うーむ。マイクを歪ませて歌うボーカル、サビは陽気なメロディーに言葉遊びっぽいフレーズ、陽気なPOPソングかと思いきや…訳していて怖くなってしまいました。

 LA出身の3人組フォスター・ザ・ピープルの2010年のデビューアルバムから、この曲「パンプト・アップ・キックス」はビルボードでも3位まであがりました。…そういう歌詞だったか。

Foster_the_People_Pumped_Up_Kicks_logo


Songwriter(s) Mark Foster

Released in 2010
US Billboard Hot100#3
From The Album"Torches"

*原詞の引用は太字

Robert's got a quick hand 
He'll look around the room, 
he won't tell you his plan 
He's got a rolled cigarette 
Hanging out of his mouth, 
he's a cowboy kid 

ロバートは手が早いヤツ
部屋をぐるっと見渡している
彼は自分の計画は口にしない
巻きタバコを手にして
口にくわえてるよ まるで
カウボーイの少年みたいなんだ

He found a six-shooter gun 
In his dad's closet 
with in a box of fun things 
I don't even know what 
But he's coming for you, 
yeah he's coming for you 

彼は6連発の銃を見つけたよ
お楽しみのものが入ってる箱を
おやじのクロ―セットの中にね
よくはわからないけど
でも彼は君に近づいてるよ
そうさ彼はもう
君の近くまで来ているのさ

All the other kids 
with the pumped up kicks 
You'd better run, 
better run, 
outrun my gun 

All the other kids 
with the pumped up kicks 
You'd better run, 
better run, 
faster than my bullet 

カッコいいスニーカーを
履いてるみんな!
逃げた方がいいよ
逃げなきゃだめだよ
この銃より早くね

最新のスニーカーを
持ってるみんな!
逃げた方がいいよ
逃げなきゃだめだよ
この弾丸より早くね

Daddy works a long day 
He'll be coming home late 
and he's coming home late 
And he's bringing me a surprise 
'Cause dinner's in the kitchen 
and it's packed in ice 

おやじは一日中働いていて
家に帰るのは遅いんだ
それで家に遅く帰ってくると
びっくりするおみやげを
持ってきてくれるのさ
だって家で食べる晩ご飯は
いつも冷凍ものだからね

I've waited for a long time 
Yeah the slight of my hand 
is now a quick pull-trigger 
I reason with my cigarette 
And say, "your hair's on fire, 
you must've lost your wits, yeah" 

僕は長い間待っていたんだ
僕の手でお見せする早技は
引き金を引く早さなんだよ
タバコを口にして僕は言うのさ
「もう髪の毛には火が付いてるよ!
あれ?理解できないってかい?」

All the other kids 
with the pumped up kicks 
You'd better run, 
better run, 
outrun my gun 
All the other kids 
with the pumped up kicks 
You'd better run, 
better run, 
faster than my bullet 

カッコいいスニーカーを
履いてるみんな!
逃げた方がいいよ
逃げなきゃだめだよ
この銃より早くね

最新のスニーカーを
持ってるみんな!
逃げた方がいいよ
逃げなきゃだめだよ
この弾丸より早くね

Run run run run 
Ru-ru-ru-run run run 
Ru-ru-ru-run run run run 
Ru-ru-ru-run run run ru-run run 

逃げろ 逃げろ
ラン、ラン、ラン

(Words and Idioms)
outrun=~より早く走る
reason=判断する
wit=理解

日本語訳 by 音時

PumpedUpKicks


◆「最新のかっこいいスニーカー」(Pumped Up Kicks)を履いていて青春を謳歌している、いわゆる「リア充」の少年達に「拳銃をぶっ放したい」ってことで、この曲の主人公は精神を病んでる若者なのでしょうね。
 歌詞には家族は親父しか出てこないから、親父と二人暮らし。親父は働きづくめで普段のご飯は冷凍食品。でも、親父は自分に気を使っておみやげなんか買ってきます。その優しさが重くなってしまったのかな。
 
 最後の「Run、run、run」も「逃げなよ」という歌詞の意味と、拳銃をぶっ放すのに「ラン、ラン、ラン」と楽しんでる意味と2重にかけているのでしょうね…。
 拳銃社会のアメリカの若者の置かれている状況について考えてしまいました。でも日本だって…。

 1970年代だと、ブームタウン・ラッツの「哀愁のマンディ」(I Don't Like Monday)を思い出します。この曲の主人公も「休み明け、学校に行きたくない。月曜はキライだ」と言って拳銃をぶっ放してしまう若者でした…。

 ちょっとブルーになっちゃう曲を朝から聴かせてゴメンナサイ…。
こういう曲が流行ると、若者たちはその歌の真似をして犯罪を犯すのではないか?という社会の反応はいつの時代でもあるもので少々心配になってしまいます。
 でもこの曲の作者のマイク・フォスターは(Wikipediaによると)次のように言っています。

 "僕は現実の人生の話題について歌を書きたいんだ。自分とは違う人生のことをね。この歌は今の若者たちのなかで実際に起きている問題を書いた。どこにも戻ることができない少年達が心の中で会話してくれたらなと思ってるよ。そしたらこの曲も役割を果たしたってことになるね。この曲についていろんな話をしてほしいな。会話のポイントになりうると思うよ。そしてそれこそが健康的なんじゃないかなって思うのさ"

そうは言っても社会との関係でこの歌を歌うことは誤解を受けることもずいぶんあったようですね。
2019年12月のニュースです。

“Pumped Up Kicks”を今後演奏しないかもしれないと語る(NME News)


◆2011年のTVショウより。マイクのボーカルの声は歪ませたりすることなく普通の声で歌う。結構かわいい声。