夏の日の夜に聴きたい音楽…。この曲を忘れてはいけません!




◆ボズ・スキャッグスです。この曲"Harbor Lightは"アルバム「Silk Degrees」ではA面ラストに位置し、異国情緒たっぷりの哀愁ソング。歌詞に"トーキョーローズ"なんて出てきてしまう。ラストに向かって軽快なタッチになるとことも素敵なアレンジです。

◆"Son of a Tokyo Rose"について…
出だしの歌詞です。"東京ローズ(の息子)"…この語句が1か所歌われるだけでこの曲の異国情緒、エキゾチックな感じが出てきます。

 外国の人が聴くとどんな風に思うのかな。ちなみに「東京ローズ」とはウィキペディアを見ると…「…日本軍が太平洋戦争中におこなった連合国側向けプロパガンダ放送の女性アナウンサーに、アメリカ軍将兵がつけた愛称」と出てきます。日本軍は、戦争の相手である米軍兵士に妻子や恋人たちのことを思い出させて、ホームシックにさせて戦意を喪失させることを狙った作戦を取ったんですね。「東京ローズ」は米兵達の人気を集め、戦後は米記者が「東京ローズ探し」に熱中したと言います。

(ウィキペディア「東京ローズ」
(NAVERまとめ「甘い声でささやく絶望的な言葉...女性DJ「東京ローズ」の壮絶な人生」)
 
でもさすがにホントに「東京ローズの息子」であることをカミングアウトしたわけじゃないですよね。 そこでさらに「Tokyo Rose」を調べてみると"Urban Dictionary"に"A nickname giving to hide the identity of a crush. "="群衆の正体を隠すために与えられたニックネーム"ということでした。

 正体が謎に包まれた「東京ローズ」~そこから転じて自分の正体を明かしたくないときに"Tokyo Rose"って名乗ったり、仮の名前として呼ばれるなんてことがあるようなんですね。主人公が男だから「その息子」って名乗った、ということかと思いました。

◆ほかにも歌詞のなかで「???」というところがありましたが、続きは後半で。まずは歌詞と日本語訳にあたってみましょう…。

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(B.Scaggs)

Released in 1976
From The Album"Silk Degrees"

"Harbor Lights"lyrics(英語詞はこちらのサイトからいただきました)
:原詞は太字


Son of a Tokyo Rose
I was bound to wander from home
Stranger to whatever I'd awaken to

俺は東京ローズの息子
(そういうことにしておいてくれ)
故郷を離れて さまよう運命
出会うものはなんだって新鮮なんだ

Spun the wheel
Took a shot in the dark
One way ticket and a runaway heart
A sailors dream came true
The night I dreamed of you

空回りばかりさ
まるで暗闇のなかで写真を撮ってるみたい
片道切符 落ち着けない旅心
船乗りの夢がかなう今夜
おまえのことを夢見ていたんだ

Through the neon doorways
Down the stony streets I fell
All hands high side
All eyes a wreck
I followed
Sailing shadows reds and blues
Curtains drawn but I saw through
The window to your soul
And I found you

ネオンのきらめくドアを抜けて
石のように冷たい通りに降り立った
誘う女の手を無視して
視線も知らんぷりで
ただ先を急いだのさ
赤や青色の影のなかを進んでいくと
カーテンが降りてたけど やっとたどり着いた
おまえの心に続いてる窓
おまえをようやく見つけたよ

Whoa oh oh oh
The harbor lights of Venus
Shining through the breeze
That brings me back
To you my love..
To you my love..
To you my love
Oooooh

ああ
ヴィーナスのような港の灯り
そよ風にのって輝いてる
そして俺を連れ戻してくれる
愛するおまえのもとへ
愛するおまえのもとへ
愛するおまえのもとへ…

My eyes must be betrayin'
But that lonesome jukebox playin'
Somethin 'bout the Harbor Lights
It's callin' me

俺は見まちがえていた
ポツンと置かれたジュークボックスから
曲が流れてただけだった
港の灯りの何かが
俺の名前を呼んでいた

Back to some Jamaican bay
Doesn't seem so far away
Keep the change
But I'll repay these memories

ジャマイカ湾の想い出が甦る
まるですぐ近くに感じるんだ
釣りはいらないさ 取っておいてくれ
あとで想い出で払うことになるけれど

Dawn came in this morning
Like some old junked out melody
The words she spoke as we awoke
Still haunt me

夜明けが近づいてくる
古びたガラクタのメロディみたいだ
一緒に目覚めたときの彼女の言葉が
今でも俺の頭から離れない

"What you feel too
Won't reveal you"
Let me steal you for my life

"自分自身も感じたことが
何だかわかるといいのにね"
おまえを奪いたいんだ
俺の人生のために…

Whoah oh oh oh
The harbour lights of Venus
Shining through the breeze
That brings me back
To you my love..
To you my love..
To you my love...

