2022年7月のアルバム全曲和訳は、ボストン「幻想飛行」にしました!
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ボストンのデビューアルバム「幻想飛行」。シングル名が「宇宙の彼方へ」。
ゆっくりとギターの音が聞こえてきます。何かが沸き起こってくる感じ。曲が始まります。ゆったりと心が落ち着いた感じ。でもそのあと、I closed my eyes and I slipped away…のブラッドのシャウト。彼は過去の記憶にフラッシュバックしていきます。そしてボストンの代名詞のあのギターサウンドが飛び込んできます。「鮮明な記憶」が蘇ります!…この曲は歌詞とサウンドが見事に合った名曲だと思います!

◆「ギターサウンド」についてもトム・ショルツが語ってます。(BS-TBS「Song To Soul」#87「宇宙の彼方へ」ボストンの回から)
脳裏にいつもあのギターサウンドがあった。それを言葉にすることはもちろんできない。でもそれを聴いたらすぐにわかると思った。ずっとイメージしていたサウンドが出るまでいろんな機材を試した。でも絶対に…その音は留めておくのがいつも難しく、曲を録音するたびにいろいろと機材の設定を変えていた。どうやってか…いつもどうやってか堂々巡りになって最終的には元のサウンドに戻っていた。でも求めていたサウンドに辿り着いたときはそれだとすぐにわかった。
最初のスタジオ…大雑把な作りだったけれど、そこで「宇宙の彼方へ」を録音した。12トラックのSCULLY製のテープレコーダーを使った。この部屋の半分くらいのスペースでジャムった。基本的にはその場にあるものですべてまかなわなくてはいけなかった...。
◆この曲のテーマについてはトムは次のように語っています。
音楽は瞬時にして絶対的に記憶を鮮やかに蘇らせる」ということだ。誰もが経験していることだろう。
これはもちろん僕自身の曲で僕の頭の中のイメージだ。音楽が僕に思い出させてくれたイメージ…曲自身のテーマは音楽はそれを聴いたときに自分をタイムスリップさせてくれるということだ。良いことも悪いことも思い出させてくれる。何よりもその時のほろ苦いバラードとなるんだ。
あの時聴いていた「あの曲」。その曲を聴いたとき、あの日のあの場面を想い出す。そんな曲ってありますよね。しかも「記憶にとどまらず」、「知覚」「触覚」なども含め「感覚も鮮明」に。
音楽は現実の感覚を超えて(more than a feeling)、あのとき、あの場所に連れていってくれるんです。
難クセをつけるのであれば、音楽が感覚を超えて連れていってくれるのは「宇宙の彼方」ではなく「あの日の想い出」なんですけどね(^▽^;)

音楽は現実の感覚を超えて(more than a feeling)、あのとき、あの場所に連れていってくれるんです。
難クセをつけるのであれば、音楽が感覚を超えて連れていってくれるのは「宇宙の彼方」ではなく「あの日の想い出」なんですけどね(^▽^;)

Song Title:「More Than A Feeling」
Artist:Boston
Artist:Boston
Songwriters T. SCHOLZ
Released in 1976
US Billboard Hot100#5
From The Album"Boston"
US Billboard Hot100#5
From The Album"Boston"
I woke up this morning and the sun was gone
Turned on some music to start my day
I lost myself in a familiar song
I closed my eyes and I slipped away
今朝起きた時には太陽はもう昇ってた
ラジオをつけて 一日をはじめよう
おなじみの曲にしばしば聴き入ったのさ
目を閉じていたら…
僕は時空や場所を超えていたんだ
ラジオをつけて 一日をはじめよう
おなじみの曲にしばしば聴き入ったのさ
目を閉じていたら…
僕は時空や場所を超えていたんだ
It's more than a feeling
More than a feeling
When I hear that old song they used to play
More than a feeling
"感覚"以上のものが蘇る
僕は"感覚"すら超えてしまったんだ
昔のあのなじんだ曲を聴いたとき
"今ある感覚"を超えたのさ
僕は"感覚"すら超えてしまったんだ
昔のあのなじんだ曲を聴いたとき
"今ある感覚"を超えたのさ
And I begin dreaming
More than a feeling
'Til I see Mary Ann walk away
I see my Mary Ann walkin' away
僕の夢が始まるよ
"現実の感覚"を超えてあの場面が蘇る
マリー・アンが行ってしまうんだ
僕のマリー・アンが
出ていってしまうのが見える
"現実の感覚"を超えてあの場面が蘇る
マリー・アンが行ってしまうんだ
僕のマリー・アンが
出ていってしまうのが見える
So many people have come and gone
Their faces fade as the years go by
Yet I still recall as I wander on
As clear as the sun in the summer sky
たくさんの人々が来ては去っていく
年月が過ぎるように その顔も薄れていく
それでも想いをめぐらせば
記憶を呼び戻せるんだ
夏の空の太陽のようにあざやかに
年月が過ぎるように その顔も薄れていく
それでも想いをめぐらせば
記憶を呼び戻せるんだ
夏の空の太陽のようにあざやかに
It's more than a feeling
More than a feeling
When I hear that old song they used to play
More than a feeling
And I begin dreaming
More than a feeling
'Til I see Mary Ann walk away
I see my Mary Ann walkin' away
"感覚"以上のものが蘇ったんだ
僕は"感覚"を超えたのかな
昔のあのなじんだ曲を聴いたとき
フラッシュバックしてきたんだ
僕の夢が始まる
"現実の感覚"を超えてあの場面が蘇る
マリー・アンが出ていくあの光景
出ていくのは僕のマリー・アン
僕はただ見ているだけなんだ・・・
僕は"感覚"を超えたのかな
昔のあのなじんだ曲を聴いたとき
フラッシュバックしてきたんだ
僕の夢が始まる
"現実の感覚"を超えてあの場面が蘇る
マリー・アンが出ていくあの光景
出ていくのは僕のマリー・アン
僕はただ見ているだけなんだ・・・
When Im tired and thinking cold
I hide in my music, forget the day
And dream of a girl I used to know
I closed my eyes and she slipped away
She slipped away
疲れたり 心が寒くなったとき
僕は音楽にのめり込み 現実を忘れる
そしてかつて知っていた
女の子のことを夢見るのさ
こうして目を閉じると僕はトリップする
かつてのあの時あの場面にね…
僕は音楽にのめり込み 現実を忘れる
そしてかつて知っていた
女の子のことを夢見るのさ
こうして目を閉じると僕はトリップする
かつてのあの時あの場面にね…
It's more than a feeling
More than a feeling
When I hear that old song they used to play
More than a feeling
And I begin dreaming
More than a feeling
'Til I see Mary Ann walk away
現実の感覚を超えるもの
あのときの感覚を蘇らせるもの
馴染んだあの曲を聴いたとき
音楽は"実際の感覚"を超えるんだ
あのときの感覚を蘇らせるもの
馴染んだあの曲を聴いたとき
音楽は"実際の感覚"を超えるんだ
僕はあのときのあの場面を思い出す
現実の感覚を超えて鮮明に
そしてマリー・アンが出ていってしまう…
現実の感覚を超えて鮮明に
そしてマリー・アンが出ていってしまう…
日本語訳 by 音時

