ロンドンは"溺死寸前"だ…
俺は…水際でしぶとく生きてやる。
俺は…水際でしぶとく生きてやる。
"ロンドンから告ぐ!"...初めて聴いたときに The Clashのマジメが伝わってきました。
でもこの曲、全英で最高位11位どまりだったんですね。僕のなかでは1位(それも数週間独占)というイメージだったのですが…。
◆この曲から始まるアルバム"London Calling"は2枚組の大ボリュームでした。サウンド的にはこうした直球のロックではなく、幅広い色んな曲が収録されていることもあって、最初アルバムを通して聴いたときはちょっと肩透かしを食らった感じがしましたね。

ただし歌詞的には、社会的なことに対していろんなものがありました。ウィキペディアには、
"パンクの流行(「ロンドン・コーリング」)、薬物中毒(「ヘイトフル」)、フォークソングに歌われて名を残している殺人者スタッガ・リー(「ロンゲム・ボヨ」)、若き反抗者の成長と老い(「四人の騎士」)、極右政治家の増長(「クランプダウン」)、スペイン内戦(「スペイン戦争」)、病気や交通事故に悩まされたアメリカの俳優モンゴメリー・クリフト(「ニューヨーク42番街」)、勢いを増すメディア広告と企業(「コカ・コーラ」)、果ては経口避妊薬(「ラヴァーズ・ロック」)に至るまで、幅広いテーマを扱っている"…とあります。"ロンドン・コーリング"が「パンクの流行」を歌ってるという意見はちょっと違うと思いますが…(-_-)。
◆ジョー・ストラマーとミック・ジョーンズの書いたこの曲"London Calling"。ウィキペディアにもありましたが、この曲のタイトルは、BBCが第二次大戦中に占領地向け放送で使用した「こちらロンドン (This is London calling ...)」にちなんでいる、とのこと。
"BBC"= British Broadcasting Corporation=英国放送協会ですね。
"BBC"= British Broadcasting Corporation=英国放送協会ですね。
僕の受け止めとして、この"London Calling…"は、「クラッシュのメンバーから発するメッセージ」という意味と、「ラジオ(BBC放送)が言ってるぜ」っていう意味の2通りの意味を歌っているのかなと思いました。
"The ice age is coming""The sun is zooming in"…などこれから訪れる危機が羅列されますが、この部分も"ラジオがあれこれ危機や不安を告げている"部分、そして"Now get this"以降の、最後の"London Calling"は紛れもなくBBC放送の話じゃないかな。
それでは"London Calling"の歌詞と日本語訳です。
written by Mick Jones Joe Strummer
Lyrics c Universal Music Publishing Group
Lyrics c Universal Music Publishing Group
Released in 1979
UK Single Chart#11
From The Album“London Calling”

London calling
to the faraway towns
Now war is declared and battle come down
London calling
to the underworld
Come out of the cupboard, you boys and girls
こちらロンドン
遠くの街へ告ぐ
いま宣戦が布告され 戦いが始まった
こちらロンドン
地下社会の者たちへ
若いヤツらも 隠れてないで出て来いよ
遠くの街へ告ぐ
いま宣戦が布告され 戦いが始まった
こちらロンドン
地下社会の者たちへ
若いヤツらも 隠れてないで出て来いよ
London calling,
now don't look to us
Phony Beatlemania has bitten the dust
London calling,
see we ain't got no swing
'Cept for the ring of that truncheon thing
ロンドンから呼びかける
もう俺たちをアテにするな
ビートルズに夢中のヤツなんて息絶えた
ロンドンから呼びかける
もう浮かれてなんていられない
おまわりが鳴らす警棒の音を除いては
The ice age is coming,
The sun is zooming in
Meltdown expected,
The wheat is growin' thin
Engines stop running,
but I have no fear
'Cause London is drowning,
and I, I live by the river
"氷河期がやってくる"
"太陽が近づいてくる"
"原子炉がメルトダウンする"ってよ
"穀物がやせ細り"
"エンジンはストップ"
でも俺は怖くなんかない
ロンドンは水没しかけてる
そして俺も河のそばに住んでるんだ
London calling
to the imitation zone
Forget it, brother, you can go it alone
London calling
to the zombies of death
Quit holding out and draw another breath
ロンドンから呼びかける
インチキの街に住むヤツらへ
忘れちまうことさ 放っておけばいい
ロンドンから呼びかける
死んだゾンビたちへ
抵抗はやめて 一息つくがいい
London calling
and I don't want to shout
But when we were talking I saw you nodding out
London calling,
see we ain't got no high
Except for that one with the yellowy eye
こちらロンドン
本当は叫びたくなんてない
でもラリってるおまえらを放っておけないよ
こちらロンドン
俺たち浮かれてなんていないんだ
目がイッちゃってるヤツはいるけどな
The ice age is coming,
The sun is zooming in
Engines stop running,
The wheat is growin' thin
A nuclear era, but I have no fear
'Cause London is drowning,
and I, I live by the river
and I, I live by the river
"氷河期がやってくる"
"太陽が近づいてくる"
"原子炉がメルトダウンする"ってよ
"穀物がやせ細り"
"エンジンはストップ"
でも俺は怖くなんかない
ロンドンは溺死寸前だ
そして俺もそのなかの一人
The ice age is coming,
The sun is zooming in
Engines stop running,
The wheat is growin' thin
A nuclear era, but I have no fear
'Cause London is drowning,
and I, I live by the river
"氷河期がやってくる"
"太陽が近づいてくる"
"原子炉がメルトダウンする"ってよ
"穀物がやせ細り"
"エンジンはストップ"
でも俺は怖くなんかない
ロンドンは水没しかけてる
でも俺は水際で生き残ってる
Now get this
ようやくわかったかよ
London calling,
yes, I was there, too
An' you know what they said?
Well, some of it was true!
London calling
at the top of the dial
And after all this,
won't you give me a smile?
"こちらロンドン(BBC放送局)…"
そうさ 俺もそこにいたんだよ
ヤツらの言ったこと聞いたかよ
いくつかのことは本当だったんだ!
"こちらロンドン(BBC放送局)…"
しつこく放送が繰り返される
そして最後には
おまえは俺に微笑んでくれるかい?
I never felt so much a' like a'like a'like…
俺はそんなに似てるなんて思わない…
(Words and Idioms)
cupboard=(食器・食料品などを入れる、通例戸のついた)戸棚、食器棚、カバード
look to=…に期待を寄せる,希望を託す
Phony=偽の、いんちきの
Beatlemania=ビートルズの熱狂的なファン
bite the dust=地上に打ち倒される、敗北する.
truncheon=こん棒、(巡査などの)警棒.
cf.get into swing=〈活気づく〉・盛り上がる
nod out=〔麻薬などで〕陶酔する
cf.at the top of one's lungs =声を限りに、声高に・
日本語訳 by 音時

