邦題が“幼かった私”なので、“I”を“私”と訳そうかどうか迷いましたが、結局“僕”に落ち着きました。

でもこの曲の主人公が知った“愛”は…相手にたいして敬意を払い、感謝の想いがあるように思います。

“It's such a clever innocence ”!
まるで魔法みたいに
僕に僕自身を見せてくれたひと
その瞳には知性が…

この“愛”との出会いをいま振り返ってみて思うのは…

ああ 僕は子どもだったんだ 自分自身もそう思っていたんだよ…

そういうことなんだろう。

この曲、2番からテンポが早くなるところとか、途中で入ってくるDavid Lindleyのギターがいいんですよ。
アルバム「For Everyman」からA面4曲目の“I Thought I Was a Child“です…!

2L-02360


(Jackson Browne )

Released in 1973
From the Album “For Everyman”

*原詞の引用は太字

It's such a clever innocence 
with which you do your sorcery
As if somehow the years just bow 
and let that young girl go free

“賢くて 純粋“って言うのかな
きみは魔法を使うんだ
どういうわけか 月日はお辞儀をして
若いきみを自由にさせるのさ

I thought I was a child
Until you turned and smiled
I thought I knew where I was going
Until I heard your laughter flowing
And came upon the wisdom in your eyes
Surprise

僕は自分が子どもだと思ってた
きみが振り返り微笑んでくれるまで
どこに行こうとしてるのかわかってたんだ
きみの笑い声が溢れるのを耳にして
その瞳に知性が光ってるのを見つけるまでは
驚きだった

I've spent my whole life running 'round
Chasing songs from town to town
Thinking I'd be free so long 
as I never let love slow me down

人生ずっと走り回ってきたんだ
町から町へと歌を追いかけてきた
僕はずっと自由な身だと思ってた
愛が僕を落ち着かせるなんて 
絶対にないと思ってたのさ

So lonely and so wild
Until you turned and smiled
By now I should have long been gone
But here I am still looking on
As if I didn't know which way to run

とても孤独で やんちゃなヤツだった
きみが振り向き 微笑みをくれるまでは
いなくなった方がよかったって今ごろ思ってる
だけど僕は まだ探してるんだ
どの道を走ればいいかわからないみたいに

It's such a clever innocence 
with which you show myself to me
As if you know how it feels 
to never be who you wanted to be

その“賢い純粋さ”で
きみは僕に僕自身を見せてくれる
なりたいものになれない気持ちが
どんなものかきみは知ってるみたいに

I thought I was a child
Until you turned and smiled
I thought that I was free but I'm
Just one more prisoner of time
Alone within the boundaries of my mind

僕は子どもだった そう思ってた
きみが振り向き微笑むまでは
僕は自由だと思っていたけど
時間の牢獄に捉えられたひとりの人間さ

I thought I was a child

僕は子どもだったんだ

(Words and Idioms)
by now=今頃は、もうそろそろ
long gone=long gone. 《be ~》いなくなって久しい[長いことたつ]、とっくにいなくなっている

日本語訳 by 音時

DSC_7294


◆僕が「For Everyman」を購入したのはCD化されてからでした。
当時のアナログレコードは…知らなかったんですが変形ジャケットだったんですね!
こちらの方のブログに詳しく載っています。(アナログレコード巡礼の旅

僕がオリジナルジャケットだと思っていたジャケット画像は実は「はめ込まれた絵画」?で、これを引き出すと、椅子に座っているジャクソンがいなくなる…(レコードのなかにいる!という意味かな?)という凝ったものだったようです。でも国内盤レコードでは…(^_^;)