◆歌詞のなかに出てくる。出ていってしまう"マリーアン"とは?
これもトムが語っています。
実はマリー・アンは実在の人さ。彼女は僕のガールフレンドではないよ。彼女は…僕がまだ子供の頃、8歳か9歳くらいの時だったかな。自分よりずっと年上の従妹がいた。それまでに出会った誰よりもきれいな人で彼女の名前がマリー・アンだった。ひそかに従妹に恋してたんだ。でもまだ8~9歳のときだったけど。それがマリー・アンだ。
トムは8~9歳の頃、空想してたんですね。「きれいなお姉さん」とのロマンスを。美しいマリー・アンが微笑みかけてくれ、そのあとくるっと振り向いてゆっくりと部屋を出ていくシーンを。

もしかして知らない人のために...アルバムジャケットのボストン円盤ですが、ひっくり返すと...ギターなんですよ。
◆1曲を作るにあたっての構想、そして緻密さ。誰かの真似ではなく、自分のイメージを形にする作業をする「職人」なんだなあと思います。最初から「売れる音楽」を目指すのではなく、自分の想いを「曲」という形にする作業を納得いくまで行う「頑固な職人」。
「More Than A Feeling」を聴くときは細部までじっくり聴く敬意を払わないとなあと思うときもあります。
(PS)ボストン「幻想飛行」の収録曲のほとんどはトム個人のスタジオで彼一人でレコーディングしたものです。でも、1曲だけ、メンバー全員でロサンゼルスのスタジオで録音した曲があるとのこと。それがアルバムの最後を飾る「Let Me Take You Home Tonight」。
◆Jun 17 1979 ジャイアンツ・スタジアム East Rutherfordでのライヴ。貴重な映像です。
(この記事で参考にしたページ)
・Wikipedia More Than A Feeling
・BS-TBS「SONG TO SOUL」#87「宇宙の彼方へ」
・Wikipedia More Than A Feeling
・BS-TBS「SONG TO SOUL」#87「宇宙の彼方へ」
コメント
コメント一覧 (6)
音時
が
しました
私も1979年のボストン初来日公演に行きました。大学に入学した年でしたから、音時さんより少し年上ですね。高校生の時にボストンがデビューして、なんて気持ちのいいギターの音なんだろうと思いました。今でも時々聞いています。
恥ずかしながらジャケットを逆さにするとギターであることは、初めて知りました。教えてくれてありがとうございます。
そしてマリー・アンが従姉妹だったとはね。私も高校生当時、20代前半の従姉妹にドキドキしていたので、今更ながらトムに親近感が沸きました。
とても楽しませていただけるサイトなので、また書き込みていただきます。
音時
が
しました
音時
が
しました
小学生の頃、父親が流していた曲の中でも特に衝撃を受けました。
意味も何も分からなかったけど、すごく惹かれました。
社会人となった今も、曲を聴くたびにその時の感動を思い出します。
日本語訳の感じ、とても好きです。ありがとうございます!
音時
が
しました
音時
が
しました
今気が付きました。今日はBOSTON祭りだったのですね。この曲は中学2年生の時に出会いました。その頃はまだ洋楽といっても日本ではやっているDisco者のシングルしか買っていないような時代(例えばBANZAIのChinese Kang Huとか)でしたが,この曲で目覚めましたね。
出だしから持ってかれしまいには宇宙にまで行ってしまいました。スマホの着信音もこの曲ですが,まさかあれから40年たってもまだ感動できますよねえ。
音楽って本当に素晴らしい,いや音楽=BOSTONですよね。(^^♪
音時
が
しました