そこにあなたがいるような気がして…
息子ジュリアン・レノンが父についての想いを語った歌だと僕は思っています。




ジュリアン・レノン…彼は、ジョンの最初の奥さま"シンシア"との間に生まれた長男です。初めてこの曲"ヴァロッテ"を聴いたとき、僕も"ジョンが生まれ変わったのか"と思いました。やはり声が似ていますよね。(あと面長の顔も似てる…)

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◆うーむ、この曲に出てくる相手である"You"。僕は、これはやっぱりジュリアンのお父さんであるジョン・レノンのことではないかと思っています。
 アルバム名およびタイトル曲の"ヴァロッテ"ですが、歌詞にもその語句は出てきません。僕は、名前(女性?)なのかなとずっと思っていました。それが、父親ジョンについての想いを綴った歌だったとは…(僕はそう断定しまってます)。

Writer/s: JUSTIN CLAYTON, JULIAN LENNON, CARLTON MORALES
EMI Music Publishing, Sony/ATV Music Publishing LLC, Warner/Chappell Music, Inc.

Released in 1984
US Billboard Hot100#9
From The Album“Valotte”

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*原詞は太字

Sitting on the doorstep
of the house I can't afford
I can feel you there

ドアの前に座ってる
僕なんか買うこともできない家のね
そこに あなたがいるような気がして

Thinking of a reason, well,
it's really not very hard
to love you even though you nearly lost my heart
How can I explain the meaning of our love
It fits so tight, closer than a glove

その理由を考えても そうさ
そんなに難しいことじゃない
あなたが僕の心を見失いかけてたとしても
僕はあなたを愛してるんだ
僕たちの愛について説明するのは難しい
そいつは手袋よりもピッタリとくるんだ

Sitting on a pebble by the river
playing guitar
Wonderin' if we're really ever gonna
get that far
Do you know there's something wrong
'Cause I've felt it all along

川のそばで石に座ってギターを弾いている
僕たちの間柄を うまくやっていけないのかなって
考えているんだ
あなたも何かおかしいなってわかってるでしょ?
だって僕はずっとそう感じてたんだから

I can see you face in the mirrors of my mind
Will you still be there

僕の心の鏡にあなたの顔が映ってる
もう少し そこにいてほしいのさ

We're really not so clever
as we seem to think we are
We've always got our troubles
So we'll solve them at the bar
The days go by,
We seem to drift apart
If I could only find a way
to keep hold of your heart

僕らは自分たちが思ってるほど
実はお利口さんじゃない
いつも揉め事が起こってしまうから
裁判で解決することになるんだね
日々は過ぎ去っていき
僕たちも離れていったみたいだ
あなたの心を繋ぎとめておく方法が
見つけられたならよかったのに…

Sitting on a pebble by the river
playing guitar
Wonderin' if we're really ever gonna
get that far
Do you know there's something wrong
'Cause I've felt it all along
Sitting in the valley
as I watch the sun go down
I can see you there

谷あいで座って
陽が沈むのを見てるんだ
そこにいるあなたが見える

Thinking of a reason, well,
it's really not very hard
to love you though you nearly lost my heart
When will we know
when the change is gonna come
I've got a good feeling
and it's coming from the sun

その理由を考えても そうさ
そんなに難しいことじゃない
あなたが僕の心を見失いかけてたとしても
僕はあなたを愛してる
僕たちはいつわかるんだろう
"変わるべきとき"が訪れるのを
僕はいい気持ちになってるんだ
夕陽を見てるとそんな気がする

Sitting on a pebble by the river
playing guitar
Wonderin' if we're really ever gonna
get that far
Do you know there's something wrong
We'll stick together 'cause we're strong

川のそばで石に座ってギターを弾いている
僕たちの間柄を うまくやっていけないのかなって
考えているんだ
あなたも何か間違ってるって気付いてるでしょ?
僕たちは一緒になれる
だって僕たちの関係は強いんだから…


(Words And Idioms)
afford =~に対する余裕がある、~を買うことができる
pebble=小石
cf.get this far=こんなに遠くへ来る、これほどの成功を成し遂げる
bar=(議場・法廷内の)仕切り;被告席;裁判所, 法廷, 審判の場

日本語訳 by 音時

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◆ご存じのようにジョンは日本人の前衛芸術家であるオノ・ヨーコと知り合い、ジュリアンが5歳のときに離婚してしまいます。ジュリアンはシンシアに育てられ、ジョンとは1970年代初頭まで接触がなかったそうです。

