洋楽関連のNewsによると…

ポール・マッカートニーが、ウイングスの結成から解散までの軌跡を綴った528ページの新刊『Wings: The Story of a Band on the Run』を発売とのこと。(海外で11月14日発売。まだ先だけど…)
(amass.jp)


日本発売(日本語訳)はないのかなぁ。下の動画が予告映像。ポール、リンダ、デニー、みんな若い。





というわけで、2025年3月のアルバム全曲和訳は「Band On The Run」にしました!





◆アルバムA面1曲めはタイトル曲。ポールのライブでも欠かせない、クライマックスに演奏される1曲です。

 この曲は文句なしの名曲でしょう。なんといっても曲の構成がいい。ポールの才能が存分に発揮されてる1曲です。ご存じの方も多いでしょうが、1曲のなかに3曲が入っているというか、曲がメドレー構成になっているのが特徴。その第一部から第三部まで歌詞にも物語があります。

(第一部)バラード
 ・監獄のなかでのバンド連中。もう気の遠くなる年月が経っている。
 ・もう一度、友達や彼女に会いたい…

(第二部)ロック調
 ・脱獄を決意。なんとしてもここを出てやる。
 ・ここを出られるなら財産なんていらない。
  でも出たら1杯の酒だけ飲ませてくれ。

 (オーケストラが入る)

(第三部)ポップソング

 ・アコーステッィクギターが鳴り、バンドは逃走中!
 第三部の出だしのアコースティックギターの音!
 牢獄からやっとの思いで抜け出して、自由になり、草原を走る(ような)開放感!
 ・ひたすら逃げ回るバンド 追いかける連中。
 ・バンドは連中の裏をかき?逃走もなんだか楽しそう!?
 ・これからもずっと逃げ回る。
  きっと奴らもおいかけてくるだろうけど、つかまりやしないぜ。!


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 ポールは単純なラブソングでも才能発揮させるけど、こうしたメドレー組曲も数曲ありますね。ビートルズ時代の「You Never Give Me Your Money」やABBY ROADのB面、ソロになってからの「Live And Let Die(007死ぬのは奴らだ)」など。なかでもこの「Band On The Run」は3部を通じて、曲の展開、歌詞の物語、わかりやすさ親しみやすさもあり、最高傑作と言えるでしょう。

 wikipediaには“ビートルズ時代の1968年に発表された「ホワイト・アルバム」に収録されたジョンの作品「ハッピネス・イズ・ア・ウォーム・ガン」に触発されたポールは、2曲以上の楽曲で構成した作品を好み、解散後もその傾向は「アンクル・アルバート/ハルセイ提督」、そしてこの「バンド・オン・ザ・ラン」などへと受け継がれていった”とあります。

 それでは"Band On The Run"の歌詞と日本語訳です…。

(Paul McCartney/Linda McCartney)

Released in 1973
US Billboard Hot100#1
From The Album“Band On The Run”


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:*原詞は太字

Stuck inside these four walls,
sent inside forever,
Never seeing no one nice again
Like you,Mama you, mama you.

四方を壁に囲まれた…
牢屋に送り込まれて
気の遠くなる月日が経つよ・・・・
誰にも会うことができない…
もう再び会えないのか・・・・
きみにも・・・・
ああ愛しいきみ・・・・


If I ever get out of here,
Thought of giving it all away
To a registered charity.
All I need is a pint a day
If I ever get out of here.


もしここを出られたら
俺の持っているものぜんぶ
慈善団体に寄付してもいい
1杯の酒があればいいのさ
もしここを抜け出せるならね…


Well, the rain exploded
with a mighty crash
as we fell into the sun,
And the first one said
to the second one there
I hope you're having fun.

俺たちが牢屋から
お天道様の元に逃げ出したら
ものすごい雨が降り出してきた!
先頭の仲間が次のヤツにこう言う
なあ、最高の気分だよな?って

Band on the run,
band on the run.
And the jailer man
and sailor sam
were searching every one
For the band on the run,
band on the run,
band on the run,
band on the run

俺たちバンドは逃げる
俺たちバンドは逃げまわる
看守や船乗りサムは
脱獄した俺たちバンドを
探しまくってるんだ
俺たちバンドは逃げる
俺たちバンドは逃げまくる
俺たちバンドは指名手配中

Well, the undertaker
drew a heavy sigh
seeing no one else had come,
And a bell was ringing
in the village square
for the rabbits on the run.


