フレディの32回目の命日に際し、名作“Innuendo”を和訳します。

 告白すると…僕が1991年2月リリースのこのアルバム(CD)を購入したのはフレディが同年11月24日に天国に旅立った後のこと。一途なファンではなかったことをお許しください…。

「エイズ感染のカミングアウト」の翌日にフレディの死が伝えられました…。僕が保管しているのは11月26日の東京中日スポーツ誌。「性の革命児 最後の言葉…世界中の人たちにエイズと闘ってほしい…」という見出しがありました。

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◆あらためてこの曲“Innuendo”…展開が途中で変わる大曲ですよね。

浮かんでいる光景は…フレディを先頭にしてクイーンのメンバーが丘の上を行進しています。フレディは下を見下ろしながら目に見える光景を俯瞰して、この社会がどのように生まれて、今があるのか、時代を振り返っているように思います。

そして、途中の激しいフラメンコギター…人生が激動する様子が表現されています。この1曲のなかで目まぐるしく場面が変わる、この感じは「QueenⅡ」の“The March Of The Black Queen”のようでもあり、“Bohemian Rhapsody”のようでもあります。

 そして、フレディの歌とクイーンのメンバー達の演奏によって、「最後まで闘うんだ」と胸を張って決意を宣言をしているように聴こえます。

(この曲“Innuendo”について)Wikipediak情報を和訳しました。

 1989年春、スイスでブライアン・メイ、ロジャー・テイラー、ジョン・ディーコンの3人がジャム・セッションをしたのが始まりだった。フレディ・マーキュリーは2階にいて、彼らがビートを演奏しているのを聞き、それを曲にしてメロディを作り、歌詞を書き始めた。それ以降、4人全員で曲を磨き上げ、歌詞はテイラーが引き継いだ(レッド・ツェッペリンと彼らの曲「Kashmir」へのトリビュートとして書かれた)。
 マーキュリーが書いた中間部は後に収録され、プロデューサーのデヴィッド・リチャーズがプログラミングしたシンセ・オーケストラと、彼らを訪ねてきて演奏を依頼されたイエスのギタリスト、スティーヴ・ハウが演奏したフラメンコの間奏がフィーチャーされた。"Innuendo "は1991年1月にシングルとしてリリースされ、全英1位を獲得した。



*最初、フラメンコのギターは、ブライアンがブライアン・スペシャルで“ブライトン・ロック”ばりにじょんがら演奏したのかと思っていました…(笑)。弾いていたのはスティーヴ・ハウだったんですね。

innuendo


Released in 1991
UK Single Chart#1
From the Album “Innuendo”

*原詞の引用は太字

One two three four

Ooh ooh

While the sun hangs in the sky and the desert has sand
While the waves crash in the sea and meet the land
While there's a wind and the stars and the rainbow
Till the mountains crumble into the plain

太陽が空にぶら下がり 砂漠に砂があるかぎり
波が海に打ち寄せ 陸地にぶつかるかぎり
そこに風と星と虹があるかぎり
山々が崩れて 平地になってしまうまで

Oh yes, we'll keep on trying
Tread that fine line
Oh, we'll keep on trying
Yeah
Just passing our time

ああそうさ 俺たちは挑戦を続ける
その細い道だって踏み外さないよう進んでいく
ああ これからも前に歩んでいくんだ
そうだ
俺たちはそうして時を過ごしていく

Oh oh
While we live according to race, colour or creed
While we rule by blind madness and pure greed
Our lives dictated by tradition, superstition, false religion
Through the eons and on and on

俺たちは人種 や肌の色 信条に従って生きている
そして盲目的な狂気と純粋な貪欲に支配されている
俺たちの生活は伝統や迷信
偽りの宗教によって規定されてるんだ
永い時を経て  ずっとずっと

Oh, yes, we'll keep on trying, yeah
We'll tread that fine line
Oh oh we'll keep on trying
Till the end of time
Till the end of time