ああ おまえはまるで
ヴィーナスのような港の灯り
そよ風にのって輝いて
俺を連れ戻してくれる
愛するおまえのもとへ
愛するおまえのもとへ
愛するおまえのもとへ…

Whoah oh oh oh
The harbour lights of Venus
Shining through the breeze
That brings me back..
Oh to you my love
To you my love..
To you my love...

ああ おまえはまるで
ヴィーナスのような港の灯り
そよ風にのって輝いて
俺を連れ戻してくれる
愛するおまえのもとへ
愛するおまえのもとへ
愛するおまえのもとへ…

(Words and Idioms)
tokyo rose =(Urban Dictionary)
A nickname giving to hide the identity of a crush.
be bound to=~しなければならない、~する運命にある
stranger to=不慣れな人,初めての人
awaken to=目覚める, 目ざめる
spin the wheel=車輪を回転させる、無駄なことをする
take a shot=写真を撮る 試みる、やってみる
high side=(人の存在などを)無視する
Keep the change=釣りはいらない
 
日本語訳 by 音時


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続きです…。

◆"All hands high side ,All eyes a wreck"について

これも???でした。ただ、シチュエーションは"急いでどこかへ向かう主人公"。"high side"に"人の存在を無視する"という意味があるので、場面が浮かびました。急ぐ彼の元、舗道の脇に立つ女性のみなさん(プロの方々)がお誘いの手、お誘いの視線ビームを浴びせます。彼は沢山の手をすべて振り払い(high side)、視線を"海の残骸(wreck)"のように扱います。"wreck"を使ったのは、"Harbour"にちなんで"海"的な単語だからでしょうか。

◆"My eyes must be betrayin' "について

1st verseで"彼女の家までようやくたどり着いた(カーテンは降りていたが)"ってところで和訳しつつも"なんだ、この男、ストーカーか?"と思ったりしました。ですが…どうも想像力が強すぎて「見間違い」だったようですね(^▽^;) 
 おそらく過去に彼女と港の灯りを見た強烈な印象・想い出があるのでしょう。ジュークボックスでかかっていたのはいみじくもそのときと同じBGMだったのでは??? なんて この解釈も強引…!?。

◆目覚めたときの彼女の言葉 について

彼女が何て言ったか? まったくその言葉は明らかにされてないということで、"What you feel too won't reveal you.Let me steal you for my life"を彼の心のなかの思い、として訳すことも無理ではないでしょうが、意味がよくわかりません。
 そこで、この歌詞は「彼女の言った言葉」なのではないか?と思いました。
すると、"What you feel too、Won't(you)reveal you"については、"あなたも感じたこと、あなたに明らかになるといいわね"という言葉だったのかな?と思いました。
 
 主人公と彼女が一緒にいて過ごした時間はほんの短い間だけだったかもしれないが、感じたことを共有できたのは確かだった。そんなことを忘れずにいたいわね…ってなんとなくそんな感じ?でもこの言葉はなんとなく別れをほのめかしているようです。

 ただ、そうすると次に彼女がどうして"Let me steal you for my life"と言ったのか、がよくわかりません…。これはどちらかというと"愛の告白"のような言葉かと思います。そこでご都合主義ではあります(自分で言っている)が、この最後の一文は彼女の言葉ではなく、彼女の言葉を聞いた主人公の思いなのではないかと…。かなり無理がありそうではありますが、意味は通じるかなと…(-_-;)
 港の灯りを目にした主人公は、やはり彼女への思いを再確認しました。そして今度はきっと本当に再度彼女に会いにいくに違いありません…!(おしまい)

~上記について
・Bozに詳しい方、どこかでBozが何かコメントしてるようなことがあればご紹介ください~!


◆Liveでの"HARBOR LIGHTS".





◆"ハーバーライト"と言えば…スターダスト・レビューの"もう一度ハーバー・ライト"も好きなんだよな~。