はい、【ドラムが歌ってたんか〜い!】シリーズの第3弾!

ただ、この曲はクイーンというグループのドラマーのロジャーの持ち歌、ということで皆さんご存知でしょう。ちょっとシリーズのネタとしては弱いというか違うというか…すみません!(^_^;)

でも、ロジャー自身がメインで歌ってる動画、あまり観たことない人はどうぞご堪能ください…!



  





この曲は映画「ボヘミアン・ラプソディ」のなかで曲がかかったりはしませんでしたが、ファンだとニヤッと笑ってしまうネタに使われておりました!





まずはロジャーがこの曲についてコメントしています(「オペラ座の夜」全証言集より)
この曲は普通のロックソングとはちょっと違うんだ。8分の6拍子という基本的にはワルツのテンポだしね。このリズムだとロールする感じが良く出るんだよ。ラフなデモを作ってブライアンに聴かせて"どう思う?"って聞いたら「冗談なんだよな?」と言うから、「違うよ。マジだって。車の歌なんだよ。どこかの誰かが夢中になってる車の歌なんだ。
ロジャーは別のインタビューにて、この曲がバンドのローディーだったジョナサン・ハリスに捧げた曲だとも言っていますね。


◆映画「ボヘミアン・ラプソディ」のなかでロジャーとブライアンの間で歌詞の内容をめぐって言い争いがありました。

ブライアンが「俺はクルマが好きなんだ」だって!笑わせるぜ、みたいなことを言ってこの曲をバカにします。ロジャーがお返しにブライアン作の「Sweet Lady」の歌詞について「なんだ、私のことスウィートって呼ぶの、まるでチーズみたいに…」とからかいます。これはたぶん創作でしょうね。でも上のブライアンが「冗談なんだよな?」と言ったことは事実のようなので、たぶんそこから連想して面白くストーリーを作ったのでは?と想像します(^-^)

(続きは後半)



(Roger Taylor)

Released in 1975
From The Album“A Night At The Opera”

71IcN1P26eL._SY355_

*原詞の引用は太字

The machine of a dream
Such a clean machine
With the pistons a pumping
And the hubcaps all gleam


Ooo...夢のようなクルマさ
そんなすっきりしたクルマなんだ
ピストンが上下に動き
ホイールだってみんなピカピカ

When I'm holding your wheel
All I hear is your gear
When my hand's on your grease gun
Oh it's like a disease, son

ハンドルを握ってるときには
ギアの音しか聞こえない
おまえのグリースガンを手にしたら
ああ 病気みたいだぜ なあ

I'm in love with my car
Got to feel for my automobile
Get a grip on my boy racer roll bar
Such a thrill when your radials squeal

俺は愛車に恋してるんだ
自分のクルマに想い入れちまってる
レーシングカーのロールバーを握ると
タイヤが悲鳴をあげるスリルがたまらない

Told my girl I just had to forget her
Rather buy me a new carburetor
So she made tracks saying this is the end now
Cars don't talk back
They're just four wheeled friends now

あの娘に言ったんだ
おまえのこと忘れちゃうんだって
それより新しいキャブレターを買ってくれ
すると「もう終わりね」って言って
あの娘は逃げちまったよ
クルマは口答えなんかしない
今じゃ4輪の俺の親友さ

When I'm holding your wheel
All I hear is your gear
When I'm cruising in overdrive
Don't have to listen to
no run of the mill talk jive

ハンドルを握ってるときには
ギアの音しか聞こえない
制限速度オーバーで運転すると
聞かないで済むんだ
いつものくだらないおしゃべりなんて

I'm in love with my car
Got to feel for my automobile
I'm in love with my car
String back gloves in my automobile

俺は愛車に恋してる
自分のクルマに想い入れちまってる
レーシングカーのロールバーを握ると
タイヤが悲鳴をあげるスリルがたまらない
クルマにはお気に入りの
ストリングバックの手袋もあるのさ

(Words and Idioms)
hubcap=ハブ[ホイール]キャップ
wheel=自動車のハンドル
grease gun=グリース注入器
radial=ラジアルタイヤ(コードを放射状に配列したタイヤ)
squeal=悲鳴をあげる
carburetor=キャブレター=エンジンに接続されており、ガソリンと空気を混ぜてエンジン内部に送り込む「燃料供給装置」
make tracks=逃げる
talk back=〔…に〕口答えする
run-of-the-mill=普通の,(月)並みの,平凡な
jive talk=ジャイブトーク(◇スイング風の身振りを交えた早口のしゃべり)
string=ひも、糸


日本語訳 by 音時



51Ps6f-1-RL._SY450_


◆映画「ボヘミアン・ラプソディ」の小ネタの話をもうちょっとだけ。

映画のなかでは、EMIのエグゼクティブのレイ・フォスターがアルバム「オペラ座の夜」から"ボヘミアン・ラプソディ"の代わりにこの曲"I'm In Love With My Car"をファースト・シングルにしてはどうか?と提案がありました。

 EMIは6分近くもある、歌詞の意味不明の「ボヘミアン・ラプソディ」を1stシングルにするのが反対だったんですね。そしてレイ・フォスターは「I'm In Love With My Car」を提案する理由を話すのですが、それが「この曲ならガキがクルマのなかで爆音でヘドバンできる」とうようなものでした。ここで"知ってる人"は笑えます!(^-^)。

 そう、映画「ウェインズ・ワールド」の中では「ボヘミアン・ラプソディ」を車の中で大音響でかけて、みんなでヘドバンする場面は有名ですね!そしてそして、そのヘドバンをする俳優マイク・マイヤーズが、何を隠そう、EMIのエグゼクティブ役を務めていたのです!(これはこの一言を言わせるために起用した、っていうことなのでしょう)

そのシーンはこちら。





◆最終的に、シングル「ボヘミアン・ラプソディ」のB面となった"I'm In Love With My Car"ですが、映画のなかではもう1シーン。

EMIと決別したクイーンはシングル「ボヘミアン・ラプソディ」をラジオでかけてもらおうと営業活動をします。DJは聴いたこともない曲ですが、クイーンの新曲ということでは話題性があるので、かけてくれようとしますが、レコードを手で受け取ってタイトルを読むと…"アイム・イン・ラヴ…""そっちはB面です!"というやりとり。僕はここでも"ププッ"と笑ってしまったのですが、ここで笑ったのは映画館のまわりの席だと僕だけだったみたいでした…(^▽^;)。


◆ちなみに、和訳ですが、クルマにほとんど乗らない僕にとってはちょっとわからない単語が多かったです。調べたことをちょっと挙げておきますね。リンク先をご参照ください。

・ラジアル(タイヤ)について…ラジアル構造とバイアス構造の違い

・ストリングバックの手袋…GreyCar Mens Classic String Back Driving Gloves