ポール・サイモンの「僕のコダクローム」。
「最高位が全米2位!」とか、ポールの代表曲の1つとしてタイトルは知っていたのですが、"コダクローム"って意味がわかりませんでした。軽快なリズムで明るく歌われるこの曲。コダクロームって言うのは…。
「最高位が全米2位!」とか、ポールの代表曲の1つとしてタイトルは知っていたのですが、"コダクローム"って意味がわかりませんでした。軽快なリズムで明るく歌われるこの曲。コダクロームって言うのは…。
◆ウィキペディア"僕のコダクローム"より:
題名中のコダクロームはコダックのカラーリバーサルフィルム「コダクローム」のことである(リバーサルフィルムとは、現在一般的なカラーネガフィルムすなわち撮影したフィルムには明暗が反転した陰画があらわれ、それを反転してプリントすることが前提のフィルムとは異なり、撮影したフィルムに直接、見たままの像(陽画)があらわれ、スライドとしてスクリーンに投影したりすることができるカラー写真方式のフィルムである。ポジフィルムとも言う)。
写真のフィルムとしては一世を風靡したようですね。そのへん疎いもので…(^▽^;)。「コダクロームは、歴史上は先に登場した外式を唯一継続したリバーサルフィルムで根強い人気があった」そうです。
今ではもうデジタルに取って代われたフィルムです。"コダクローム"が廃止となった2009年には「ポール・サイモンに歌われた名フィルムが退場」との見出しでニュースにもなりました。
Songwriters SIMON, PAUL
Lyrics c Universal Music Publishing Group
Released in 1973
US Billboard Hot100#2
From The Album"There Goes Rhymin' Simon"
*原詞の引用は太字
*原詞の引用は太字
When I think back on all the crap
I've learned in high school
It's a wonder I can think at all
And though my lack of education
hasn't hurt me none
I can read the writing on the wall
高校で学んだつまらないことを思い出す
考えてみるけど 謎なんだ
学校の勉強ができなくたって
誰も僕を傷つけたりしない
壁の落書きだって読めちゃうもんね
Kodachrome,
they give us those nice bright colors
Gives those greens of summers
They make you think
that all the world's a sunny day
コダクローム
イカした鮮やかな色が甦る
夏の緑色も鮮やかに
まるで世界中が夏の日に
なっちゃったみたいさ
Well I've got a, a Nikon camera
I love to take photographs
So Mama don't take my Kodachrome away
そう 僕はニコンのカメラを手に入れた
写真を撮るのが大好きなんだ
だからママ
僕のコダクロームを取り上げないで
If you took all the girls I knew
when I was single
Brought them all together for one night
I Know they never matched
my sweet imagination
And everything looks worse
in black and white
僕の独身時代の
知ってる女の子全員の写真
ある晩 その写真を
みんな持ってきたとしても
僕の素敵な想像を掻き立てない
白黒じゃなんだって
魅力にかけるんだ
They give us those,
those nice bright colors
Gives those greens of summers
They make you think
that all the world's a sunny day
イカした鮮やかな色が甦る
夏の緑色も鮮やかに
まるで世界中が光溢れる日に
なっちゃったみたいさ
Well I've got a, a Nikon camera
I love to take photographs
So Mama don't take my Kodachrome away
そう 僕はニコンのカメラを手に入れたのさ
僕は写真を撮るのが大好きなんだ
だからママ
僕のコダクロームを持っていかないで
Mama don't take my Kodachrome away
Mama don't take my Kodachrome away
だからママ
僕のコダクロームを持っていかないで
Mama don't take my Kodachrome
Mama don't take my Kodachrome
Well, Mama don't take my Kodachrome away
Mama don't take my Kodachrome
Leave your boy so far from home
Mama don't take my Kodachrome away
ママ 僕のコダクロームを持ってかないで
僕を家の遠くに置き去りにしないでよ
コダクロームを持っていかないで
Mama don't take my Kodachrome
Mama don't take my Kodachrome away
(Ok…)
だからママ
僕のコダクロームを持っていかないで
(Words and Idioms)
crap=くそ、たわごと、つまらないこと
at all= [疑問文に用いて] 少しでも, 一体.