ああそうさ 俺たちは挑み続ける
道を踏み外したりはしない
ああ そうさ 俺たちは挑戦を続ける
最後のときが来るまで
人生の終わりが来るまで


Through the sorrow all through our splendor
Don't take offence at my innuendo

悲しい時も 栄光の時もずっと
俺の皮肉に腹を立てたりしないでくれよな…


Duh duh duh duh duh duh duh
Duh duh duh duh duh duh duh duh duh duh duh

You can be anything you want to be
Just turn yourself into anything you think
that you could ever be
Be free with your tempo, be free, be free
Surrender your ego be free, be free to yourself

おまえはなりたいものになれる
自分がなり得ると思うものに変身するんだ
自分のスピードで自由に 自由にすればいい
エゴを捨てて自由になって 自由に
自分自身に自由になることだ


Oh oh, yeah
If there's a God or any kind of justice under the sky
If there's a point, if there's a reason to live or die
Ha, if there's an answer to the questions
we feel bound to ask
Show yourself destroy our fears release your mask

Oh yes, we'll keep on trying
Hey, tread that fine line
(Yeah) yeah

ああ そうさ
空の下に神や正義があるなら
もし 生きるも死ぬも理由があるなら
ああもし俺たちが疑問を持つ問いに答えがあるなら
自分自身を見せろ 恐怖を打ち砕き
自分の仮面を脱ぎ捨てるがいい

そうだ 俺たちは挑み続ける
ギリギリのところで踏みとどまって
(Yeah) yeah

We'll keep on smiling, yeah
(Yeah) (yeah) (yeah)
And whatever will be will be
We'll just keep on trying
We'll just keep on trying
Till the end of time
Till the end of time
Till the end of time

笑顔を絶やさないでいよう
なるようになるのだから
挑み続けよう
俺たちは進んでいこう
最後のときが来るまで
生き続ける限り…

(Words and Idioms)
tread a fine line 細線[細道]を慎重に踏み外さぬよう進む
eon 【名】 《天文》10億年◇可算 《地学》累代 永劫、無限に長い年月
splendor 【名】豪華さ、輝き、壮観
take offense at 〔嫌な言動など〕に怒る[立腹する・腹を立てる

日本語訳 by 音時


◆フレディの最期の時が近くなっている…そのなかでも、彼らの決意を示した曲、ととらえて間違いはないと思うのだが…そうすると、この曲のタイトル“Innuendo”とはいったい何を指しているんだろう?


Qinnuendo

◆“Innuendo”(イニュエンドゥ)とは…?

英辞郎on the Webでは…
〔軽蔑的・中傷的な〕当て付け、暗示、ほのめかし、当てこすり、風刺

とあります。

ニュアンス的には…こちらのサイトをご参照ください。
プロ翻訳者の単語帳

この方が言うには…

特に「性的」な当てつけに使われる。相当な不快を伴い、受け手にとって実質的な中傷。
したがって、神経を逆撫でするような、ぴりぴりした雰囲気を醸し出すのが、“innuendo”。

単語そのものは中立的で、悪意は込められていない。
使用上は陰湿でネガティブである。

とのこと。

◆うーん、どうなんだろう。確かにこの曲が今後の奮闘の決意を述べたもの、とストレートに受けてしまうと…それってクイーンっぽくない気もします。
 アルバム「Innuendo」はタイトル曲“Innuendo”で始まり、“The Show Must Go On”で締めくくられ、そしてこのアルバムジャケットのアートワークは、道化師のイラスト。
 そのあたりも意図的な作品のように思います。


Statue_of_Freddie_Mercury_in_Montreux_2005-07-15


 やっぱりこの曲のメッセージをあまりストレートに取らないでくれよ、所詮ショーであり、僕たちは道化師なんだからね、と照れくささ反面で、マジメな歌詞に対しての皮肉ってことなんだろうか?

 でも…「マジメな内容」を皮肉ってタイトルをつけても、本音は…この曲の通りなのではないか、と僕は結論づけたいな。

フレディ、引き続き、聴き続けていくよ…。