「Double Fantasy」でもそうでしたが、アルバム「Milk and Honey」もジョンとヨーコの曲が交互に収録されています。この2つのアルバムのミソは、愛し合う2人の男女の会話なのです。
・・・が、正直に言いましょう!僕はJohnの曲だけを録音したMDを作って聞いてました!(でもたぶん同じ人多いんじゃないでしょうか?←同意を求める)
この曲はジョンの「Grow Old With Me」と対になった曲。Album「Milk and Honey」のなかで唯一、ジョンの存命中にレコーディングされたヨーコの曲です。Grow Old With Meの雰囲気と合わせて、わざとピアノ一台で、家庭用のカセットで録音したといいます。この2曲は両曲があってこそ…の作品なんですね。
ヨーコの歌はちょっとキツイ...という人、かくいう僕もそうだったのですが、でも、この「Let Me Count The Ways」だけは違います。この曲はなんて素敵な曲なんだろうと思いました。
(日本のミュージシャンの矢野顕子さんっぽい感じ)
ぜひ歌詞とともに聴いてほしいと思います。
Writer: Ono, Yoko
Lyrics c EMI Music Publishing, Sony/ATV Music Publishing LLC
Released in 1984
From The Album“Milk and Honey”

*原詞の引用は太字
Let me count the ways how I love you
It's like that gentle wind you feel at dawn
It's like that first sun that hits the dew
It's like that cloud with a gold lining
telling us softly
That it'll be a good day, a good day for us
Thank you, thank you, thank you
私に数えさせて どれだけあなたを愛してるかを
夜明けに感じる 優しいそよ風のように
夜露をぬぐう最初の日差しのように
曇り空に差し込む金色の光のように
私たちに優しく語りかけてくれる
今日もいい日になるよって 私たちにとって
感謝してるの 神様に そしてあなたに
Let me count the ways how I miss you
It's like that oak tree in my childhood garden
It's like that first summer I spent in Egypt
It's like that warm evening you read to me
Both knowing deeply
That it's a good time, a good time for us
Thank you, thank you, thank you
私に数えさせて どれだけあなたが恋しいかを
子ども時代の庭にある樫の木のように
エジプトで過ごした初めての夏のように
私に詩を読んで聞かせてくれたあたたかい晩のように
私たちは二人とも深く覚えてる
ほんとうに素晴らしい時間だった 私たちにとって
感謝してるの 神様に そしてあなたに
Let me count the ways how I see you
It's like that lake in the mountain you heard about
It's like that autumn sky that stays so blue
It's like that air around me that holds me gently
Whispering strongly
that you're always there, always for me
Thank you, thank you, thank you
私に数えさせて あなたをどんな風に見ているか
あなたから聞いた山の奥の湖のように
とても青く澄んだままの秋空のように
優しく私を包んでくれる空気のように
力強くささやいてくれる
あなたがいつもそこにいる 私のためにいるって
感謝してるの 神様に そしてあなたに
日本語訳 by 音時

◆この曲は、もとより、ブラウニング夫妻(ロバートとエリザベス・ブラウニング)の作った詩を元にしているということでもあります。
*エリザベスの原詩「How do I love thee? Let me count the ways...」
(TheeはYouの旧かな使い?“ズィー”と読みます)
こちらをどうぞ。
"How do I love thee? Let me count the ways..."
by Elizabeth Barrett Browning (1806-1861)
◆ヨーコがこのLet Me Count The Waysをバミューダにいたジョンに電話口で聴かせ、ジョンが「OK、じゃあ考えてみるよ」といったん電話を切る。すると午後に今度はジョンからヨーコに電話が。
「聞いてくれよ。信じられるかい!TVで映画を見てたら、恋人が主人公に詩を贈るシーンがあって、その詩がロバート・ブラウニングの“Grow Old With Me”だったんだよ」
「それをもとに書いた曲がこれなんだ」と電話越しに「Grow Old With Me」を歌う。
こんなエピソードがあるんです。なにか運命的なものを感じてしまいますね。この"Let Me Count The Ways"があって、そのお返しが"Grow Old With Me"…。
ジョンはヨーコと一緒に「ダブル・ファンタジー」という、パートナーへの感謝、または嫉妬、そして思いやりに溢れた素晴らしいアルバムを作成しました。「ミルク・アンド・ハニー」もその続編として僕は捉えています。
(この記事は以下を参考にしました)
・ジョン・レノン全曲解説(シンコーミュージック)
・Wikipedia Milk And Honey
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