◆和訳で一番悩んだのは、"'Cause London is drowning, and I, I live by the river"(だってロンドンは溺れかかってる、そして俺は川のそばに住んでいる)の部分です。
ロンドンの"river"といえば、テムズ川でしょうか。この曲のウィキペディアからの情報では、「テムズ・バリアー建設の影響でテムズ川が氾濫し、ロンドン中心部が水没するのではないかという懸念による」と書かれています。でももちろん、そのことに引っ掛けて"ロンドンが堕落や腐敗してしまってる"なんてことを"drowning"と表現したのだろうと思います。
"俺"が住んでいるのは"川のそば"。このことについては2通りの意味を考えました。テムズ川のそばに住んでるんだったら、ロンドンが水没しかかってるのであればテムズ川のそばにいる自分も「他人事ではいられない。俺もまさに溺れかかってる」って意味。そして「俺は川のそばに住んでるが(しぶとく生きてやる)」っていう意味。"I"が繰り返されてることからも"あきらめ感"よりも何か強い意思がある感じがしたんですよね。ですのでどちらかに絞らず、両方の意味を和訳に入れました。ズルいですか(^▽^;)?

◆また"Phony Beatlemania has bitten the dust"の歌詞も、パンクロックバンドが「ビートルズの時代は終わった」と歌った、ってことで当時も話題になりました。" see we ain't got no swing、'Cept for the ring of that truncheon thing"の部分は、韻を踏んで、おまわりに皮肉を歌ってるんでしょうかね。"swing"=振り回す、という意味で"俺たちは振り回したりしないぜ、おまわりは"truncheon"(警棒)を振り回すけどな"ってことかと思います。"ring"…"輪っか"の方ではなく、"鳴る"って意味の方に取りました。イメージしたのは、パトカーのサイレンが鳴らされてるなかで、取り締まりをしてる光景です。

◆(PS)ジャケットはエルヴィス・プレスリーのファーストアルバム【Elivis Presley】(邦題:エルヴィス・プレスリー登場!)をってこともありますが、“London Calling”をモチーフにしたアルバムジャケットを作ってるアーティストが他にも...。
(こちらの方のブログご参照)

◆2月22日はジョー・ストラマ―の命日。2002年のことでしたので、今年で16回目の命日になります。当初の発表では死因は心臓発作とされましたが、解剖の結果、先天性の心臓疾患だったことが判明したとのこと。享年50歳っていうんだから早すぎるよね。僕も彼より年上になってしまいました。ジョー、安らかにお眠りください…。
◆日本公演の映像がありました。(1982年1月中野サンプラザ)大意の和訳キャプションあり…。
◆TV"Fridays"のステージから。"London Calling"~"Train In Vain"
◆ブルース・スプリングスティーンの気合いの入った"London Calling"。

コメント
コメント一覧 (2)
音時
が
しました
タモリのそら耳は好きですが、それは知らなかったw
ストラマーは育ちが良かったとかで。Music Airチャンネル(無料放送の日しか、見られませんが。毎月第1日曜です)の特集で言ってました。
Tヒードンがいた時の4人の容姿が完璧! プロモ映像はどれもカッコ良い。
ジャケ写がカッコ良いですが、プレスリーのジャケ写へのオマージュだとか。
http://stefanlily.xblog.jp
音時
が
しました