 ウィキペディア情報によるとシンシアの著書「ジョン・レノンに恋して」の序文においてジュリアンは -「僕が5歳のときに両親が離婚したあと、父には数えるほどしか会っていない。そして実際に会ったその貴重な時間のなかでも、目の前の父の心は遠く離れていて、僕を怯えさせることの方が多かった。……父の人生のなかでは、僕は取るに足らない存在で、拒絶されているようにすら感じていた」と記述しているとのことです。

 ちなみにビートルズの「ヘイ・ジュード」はジュリアンが5歳の頃、ジョンとシンシアの仲が険悪だった時に、ポールがジュリアンを励ますために書いたと言われてますね(両親は結局離婚してしまいます…)。1996年に、ロンドンで「ヘイ・ジュード」のレコーディング用楽譜類譜がオークションに出された際にジュリアンは「ポールが僕のために作ってくれた曲だから」と2万5千ポンドで落札しているとの情報もありました。

◆1984年ジュリアンのデビューアルバム「ヴァロッテ」は、プロデュースはビリー・ジョエルなどで知られるフィル・ラモーンが関わって、リリースされ、チャートでもかなりの成功を収めました。
"ヴァロッテ"とは何か?この曲のSongfactsページからの情報ですが、"ヴァロッテ"とは、この曲を書いたフランスの古びたお城の名前のようです。(こちらに写真
 ジュリアンはこの曲を"the Manor de Valotte"と呼ばれるフランスの城(chateau)で書きました。彼はインタビューに次のように答えてくれました。この曲を書いたその場所は、とてもフランス中部にある、とても美しくて少し荒れ果てたお城だったんだ。そのときは、そこならいい曲が書けるんじゃないかってレーベルが決めたんだ。トーマス・ドルビーやほかの最高のアーティストもそこで曲を書いたって知ってたんだ。

  人もほとんどいなくて、とっても静かで美しい場所さ。一人でこもることができるしね。こんな美しい光景のなかで空想してるなかで、曲のアイデアが突然降りてきたんだ。人生のなかで大切な愛を見つけようとするなら、これが熱望するものなんだ。本当にとても単純なことなんだ。
 なるほど、こんな風景のなかで、ジュリアンの歌詞のイメージがどんどん膨らんでいったんですね。
ただ、実際のレコーディングはまた別な場所で行われたんですね。それは、アラバマ州のテネシー川の側にある"Muscle Shoals Sound Studios"という場所。ここもロッド・スチュワート、ローリング・ストーンズ、ポール・サイモンらがレコーディングに使ったという場所らしいです。"ヴァロッテ"の歌詞にある"Sitting on a pebble by the river playing guitar"の部分は、テネシー川のほとりでインスパイアされたものであるとの情報もありました。

 また、さらにアルバムのミックスダウンは、ニューヨーク・シティにある"The Hit Factory recording studio"で行われたとのこと。ここは、ジュリアンの父親のジョンがアルバム"ダブル・ファンタジー" 製作の際に使用したスタジオであるとのこと。泣かせる(*_*)じゃありませんか。やっぱりジョンがジュリアンの歌声に乗り移ったのかな(と信じたい)。

◆ジュリアンにとっての父親ジョン。子どもにとっての父親。たとえ父親の関心が自分でない兄弟(ヨーコとの間に生まれたショーン)に向いていたとしても、僕はお父さんを愛してるから、きっといつかもっといい関係になれるよね…。

◆“Valotte”が最高位9位を記録した週の全米チャートです。
US Top 40 Singles For The Week Ending January 12, 1985

首位マドンナ「ライク・ア・ヴァージン」にジャック・ワグナー「オール・アイ・ニード」が迫ります!…が位2位に留まってしまいます(残念)。7位ブライアン、アルバム"Reckless"もよく聴きました。

-1 1 LIKE A VIRGIN - Madonna
-2 6 ALL I NEED - Jack Wagner
-3 2 THE WILD BOYS - Duran Duran
-4 3 SEA OF LOVE - The Honeydrippers
-5 5 WE BELONG - Pat Benatar

-6 9 YOU’RE THE INSPIRATION - Chicago
-7 8 RUN TO YOU - Bryan Adams
-8 4 COOL IT NOW - New Edition
-9 10 VALOTTE - Julian Lennon
10 11 BORN IN THE U.S.A. - Bruce Springsteen

◆"When the night…"の歌い出し。お父さんソックリやん!ジュリアンの歌う"Stand By Me"(2011)




◆"ジュリアン、そんなに悲観するなよ…"。