葬儀屋は大きなタメイキ
“誰もこねえし姿も見えねえ”
村の広場では鐘が鳴る
俺たち“ウサギちゃん”が逃げてくからな

Band on the run, band on the run.
And the jailer man and sailor sam,
were searching every one
For the band on the run,
band on the run,
band on the run,
band on the run


俺たちバンドは逃げる
俺たちバンドは逃げまわる
看守や船乗りサムは
脱獄した俺たちバンドを
探しまくってるんだ
俺たちバンドは逃げる
俺たちバンドは逃げまくる
俺たちバンドは逃走中

Well, the night was falling
as the desert world
began to settle down.
In the town
they're searching for us everywhere,
but we never will be found.
Band on the run, band on the run

脱走劇が落ち着いて来た頃
夜も更けてきた
町じゃあちこちで
俺たちバンドを探してる
でも俺たちは見つかりやしない
俺たちバンドは逃げる
俺たちバンドは逃げおおすんだ

And the county judge,
who held a grudge
Will search for evermore
For the band on the run,
band on the run,
band on the run,
band on the run

俺たちを捕まえられずに
州の裁判官も無念に思うだろう
そしてきっと言うよ
俺たちバンドを
“いつかきっと探し出せ”ってね
俺たちバンドは逃げる
俺たちバンドは逃げまくる

俺たちバンドは逃走中
絶対に捕まらないぜ!

(Words and Idioms)
pint=1パイント(約0.5L)
undertaker=葬儀屋
desert=脱走
grudge=遺恨 無念
evermore=将来の時刻のいつか

日本語訳 by 音時


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◆僕はこの歌詞は、ツアーを続けるバンド、それでも楽しくやっていこう!というような思いや、世界中どこにいっても追いかけ回されるスター稼業の宿命!?のようなものも意味としてかかってるのかなあ、なんて思っていました。

が、ポール著の「The Lyrics: 1956 to the Present 」(2021)の「Band On The Run」の解説によると…

“曲のタイトルにある“バンド”という言葉は、脱獄囚の集団を表してるんだ。映画「Butch Cassidy and the Sundance kid」を彷彿とさせるならず者達の集団さ。(中略)この曲は、当時、僕らのほとんどが感じていた、規制社会の呪縛から解き放たれた気分をそのまま表すような、自由を謳歌するストーリー・ソングと言えるだろう。(攻略)

映画「Butch Cassidy and the Sundance kid」を聞いたことがなかったのですが、調べてみたらこれは「明日に向かって撃て!」の原題なんですね。(実在の銀行強盗ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドの逃避行を題材にした西部劇)

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んー、“Band On The Run”の僕の和訳は「規制社会の呪縛から解き放たてた気分を謳歌するようなストーリー・ソング」になってるかなぁ…?


◆「Band On The Run」はアルバムもいい。「Band On The Run」~「Jet」のA面ばかり(というかこの2曲)を聴いていた若い頃もありましたが、地味だけどダイナミックに展開される渋いB面を無性に聴きたくなることもあります。

paulmccartneyandwings.wings-bandontherun

 ジャケットも脱獄した直後?の写真でおもしろい(ここまでサーチライトに照らされてたら捕まるだろうって思うけど)。ポール、リンダ、デニーだけでなく、そのほかにいる脱獄囚の仲間はみな有名人。
・マイケル・パーキンソン(トークショーの司会者、ジャーナリスト)
・ケニー・リンチ(俳優、コメディアン、歌手)
・ジェームズ・コバーン(俳優)
・クレメント・フロイト(コラムニスト、グルメ、座談家、国会議員、「Just a Minute」のパネリスト、ジークムント・フロイトの孫)
・クリストファー・リー(俳優)
・ジョン・コンテ(リバプール出身のライトヘビー級世界チャンピオンボクサー)
(From Wikipedia)

こういう凝ったジャケットを楽しむのはやっぱりレコードのサイズじゃないとなあ…(懐古)


◆1976年のライブ(シアトル キングドーム)。Wings Over Americaの全盛期の頃だ!





(この記事は以下を参考にしました)
・Wikipedia Band On The Run
ジャケット写真もここからいただきました。