そのときアタシたちはバンドを組んだの
4ピースバンドをね
熱気はまるでスポットライトを浴びたよう
あの熱い夏の夜
あの熱い夏の夜
Top40ヒットとして記憶のあったナイト(バンド名)の「ホット・サマー・ナイト」。(原題は"Nights"と複数形ですが、邦題は「ナイト」と単数)
作者が「Magnet and Steel」のウォルター・イーガン(Walter Eagan)とは知りませんでした!
◆Nightといえば、全米トップ40を聴いていた人は、クリス・トンプソンの名前が出てきますね。この曲"Hot Summer Nights"のあと、映画「チャンプ」の主題歌"If You Remember Me(幸せのかけら)"のヒットの際は、クレジット名が"クリス・トンプソン&ナイト"となっていました。クリスはマンフレッド・マンズ・アース・バンドのボーカルではこの曲を歌って全米No1になるなど、ヴォーカリストとしては名前が売れていたから、なのでしょうかね。
◆一方、"Hot Summer Nights"はクリスがメインでなく、女性がリードヴォーカルをとっています。この女性、この曲を歌っていた時代は"スティーヴィー・ラング(Stevie Lange)"という名前でしたが、改名して現在は"Stevie Vann"と名乗っているミュージシャン。"離婚して名前が変わったんですね。
調べてみたところ、結婚していたときの相手はなんと、デフ・レパードなどの数々のバンドやアーチストの有名プロデューサーの"ロバート・マット・ラング"じゃないですか!これにはビックりしました。
二人は南アフリカの出身で、そこのハイ・スクールで出会い、結婚し地元で音楽活動を始めてから一緒にアメリカに渡りました。1978年には離婚したというので、この"Night"での活動を始めたときにはすでに離婚していたのですが"Lange"を引き続き名乗り、その後落ち着いて?から"Lange"の名前とはサヨナラしたようです(-_-;)
彼女はソロでのシングルも出しているようだし、セッションとしてブライアン・アダムスやエルトン・ジョン、ワムやティアーズ・フォー・フィアーズなどのアルバムにも参加していたようです。(STEVIE LANGE info)
(Walter Egan)
Released in 1979
US Billboard Hot100#18
From The Album"Night"
"Hot Summer Night"lyrics(英語詞はこちらのサイトからいただきました)
:原詞は太字
There was a time, not too far gone
When I was changed by just a song
On the radio, in the car
The pounding electric guitars
そんな昔の話じゃないが こんな時があったわ
たった一曲の歌がアタシを変えたのよ
カーラジオから流れてきた
弾むようなエレキギターのフレーズが
Then the time came to make a stand
We started up a four-piece band
And the heat felt like spotlights
In the heart of a hot summer night, yeah
Hot summer nights
Hot summer nights
そのときアタシたちバンドを組むことにした
4人組のバンドを始めたの
熱気はまるでスポットライトを浴びたかのよう
熱い夏の真夜中のことだった yeah
あの熱い夏の夜
あの熱い夏の夜
Return with me to when times were best
We were friends who could pass any test
We shared our hopes,
our dreams, and our goals
And the Fundamental Roll
ロックが最高だった時代に戻らない?