日本語訳 by 音時
◆"コダクローム"は何の例えなのかな。つまらないもの=それは「学校で学ぶくだらない教え」「白黒写真の昔の彼女達の写真」。ママに「コダクロームを持っていかないで」と何度もお願いする…。歴史的にはまだベトナム戦争の最中。「抑圧」とか「道徳」とかではない「自由」や「想像力」ってことなのかな。
◆ウィキペディアにはこのような話も出ていました。
たときに頭のなかに浮かんでいたものは、「ゴーイング・ホーム」という仮題で呼んでいた、という。しかしながら、このタイトルではあまりに「月並みすぎる」と感じ、「コダクローム」というタイトルを思いついた。「ゴーイング・ホーム」と音韻が似通っているということと、それ以上にイノヴェーティヴなポテンシャルをはらんでいるからである。同曲の「いちばん面白いところ」として、彼は冒頭の一行を挙げている。この冒頭の一行とは、When I think back on all the crap I learned in high school, it's a wonder I can think at all. というものである。Crap の一語のおかげで、いくつかのラジオ局では、同曲が放送禁止になった。
◆この曲の収録されたアルバム「ひとりごと」。ジャケットは収録曲それぞれのイメージの写真で構成されているんですね。Kodachromeはポールの若かりし頃の白黒写真。同アルバムからの第二弾シングル(この曲も全米No2)である「母からの愛のように(Loves Me Like A Rock)」は"石"(笑)。
◆"僕のコダクローム"が最高位2位を記録した週の全米チャートです。
US Top 40 Singles Week Ending 7th July, 1973
ポール・サイモンの1位を阻んだのはビリー・プレストン。ポール・マッカートニー、ジョージ・ハリスンも仲良くダウンしているチャートです。ジム・クローチがまだ健在でリロイ・ブラウンが12位から5位。翌々週に1位になります!8位カーペンターズの名曲「イエスタディ・ワンス・モア」も1位にはなれない運命です…。
-1 3 WILL IT GO ROUND IN CIRCLES − Billy Preston
-2 5 KODACHROME − Paul Simon
-3 2 MY LOVE − Paul McCartney and Wings
-4 1 GIVE ME LOVE (Give Me Peace On Earth) − George Harrison
-5 12 BAD, BAD LEROY BROWN − Jim Croce
-6 7 PLAYGROUND IN MY MIND − Clint Holmes
-7 10 SHAMBALA − Three Dog Night
-8 13 YESTERDAY ONCE MORE − The Carpenters
-9 9 RIGHT PLACE WRONG TIME − Dr. John
10 4 I’M GONNA LOVE YOU JUST A LITTLE MORE BABY − Barry White
◆Paul Simon - Kodachrome / Gone At Last - Live at iTunes Festival (July 1, 2011 live in London)
◆"ひとりごと"のB面収録。味のある曲"落ちることを学びなさい(Learn how to fall)"。映画「恋愛適齢期(Something's Gotta Give)」(ジャック・ニコルソンとダイアン・キートンが主演)でも効果的に使われました。
コメント
コメント一覧 (4)
1980年、山本さゆりさんがNHKfmの「軽音楽をあなたに」のDJをしていた時に(70年代ビルボードチャートで最高位2位の曲全曲かけます)という特集をしたのですが、この曲だけかかりませんでした。
山本さゆりさんが「商品名がタイトルに入っているからかけちゃダメなんだって」と言っていたのを覚えています。確かプリンスのlittle red corvetteもその理由でかからなかったと記憶しています。
コダックは、映像の巨人でありながらデジタル化の波に乗れず、倒産。印象的な出来事でした。