私の呼ぶ声が聞こえませんか?
年月は経ってしまっているけど
私の呼び声があなたの元に届きませんか?





この曲は映画「ボヘミアン・ラプソディ」では使われません(ネタバレですみません)が、クイーン特集でぜひとも取り上げたいと思い紹介させていただきます。

◆映画は僕もとても感動するものでしたが、やはり「フレディが主人公」ですので、他のメンバーの取り上げられ方には若干の不満があります(^▽^;)。もっと、ブライアンのソングライターとしての才能も取り上げて欲しかったし、クイーンのバラエティのあふれる音楽性を語るには他のメンバーが中心になって作成した楽曲があることを紹介してほしかった感もあります。

とりわけ僕は、この曲"'39"(サーティ・ナイン)をアルバム「オペラ座の夜」で聴いて、クイーンをより好きになった曲であり、洋楽の和訳への興味が深まった曲ですので、スルーはできません!

◆まずは曲の英語詞と日本語訳です。

(Brian May)
Lyrics c Universal Music Publishing Group, EMI Music Publishing

Released in 1976
From The Album"A Night At The Opera"

71IcN1P26eL._SY355_
*原詞の引用は太字


In the year of thirty-nine
Assembled here the volunteers
In the days when lands were few
Here the ship sailed out
into the blue and sunny morn
The sweetest sight ever seen


時は'39年
この場所に志願兵が集まった
住める大陸はまだわずか
という時代のこと
青い海に船がここから出ていった
海面がキラキラ輝く朝のこと
見たことないくらい素敵な光景だったよ

And the night followed day
And the story tellers say
That the score brave souls inside
For many a lonely day
Sailed across the milky seas
Ne'er looked back, never feared, never cried

その日の晩のこと
語り部はこう話した
中にいる勇敢な20人は
何日も孤独な日々の中で
天の川を航海し
決して振り返らず 恐れず
決して泣いたりしなかった と

Don't you hear my call
Though you're many years away
Don't you hear me calling you
Write your letters in the sand
For the day I take your hand
In the land that our grandchildren knew

私の呼ぶ声が聞こえませんか?
年月は経ってしまっているけど
私の呼び声があなたの元に届きませんか?
砂に書き置きをしておいてください
私たちの孫が住むこの土地で
いつの日かあなたの手を握りしめるために



In the year of thirty-nine
Came a ship in from the blue
The volunteers came home that day
And they bring good news
Of a world so newly born
Though their hearts so heavily weigh


時は'39年
青い空から船が帰還した
志願兵達が故郷に帰ってきたんだ
新しい世界を発見したという
嬉しいニュースが持ち帰られたんだ
でも彼らの心はずっしり重かった

For the earth is old and grey
To a new home we'll away
But my love this cannot be
Oh so many years have gone
Though I'm older but a year
Your mother's eyes from your eyes cry to me

地球は年老い灰色の星と化していた
新しい故郷を探しに旅立とうとしたけど
愛する人の元でそれはできなかった
とても長い年月が経ち僕も年老いたけど
僕の時間は1年しか経ってなかった
きみの目に映る母親の瞳が
僕に向かって叫んでくる

Don't you hear my call
Though you're many years away
Don't you hear me calling you
Write your letters in the sand
For the day I'll take your hand
In the land that our grandchildren knew


私の声が聞こえない?
もう何年も経ってしまっているけど
私の呼ぶ声はあなたに届かない?
砂浜に書き記しておいてちょうだい
私たちの孫の住むこの土地で
いつかあなたの手を取って再会するために


Don't you hear my call
Though you're many years away
Don't you hear me calling you
All your letters in the sand
Cannot heal me like your hand

僕の声が聞こえないかい
月日は経ってしまったけれど
僕の呼ぶ声がきみに届かないかい
砂浜の書き置きだけじゃ
きみの手の温かさにはかなわない
それじゃ僕の心は癒えないんだよ

For my life, still ahead, pity me

僕の人生は
まだ続いていく
哀れんでおくれ...