アタシたち どんな試練だって
乗り越えられる仲間だったよね
みんなの希望や夢、そしてゴール
分け合ったのは
ピュアなロックサウンドだった
As we sang in the hot, dark rooms
Happy just to play our tunes
It felt good when we got it right
It felt good on a hot summer night, yeah
Hot summer nights
Hot summer nights, yeah
熱気でいっぱいな暗い部屋で
アタシたちは歌ってたね
自分たちの曲を演ってゴキゲンだった
ピシッとキマッたときはいい気持ち
熱い夏の夜が気持ちよかったのよ yeah
熱い夏の夜
熱い夏の夜 yeah
And so it lives, and it always will
The songs we've sung are in us still
Ringing out with all their might
In the heart of a hot summer night, yeah
Hot summer nights
Hot summer nights, yeah
生きてるのよ いつだってそう
アタシたちが歌った歌の数々は
アタシたちのなかで今も響いている
この熱い夏の真夜中だって yeah
忘れられないわ
あの熱い夏の夜
あの熱い夏の夜…
(Words and idiom)
Fundamental=基本の
日本語訳 by 音時
◆"Hot Summer Nights"…"暑い夏の夜"ではなく"熱い"としました。また、女性ボーカル曲なので「アタシ(達)」と訳しましたが、作者が男性(ウォルター)なのでそこは大目にみてください! 歌詞に出てくる"the Fundamental Roll "は(基本となるロール)ということで意訳として「ピュアなロックサウンド」としましたが、これはウォルターのデビューアルバムのタイトル"The Fundamental Roll"のことですね。
"Magnet And Steel"がヒットするアルバム"Not Shy"の前のアルバムで、マックのリンジー・バッキンガムは「Fundamental Roll」から参加していましたね。
しかし、こういう歌詞の曲とは思っていませんでした。熱い夏の夜に恋人どうし愛し合った…なんて歌詞かと思ってました。ウォルターが本格的に音楽の道に進もうと決意したのはある日カーラジオからかかったある曲がきっかけ。その弾むようなギターサウンドが心に響いたんですね。そして仲間と音楽をやるときにはいつも暑くて狭い部屋。いつだって知らない間に真夜中になっていた。そんな熱い夏の夜、今でもあの頃を思い出す、ってことなんですね。
(PS)どうも女性ボーカルで夏を歌った、若干暗め(僕の捉え方です)の曲っていうと、この曲と、Motels「Suddenly Last Summer」とか、Quaterflashの「Harden My Heart」とか思い出します。テイストがどうも似た感じがしてしまいます。
◆僕が持っている洋楽本「ヨット・ロック」(DU BOOKS)のP.196にこの曲についての作者ウォルターのコメントが載っていました。
なんでも、春にウォルターの“Magnet And Steel”をかけてくれたラジオ局が夏には“Hot Summer Nights”に目を付けてくれたらしいのですが、コロムビアレコードがなかなかシングルにしてくれなくて、出したときには季節は冬...(^_^;) さすがに売れなかったそうです。
でも翌年の春、プロデューサーのリチャード・ペリーが新人にこの曲を歌わせた...これが世界中でトップ20入りする大ヒットとなった...(これがナイトの“Hot Summer Nights”であるとのこと!
本家 ウォルターの"Hot Summer Nights"。結構カッコいい。
(この記事で参考にした洋楽本)~AORの名曲の裏話が沢山‼ ぜひ購入してお読みください!
ヨット・ロック AOR、西海岸サウンド黄金時代を支えたミュージシャンたち
(amazon.co.jp)
コメント
コメント一覧 (5)
バンド名が「ナイト(Night)」 曲名が「Hot Summer Nights」でしたね。
ややこしや!
バンド名が「ナイト(Nights)」 曲名が「ホット・サマー・ナイト」 ややこしや。
バンド結成に関わる歌詞だったのですね。「アタシたちが歌った歌の数々は アタシたちのなかで今も響いている」というところが、心に残ります。
ボーカルのスティーヴィー、パンチのある歌声がカッコいいい。それに、裏声もきれい。そして、初めてお顔を拝見したけれど予想以上に美人。(これは失言かな?)
この頃って、有名ではない名曲がたくさんあるんですね。 だいぶ忘れているけれど…。
・・・が、ずいぶんキレイな曲ですね。1979年に「そんな昔でなく、ピュアなロック」って、何でしょうね。
5年くらい前の74年とすると、自分だったら友達の家でSmoke on the water(のイントロ)やSunshine Love(のイントロ)を演っていたような。この歌声で回顧するような、サワヤカ系ロックってありましたっけ?
Shocking Blue? Jefferson Airplainあたりのコピーかな?
おっ! 「本家」は確かにファズがかっていて、カッコいいですね!!