クイーンとデビッド・ボウイの共演!なんて豪華なんだと思いました。




この曲はフレディとボウイのそれぞれの歌が生かされていますが、なんといっても印象的なベースライン"デンデンデデデ~デ、デ"(言葉で書きづらい 笑)も忘れられないですよね。1990年にはヴァニラ・アイスが「アイス・アイス・ベイビー」でサンプリングして全米No1になっています。

UnderPress

◆当初この曲は「People on Streets」というタイトルだったようですね。当時、英国とアルゼンチンとの間でフォークランド紛争もありましたので、"路頭に迷う"人々…両国の緊張関係を象徴する曲でもありました。
 また"プレッシャーのなかで生きる人達"、そして「愛ってもう古臭い言葉」、「愛」は「夜の淵に立つ人達」="People on streets"と同意味かな…"路上で暮らす人"を愛せよと強いてくるなどの歌詞は興味深いです。
 そしてこの数年後の1984年に「愛は世界を救う」として「Band Aid」や「We Are The World」など世界的なチャリティー運動が広がりますが、そのちょっと前の紛争の時代に問題提起をしてくれたのかなと思っています…。

◆こちらのRolling Stone誌のサイトに、フレディとボウイの面白い関係が出てました。興味がある方はどうぞ。
クイーン、フレディ・マーキュリーの知られざる10の真実の「3」"マーキュリーがデビッド・ボウイのためにステージを組み上げ、ヴィンテージのブーツを買い与えた"

Writer(s) Queen and David Bowie
Copyright: Aftershock Music, Emi Music Publishing Ltd., Ice Baby Music, Queen Music Limited, Tintoretto Music, Qpm Music Inc., Fern Hill Publishing

Released in 1982
US Billboard Hot100#29
UK Single Chart#1
From The Album"Hot Space"

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*原詞の引用は太字

Pressure pushing down on me
Pressing down on you,
no man ask for

プレッシャーが俺にのしかかる
おまえにも のしかかる
誰も求めてやしないのに

Under pressure
that burns a building down
Splits a family in two
Puts people on streets

プレッシャーの元で
建物は焼き払われ
家族を二つに引き裂かれ
人々は路頭に迷うんだ

It's the terror of knowing
What this world is about
Watching some good friends
Screaming,
"Let me out!"

知るってことは恐ろしい
この世の現実が何なのかをね
目にするんだ
親しい友達が泣き叫ぶのを
"ここから出してくれ!"と

Pray Tomorrow
gets me higher
Pressure on people
- people on streets

明日に祈ろう
僕を高みに引きあげてくれよ
人々にはプレッシャーが
…路上の人々の上に

Chippin' around,
kick my brains 'round the floor
These are the days
- it never rains but it pours

ぶらついて時間を費やして
床にのたうちまわり
頭が痛くなるほど考えたんだ
いつだってこんな日ばかり
…悪いことは重なるんだ

People on streets
- people on streets

路上にいる人々
…路上にいる人々

It's the terror of knowing
What this world is about
Watching some good friends
Screaming,
"Let me out!"

知るってことは恐ろしい
この世の現実が何なのかをね
目にするんだ
親しい友達が泣き叫ぶのを
"ここから出してくれ!"と

Tomorrow gets me higher,
higher, higher...
Pressure on people
- people on streets

"明日はもっと高いところへ"
もっと高く もっと高く…
人々にはそんなプレッシャーが
…路上の人々に

Turned away from it all
like a blind man
Sat on a fence but it don't work
Keep coming up with love
but it's so slashed and torn
Why, why, why?

目の見えない男のように
何もかもから目をそむけ
結論を先延ばししても
何もうまくはいかないよ
愛を持ち続けようとしても
何度も切り付けられ
引き裂かれたんだ
なんでなんだ?
どうして?
Love
"愛"なんだ

Insanity laughs
under pressure we're cracking

"狂気"が笑ってる
俺たちがプレッシャーに
押しつぶされてるのを

Can't we give ourselves one more chance?
Why can't we give love
that one more chance?
Why can't we give love,
give love, give love, give love,
give love, give love, give love,
give love?..

俺たちにチャンスは残されてないのか?
愛にも一度チャンスをくれないか?
愛をくれ 愛をくれ
愛がほしいんだ 愛を
愛を 愛を 愛を…?

'Cause love's such an old-fashioned word
And love dares you to care for
The people on the edge of the night
And love dares you to change our way of
Caring about ourselves

なぜって…
愛なんて使い古された言葉さ
愛は
夜の淵に立つ人達を愛せよ
とけしかけるんだ
愛は
自分自身の愛し方を変えてみろ
と迫ってくるんだ

This is our last dance
This is our last dance
This is ourselves

これが俺たちのラストダンス
俺たちに残されたラストダンス
これが俺たち自身なのさ

Under pressure
Under pressure
Pressure 

プレッシャーにさいなまれ
プレッシャーに押しつぶされ
俺たちは生きていく…


(Words and Idioms)
it never rains but it pours
=降ればどしゃ降りとくる=泣き面に蜂
sit on a fence=まだ決まってない状態 どっちつかず
come up with=~に追いつく
dare=(人に)してみろと挑む

日本語訳 by 音時

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◆この曲はクイーンとボウイの共作でもあります。この共演は順調に進んだのでしょうか?僕の持っている「クイーン 全曲解説シリーズ」(マーティン・パワー著:シンコーミュージック)では、かなり大変だったように書いてあります(-_-;)。

ブライアン曰く:ボウイは僕ら4人全員を足したよりもまだ頑固だったかもしれないよ…。

クイーンメンバーがボウイの住んでいたモントルーを訪れたのがきっかけだったようです。自然の成り行きでジャムが始まり、曲の骨組みができあがりました。ただその出来についても意見が異なります。
クイーンのロジャーは「単純に言ってあれはラヴ・ソングだよ。もの凄くダサくてヒップじゃない曲だと思われてるけど、それでもクイーンがやってきたなかでは最高の部類に属する曲だよ」と言いましたが、それに対してボウイは"やっつけ仕事"の曲と言ってます。

"Under Pressure"をどのような形で出すか、あるいはそもそも出すべきかどうかという部分でも意見の相違があり、ボウイは何もかも全部やり直したいとまで主張を曲げるがなく、ブライアンは相当苦労したようです(-_-;)。
やはり才能と才能のぶつかり合い、相乗効果もあるけれど、妥協はできないって当然かもしれませんよね。
やはり一番の貢献人はジョンかな。ベースラインの"デンデンデデデ~デ、デ"が丸く収めてくれたのかも(笑)。


◆クイーンの4人とボウイが共演したビデオは存在しないのかな。あるのはメンバーが映らないPV、そしてクイーン単独のライブでの演奏、そしてフレディの急死のトリビュートライヴでボウイとアニー・レノックス(ユーリズミックス)が歌ったこの曲。合成映像のものも多いです。




◆"アンダー・プレッシャー"のベースラインをサンプリング。全米No1にもなりましたヴァニラ・アイスの"Ice Ice Baby"




(この記事で参考にしたページ)
・Wikipedia Hot Space
・「クイーン 全曲解説シリーズ」(マーティン・パワー著:シンコーミュージック)