(Words and Idioms)
score =名詞〔ものや人の〕20の集まり

日本語訳 by 音時


51Ps6f-1-RL._SY450_


 アルバム「オペラ座の夜」の中で、アコースティックギターのこの曲は詞がわからないで聞いてても多くの人が気にいったことでしょう。僕もそうでした。
 ただ僕の場合はしばらくして、友達のKくんが「兄貴がQueenの曲を訳したんでおまえにあげるよ」と言って渡してくれた紙に「ボヘミアンラプソディ」と「預言者の唄」とこの「'39」の詩が書かれていました。(今考えると、お兄さんどうやって訳したのかな)

 これは衝撃的でしたね...!
「'39」って「1939年」だか「2039年」だか明らかにしない歌詞。ブライアン自身も言っているが、この歌は「Science Fiction」の歌であり、この「船」は「Spaceship」だったのです。


◆歌詞を年表のようにまとめると以下になると思います。

**39年 新しく住める土地を探しに志願兵が集まって船出していった。
****年 志願兵達の船と交信が途絶え、行方不明となった。
    家族達が必死に行方を探し、また、砂浜にメッセージを残す運動も始まった...
     
    (この間、***年、地球は年を取り、灰色の星と化していった...)
**39年  空から宇宙船が地球に着艦した。この船は**39年に船出したあの船であった。
    地球では何年もの年月経過していたが、乗組員達は1歳しか年をとっていなかった。
    乗組員達に砂浜に残されたメッセージを届ける。
    乗組員達の子孫・家族達との感動の再会。

...という話なのです。

◆少々野暮にはなりますが、時代検証?をするのであれば、コロンブスのアメリカ大陸発見が「1492年(語呂合わせ:いよ~国だ)」だから、船が出発したのはその前の'39年、1439年というのが濃厚ではないでしょうか?
 そして戻ってきた彼が再会した子孫は誰だったのか?その子の瞳に映る「母親」の瞳の「母親」がその彼の彼女だとすると、その子は実の子ということになるが、出発から帰還までは最低100年経ってないと「'39」の物語にならない...地球は古く灰色の星と化していて、また、宇宙船が帰ってきてもさして驚かない?時代、新たに人類が住める世界(星)を発見して帰ってきたって考えると、あと26年後の2039年なら、ありうるかも?

 そうすると、1439→2039年で約600年の年月を経て帰還?ということになるな…やっぱり野暮なのでこのくらいにしておこう(^▽^;)

◆「オペラ座の夜」ではボーカルはブライアン自身がとりますが、Queenのライブではフレディが歌っていました。ロジャーもバスドラとタンバリンを持ってステージ前に。Queenメンバーが4人横に並ぶ光景は生ライブで観たかったな…(僕が見たライブは1979年のもの。'39は演奏せず)日本に何回も来たQueenだが、'39のこのアコーステッィクセットを演ったのは1977~1978年頃なので日本では実現しなかった光景だったんだ。

 フレディ没後、Paul Rogers+Queenでの来日のときは、ブライアン、さいたまスーパーアリーナでこの曲 演ってくれました。「Don't you hear my call,though you're many years away…」をみんなで“天国のフレディ、聞こえるかい?”って大合唱。泣いたなあ。

◆大好きな歌なので、トリビアをあと2つ。

【1】フレディが歌うのとブライアンが歌うので歌詞が若干違う。僕が気づいてる箇所は2箇所。
 1.ブライアン“Here the ship sailed out into the blue and sunny morn”が、フレディは「sunny」→「misty」(霧のある)

 2.ブライアン“Little darling, we'll away”が、フレディ「Littke darling」→「To a new home」(新しい故郷)
 *僕の和訳は都合のいいようにミックスで訳してしまいました!

【2】「'39」はQueenの「39番目」の曲
 ファーストアルバム「Queen」収録曲10曲、「QueenⅡ」収録曲11曲、「Sheer Heart Attack」収録曲13曲で、この曲は「オペラ座の夜」のA面5曲目。
10+11+13+5=39 なのです!('19とか'59じゃなくて'39なの?という疑問を持っていた方...そういうことなのです!)

◆Queen Live At Earls Court 1977。この4人勢ぞろいを見たかった...。



◆Paul Rogers+Queen のライブから。Bryanが弾き語り、みんなで合唱。




◆「オペラ座の夜」メイキングからこの曲の解説をブライアン自身が行ってるビデオ。イントロから1番まで、アコギをブライアンがどう弾いているのかもよくわかります。




(この記事は以下を参考にしました)
・Wikipedia A Night At The Opera