本日2023年1月10日はボウイの7回目の命日。

ボウイが手掛けた、アニメ映画「風の吹くとき」(When the Wind Blows)の主題歌を和訳しました。

◆この映画、封切り当時観に行きました。

【あらすじ(ウィキペディアより)】
老夫婦のジムとヒルダは、イギリスの片田舎で年金生活をおくっていた。しかし、世界情勢は日に日に悪化の一途をたどっていく。ある日、東西陣営による戦争が勃発したことを知ったジムとヒルダは、政府が発行したパンフレットに従い、保存食の用意やシェルターの作成といった準備を始める。

そして突然、ラジオから3分後に核ミサイルが飛来すると告げられる。命からがらシェルターに逃げ込んだジムとヒルダは爆発の被害をかろうじて避けられたが、互いに励まし合いながらも放射線によって蝕まれ、次第に衰弱していく…。

なにか映画の終わったあと、僕はボロボロ泣いていた記憶があります…。

日本語版は大島渚 監督、主人公の声は森繁久彌さんと加藤治子さんが吹き替えを担当。音楽はピンク・フロイドのロジャー・ウォーターズ、主題歌をデヴィッド・ボウイが担当していました。


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◆これもウィキペディア情報ですが、当初、ボウイは映画のサウンドトラックを全て書き下ろすつもりだったのですが、自身のオリジナル・アルバム制作のプレッシャー(「ネバー・レット・ミー・ダウン」)が高まったため、プロジェクトからは手を引き、タイトル曲のみを作成しました(ロジャー・ウォーターズが代わりにサウンドトラックのオリジナル音楽の多くを提供)

◆放映当時に僕もこの曲を聴いていたはずです。
ボウイは映画を観て、自分が得たインスピレーションからこの曲を作ったんだろうな。

「核」のもと平和な生活というのはあるんだろうか。
ボウイの解釈・感想…としてこの曲を聴くのはとても興味深いな…。

ボウイ、R.I.P…。


Bowie_WhenTheWindBlows


Songwriter(s)
David Bowie、Erdal Kızılçay

Released in 1986
UK Single Chart#44
From the Album “When the Wind Blows soundtrack”

*原詞の引用は太字

So long child, I'm on my way
And after all is done, after all is done
Don't be down, it's all in the past
Though you may be afraid
 
さよなら 子どもよ 俺は道の途中
そしてすべてが終わった  結局終わったのだ
落ち込まないでいい 過去のことだから
おまえは恐れてしまうだろうが

So long child, it's awful dark
And I've never felt the sun
I dread to think of when
When the wind blows
When the wind blows
When the wind blows
When the wind blows

さよなら 子どもよ 真っ暗闇だ
俺は太陽を感じたことがない
いつになるか考えるのが怖いんだ
風が吹くとき
それは風が吹くとき
風が吹くとき
それは風が吹くとき

Life burns a savage wound 
angry and wrong
Trusting a twisted word,
you'll run, run away
You'll take him home
You'll spit and taunt him
But they won't believe you
No matter what you'll say

人生は残酷な傷に焼かれ  
怒りと間違いで満ち溢れる
歪んだ言葉を信じてんだ
おまえは走る 走って逃げるんだ
おまえはヤツを家に連れて行き
つばを吐き ヤツを愚弄する
だけど 誰もおまえを信じない
おまえが何と言おうと…

So long child, it's awful dark
I never felt the sun
I dread to think of when
When the wind blows
When the wind blows
When the wind blows
When the wind blows

さよなら 子どもよ 真っ暗闇だ
太陽の暖かさなど感じたことがない
いつなんだ? 恐ろしいんだ
風が吹くときが
いつ風が吹くんだろう?
風が吹くとき
風が吹くとき…

(Words and Idioms)
taunt  あざける、なじる、愚弄する 〔人を〕あざけって~させる

日本語訳 by 音時


When_Wind_Blows_VSS906

外国ではピクチャーレコードが出ていたようですね…。



核兵器が実際に使われた時…どんな風が吹くのだろう…。

被爆体験のある日本で日本人作家が描く核兵器の驚異と悲惨さと、ヨーロッパの作家の表現はやっぱり違うよな…。