングルカットは国によって違ったりするのも面白いです。ビートルズの名曲“yesterday”も、“アクトナチュラリー”のB面でしたね。
音時
が
しました
昔のレコードのB面がA面で出るとか、国内外、以外と在りますよね。
音時
が
しました