僕のなまえはルカ。2階に住んでるんだ。




 アルバム"Solitude Standing(孤独…ひとりと読ませる)"はスザンヌ・ヴェガのつぶやきソング"Tom's Dinner"から始まります。"さて 私はコーヒーを飲み干す 遅れちゃいけない 電車に乗る時間なんだ…"と締めくくられ、Tu tu tu tu…とフェードアウトしたら、2曲目が始まります。「ルカ」です。メロディとアレンジは明るい楽しいポップスという感じです。でも…こういう内容の曲とはわからなかったなあ。"児童虐待"…なかなか重いテーマを扱った曲です。



◆ただ僕の感じた"ギャップ"は意図的なものだったようです。スザンヌはこのように言っています。(Songfactsより)

だって私は複雑な問題を取り上げようとしてたからね。一番シンプルな作りにしてにしてそれを伝えたいと思ったの。シンプルなメロディと楽しそうなコードでね。うまくできたかなと思っているわ。歌詞も"こどもの言葉"で書くようにしたの。それで多くの人に聴いてもらえたんじゃないかと思ってるわ。

◆この歌に出てくる"ルカ"には実際にモデルとなった子がいました。1987年のスウェーデンのテレビ番組でスザンヌが話してます。

数年前のことだけど、私の住んでいたマンションのそばで供たちが遊んでいたのをよく見かけたわ。そのなかで名前は"ルカ"っていう、他の子とはちょっとばかし特徴的な感じの子がいたのよ。名前と顔は今でも覚えているけど、実を言うとどんな子かは知らないの。遊んでいるのを見ても、他の子とは少し距離を置いていたわ。"ルカ"はこの子のキャラクターがモデルになってるの。歌に出てくる子は虐待を受けてる子だけど、実際その子がそうかどうかは知らないわ。ちょっと他の子と変わってるっていうだけだったのよ。


◆「虐待を受けている」子どもはあなたの身の回りにいませんか?「あなたの2階」に住んでいたり、「前に会ったこと」があったりしませんか。"ルカ"の冒頭の歌詞は"ルカ"の自己紹介の形をとってはいますが"あなたのまわりにもいるかもしれないよ"と僕たちに呼びかけているように思います。(ビデオでは男の子が出てくるので、男の子の言葉で訳し始め、終盤の歌詞繰り返しのところは、女の子の言葉にしてみました。)

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Solitude-Standing


Songwriters VEGA, SUZANNE
Lyrics c Warner/Chappell Music, Inc.

Released in 1987
US Billboard Hot100#3
From The Album"Solitude Standing"(Amazon.co.jp)
邦題;孤独(ひとり)

*原詞の引用は太字

My name is Luka
I live on the second floor
I live upstairs from you
Yes, I think you've seen me before

ぼくのなまえはルカ
2階に住んでるんだ
あなたの部屋の上だよ
そう あなた
前に会ったことあるよね

If you hear something late at night
Some kind of trouble,
Some kind of fight
Just don't ask me what it was
Just don't ask me what it was
Just don't ask me what it was

夜遅い時間 
なにかもめごとや
けんかしてるような声だったり
もし何か聞こえたりしても
あれなんだったの?って 僕に聞かないで
何かあった?って 聞かないで
ぼくに聞かないでね

I think it's 'cause I'm clumsy
I try not to talk too loud
Maybe it's because I'm crazy
I try not to act too proud

ぼく とろいからさ
あまり大きな声で話さないようにするよ
もしかしてぼく頭おかしいかもしれないから
えらそうに見えないようにするよ

They only hit until you cry
After that you don't ask why
You just don't argue anymore
You just don't argue anymore
You just don't argue anymore

あの人たちは泣くまで
ただなぐってくるんだ
そしたらあとは
「どうして?」って聞かなくなるよね
もう言いあらそわないよね
もう文句言わなくなるよね
これ以上 なにも言わなくなるものね

Yes, I think I'm okay
I walked into the door again
If you ask that's what I'll say
And it's not your business anyway

そう ぼくならだいじょうぶ
またうちに帰っていくからさ
ぼくの言ったことをあなたが聞きたくても
それはとにかく
あなたとは関係ないことだよね

I guess I'd like to be alone
With nothing broken,
nothing thrown
Just don't ask me how I am
Just don't ask me how I am
Just don't ask me how I am

ぼくはきっとひとりになりたいんだ
なにもこわされたり
なにも投げつけられたりしない場所で
ぼくについて聞いたりしないで
ぼくがすることを聞いたりしないで
ぼくのこと 聞かないでね

My name is Luka
I live on the second floor
I live upstairs from you
Yes, I think you've seen me before

アタシのなまえはルカ
2階にすんでるの
あなたの階の上でしょ
あなたと前に会ったことあるのよ

If you hear something late at night
Some kind of trouble,
Some kind of fight
Just don't ask me what it was
Just don't ask me what it was
Just don't ask me what it was

夜遅くに何か聞こえたりしても
なにか事件みたいな
なにかいいあらそってるような声とか
何だったの?って聞かないで
あれは何?って聞かないで
アタシに何だか聞かないでね

They only hit until you cry
After that you don't ask why
You just don't argue anymore
You just don't argue anymore
You just don't argue anymore

あの人たちは泣くまで殴ってくるの
そしたらあなただってもう
どうしたの?って聞かなくなるよね
もう言い争ったりしなくなるし
もう文句言ったりしなくなるし
もう気にしなくなるよ…

(Words and Idioms)
clumsy=不器用な,ぎこちない,動きの鈍い


日本語訳 by 音時
Luka Suzanna



◆この曲の主人公"ルカ"は自分が子どもである無力さとともに、やはり「人々の無関心」について、スザンヌは歌っている語っていると思いました。僕も面倒くさくて、また勇気がなくて、見過ごしてしまうこと、沢山あります。でも鈍感にはならないで、自分だけの世界に閉じこもろうとしないで、社会やコミュニティのなかでの一員として生きることを大切にしていきたいと思います…。


◆日本のステージのようですね(From Duo Music Exchange in Japan)




◆オーケストラをバックに…Suzanne Vega - Luka (Live JuleShow 2010)




◆アルバム「孤独」のオープニングは衝撃でした。このモノローグのような曲"Tom's Dinner"…。