“夏の曲”!というと、この“サマータイム・ブルース”もすぐ頭に浮かびます!
僕が“サマータイム・ブルース”を初めて聴いたのは、FMでやっていたブルース・スプリングスティーンがライヴで演ったカバーでした。これはこれでカッコ良かったな。そのあとThe Whoのヴァージョン。(これは1970年に全米38位になっています) オリジナルのエディ・コクランのヴァージョンを聴いたのは、RCサクセションの「カバーズ」の後だったかもしれません。The Whoのヴァージョンはライヴアルバム“Live At Leeds”からのシングル。ちなみに、リーズ (Leeds) は、イングランド・ウェスト・ヨークシャーのシティ・オブ・リーズの中心エリアになります。

◆エディ・コクランのオリジナルは1958年10月に全米8位のヒットになりました。作者のクレジットにエディと名を連ねているジェリー・ケイプハートはエディの友人のソングライターであるとのこと。ウィキペディアではこの曲について次のように紹介されていました。
The song is about the struggle between a teenager and his parents, his boss and his congressman.
(10代、両親、仕事のボス、議員先生たちの間での葛藤について歌った歌である)

海だ!車だ!水着だ!という夏の歌が多いなかで・・・暑いなかで汗を流しながら、オトナ(社会)からこき使われる10代の夏の憂鬱(Summertime Blues)を歌ったのがこの歌なんですね。
Writer(s)
Eddie Cochran, Jerry Capehart
Released in 1970
US Billboard Hot100#38
From The Album“Live at Leeds”

:*原詞の引用は太字です
I'm gonna raise a fuss,
I'm gonna raise a holler
About a workin' all summer
just to try to earn a dollar
俺は大騒ぎしたい
俺は大声を出したいんだ
夏の間ずっと働きづくめで
それも1ドル稼いだだけなのさ
Every time I call my baby,
and try to get a date
My boss says,
"No dice son, you gotta work late"
Sometimes I wonder what I'm a gonna do
But there ain't no cure
for the summertime blues
彼女に電話して
デートの約束をするたびに
ボスが言うのさ
“そんなの認められん、残業しろ”
時々どうすりゃいいんだ
いい薬なんてないんだよ
この夏のブルース(憂鬱)にはね
Well my mom and pop told me,
"Son you gotta make some money,
If you want to use the car
to go ridin' next Sunday"
ああ俺の親父やお袋も言うのさ
“お前もう少し稼いでくれよ
次の日曜にドライヴに
うちの車を使いたいんならね”
Well I didn't go to work,
told the boss I was sick
"Well you can't use the car
'cause you didn't work a late"
Sometimes I wonder what I'm a gonna do
But there ain't no cure
for the summertime blues
いや 俺は仕事に行かなかったんだ
ボスには病気だって言ったのさ
“そしたらお前には車は貸せない
だってお前は仕事してないからな”
もうどうしろっていうんだよ
この夏のブルース(憂鬱)に
効く薬ってないのかい?
I'm gonna take two weeks,
gonna have a fine vacation
I'm gonna take my problem
to the United Nations
2週間休みを取りたいんだ
素敵な休暇を過ごしたいんだよ
俺は"俺の問題"を
国際連合に持ち込んでやるんだ
Well I called my congressman
and he said quote:
"I'd like to help you son
but you're too young to vote"
Sometimes I wonder what I'm a gonna do
But there ain't no cure
for the summertime blues
議員先生に電話で訴えた
そいつはこう言ったよ;
“なんとかしてあげたいのはやまやまだけど
きみはまだ投票もできない子供だろ”
だったらどうしろっていうんだい?
この夏のブルース(憂鬱)に
効く薬はどこにあるんだよ
この夏のブルース(憂鬱)に
効く薬はどこにあるんだよ
(Words and Idioms)
holler=叫び 大声 わめき
no dice=お断りだ 絶対ダメ
congressman=国会議員(なかでも下院議員を指す)
日本語訳 by 音時
日本でも2022年4月1日から、成人年齢が18歳となりました。大人の定義が変わりました。若者が親の同意なくローンなどの契約を結べるようになるなんてこともあります。若者の社会参画が進むんでしょうかね。
アメリカではこの歌が歌われていた当時の選挙権は21歳だった様子です。1971年7月より選挙権年齢は連邦だけでなく州及び地方選挙も一律に18歳となりました(合衆国憲法修正第26条の成立による)。ベトナム戦争の際に、18 歳以上21 歳未満の者は徴兵されるのに選挙権がないのは不当である、と主張されたのをきっかけとされているようです。この曲の影響…!?はないか(^O^)
◆これがオリジナル。エディ・コクラン「Summertime Blues」 1958年全米8位になりました。
◆ブルースの「Summertime Blues」。僕はこのロックン・ロールが一番ピタッとくるな!歌詞のなかのボスや親父の役はBig Man(クラレンス・クレモンズ)が低音でつぶやきます(Big Man亡きあとは今はギターのスティーヴが代わりを務めているようですね)
◆RCサクセション「Summer Blues」。夏のユーウツは社会問題に!
◆渡辺美里さん「サマー・タイム・ブルース」
◆渡辺美里さん「サマー・タイム・ブルース」
◆吉田拓郎さん「サマータイムブルースが聴こえる」。作詞は松本隆さん。
コメント
コメント一覧 (4)
バンドのロゴがかわいいし帯の推薦文を元ミッシェルガンエレファントのウエノコウジさんが寄稿していたというミーハーな理由で購入に至ったものの当時はそこまでハマりきれなかったのでした。
しかしこの数年改めて音楽を聴く楽しさを知り、購入時よりも今ヘビーローテーションしています。この曲は二役を歌い分けるボーカル、ハモリ、それぞれの楽器の音も本当に聴いていてワクワクします!ジョン・エントウィッスルは偉大なベーシストTop100の上位にランクインしていますが、一枚アルバムを聴いたら知識がなくても「なんかすごい」と思わせられる演奏ですね。
オリジナルアルバムも聴きたくて最初の一枚に「Who’s Next」を手に入れました!
ちなみに私の初サマータイム・ブルースはウルフルズだった記憶があります!懐かしい90年代の思い出です。
Cheerのアレンジもそれなりに受けてヒットしましたが
The Whoの方がダイナミックで聴き応えがあった。
よく「ヤングマン・ブルース」と一緒に聴いたなぁ。
この曲が入っていたアルバムLive at Leedsは、パッケージが海賊版のパロディで笑った。
リーズ大学は佳子内親王が短期留学されていましたね。
当時はロックン・ロールのハード・ロック風焼直し(笑)が流行していました。
「朝日のあたる家」フリジト・ピンク
「監獄ロック」ジェフ・ベック・グループ
「孤独の叫び」グランド・ファンク・レイルロード
それぞれのアレンジに時代を感じるけど、やっぱりThe Whoとジェフ・ベックは
今聴いても、その後、生き残っていくだけの力とセンスを感じます。