スティービーには「3部作」と言われるアルバムがあります。それは「トーキング・ブック」「インナー・ヴィジョンズ」そして「ファースト・フィナーレ」。“Boogie On A Reggae Woman”は「ファースト・フィナーレ」からの1st シングルです。
グラミー賞のアルバム部門(Album of the Year)を“Innnervisions”(1974)、”Fulfillingness' First Finale”(1975)で獲得しました。(ちなみに、1976年は Paul Simonが「時の流れに」で受賞。1977年には“Songs in the Key of Life“ で再びスティービーが受賞します。)
◆アルバム「インナー・ヴィジョンズ」リリースの2~3日後、スティービーは自動車事故で瀕死の重傷を負いました。
いとこのジョン・ハリスの助手席で眠っていたスティービー。ハリスがトラックを追い越そうとして追突。荷台から落ちてきた丸太がフロント・ガラスを突き破り、スティービーの額を直撃したといいます。
病院に担ぎ込まれ、こん睡状態は1週間ほどかかりました。奇跡の回復力を見せた彼ですが、事故により嗅覚と味覚を失ってしまったと言います。肉体的には問題なしとされても、再びプレイできるのかは…わかりませんでした。
◆瀕死の重症からわずか2~3週間でスティービーが観客の前に現れたのはエルトン・ジョンのコンサートでした。”僕の友人がここに来ている。”とエルトンの紹介を受けて2人で歌った曲はストーンズの”ホンキー・トンク・ウィメン”とスティービーの“迷信(Superstition)”のメドレーでした!
Songwriters WONDER, STEVIE
Lyrics © EMI Music Publishing
Released in 1974
US Billboard Hot100#3
From The Album“Fulfillingness' First Finale”
*原詞の引用は太字
I like to see you boogie
right across the floor
I like to do it to you
till you holla for more
きみがブギーを踊るのを見たいな
すぐそこのフロアでさ
きみが"もっと"って叫ぶまで
好きなことをやりたいんだよ
I like to reggae
but you dance too fast for me
I'd like to make love to you
so you can make me scream
レゲエは好きだけど
きみのダンスは僕には早すぎる
きみを愛したいんだよ
そしたら今度は僕が叫ばされちゃうね
So boogie on reggae woman,
what is wrong with me?
Boogie on reggae woman,
baby can't you see?
そうさブギーでノッてるレゲ・ウーマン
僕 何かおかしいかい?
きみはブギーするレゲ・ウーマン
ベイビー わかったかい?
I'd like to see both of us
fall deeply in love
I'd like to see you under,
under the stars above, yes I would
僕は僕たち二人が
愛にはまっていくのを見たいのさ
星がまたたくその下で
素敵なきみを見たいんだ そうなんだよ
I'd like to see both of us
fall deeply in love, yeah
I'd like to see you in the raw
under the stars above
僕たち二人は 愛に深く
はまっていっちゃうのさ
星がまたたくその下で
裸のきみを見たいんだよ
So boogie on reggae woman,
what is wrong with you?
Boogie on reggae woman,
what you tryin' to do?
さあ ブギーし続けるレゲ・ウーマン
きみはどこもおかしくないよ
ブギーするレゲ・ウーマン
きみは何するつもりなの?
Can I play? Can I play?
僕がやってもいい?
僕がやってもいいのかい?
Boogie on reggae woman,
what is wrong with you?
Boogie on reggae woman,
what you tryin' to do?
ブギーするレゲ・ウーマン
きみはカッコいいんだよ
ブギーするレゲ・ウーマン
そしたら何するつもりだい?
(Words and Idioms)
holla =連絡する 電話する
日本語訳 by 音時
◆アルバムタイトル“ファースト・フィナーレ”に込められた想いとは、“人生のひとつのステージが終わり、次のステージが始まること”だとスティーは言っています。
:誰もがもう一つの「インナーヴィジョンズ」を期待していたと思う。(中略)でも僕の音楽は僕の人生で起こっていること、「インナーヴィジョンズ」と「ファースト・フィナーレ」の間に起こったことをいろいろ反映しているんだ」
◆“レゲ・ウーマン”はアルバムのなかでも「いい歌」(愛やスピリチュアルな歌)が続いていくなかで、シンセサイザーがフェードインしてきたノリのいい曲です。
”うわっなんだこのファンキーな音は!”って思ってしまいます。レゲエか?と言われるとそんな感じでもないけど、ダンス・ミュージックとしてもありありです。僕もこの曲のノリはなかなか好きですねえ。(スティーヴィーのレゲエ音楽は、“マスター・ブラスター(1980)”そしてサード・ワールドの”ラヴ・アイランド(1982)”で思いっきり聴けますね!
”うわっなんだこのファンキーな音は!”って思ってしまいます。レゲエか?と言われるとそんな感じでもないけど、ダンス・ミュージックとしてもありありです。僕もこの曲のノリはなかなか好きですねえ。(スティーヴィーのレゲエ音楽は、“マスター・ブラスター(1980)”そしてサード・ワールドの”ラヴ・アイランド(1982)”で思いっきり聴けますね!
◆“レゲ・ウーマン”が最高位3位を記録した週の全米チャートです。
US Top 40 Singles 1st February, 1975
1位はニール・セダカ「雨に願いを」。翌週はオハイオ・プレイヤーズ、続いてリンダ、アヴェレージ・ホワイト・バンド、そしてイーグルスが1位になります。すべて1週交代で!
1 2 LAUGHTER IN THE RAIN –•– Neil Sedaka (Rocket)-16 (1 week at #1) (1)
2 4 FIRE –•– The Ohio Players (Mercury)-8 (2)
3 5 BOOGIE ON REGGAE WOMAN –•– Stevie Wonder (Tamla)-12 (3)
4 6 YOU’RE NO GOOD –•– Linda Ronstadt (Capitol)-9 (4)
5 10 PICK UP THE PIECES –•– The Average White Band (AWB) (Atlantic)-9 (5)
6 1 PLEASE MR. POSTMAN –•– The Carpenters (A&M)-11 (1)
7 3 MANDY –•– Barry Manilow (Bell)-12 (1)
8 8 MORNING SIDE OF THE MOUNTAIN –•– Donny and Marie Osmond (MGM)-12 (8)
9 15 BEST OF MY LOVE –•– Eagles (Asylum)-10 (9)
10 12 SOME KIND OF WONDERFUL –•– Grand Funk (Capitol)-8 (10)
◆ライヴでの”レゲ・ウーマン”。ハーモニカも吹きますよ~。
◆スティービーの“レゲエ”と言えばこの“Master Blaster”。ライヴです。
(この記事で参考にしたページ)
・Wikipedia ファースト・フィナーレ
・Wikipedia Boogie On A Reggae Woman
・スティービー・ワンダー 心の愛(シンコー・ミュージック)
コメント
コメント一覧 (4)
本アルバムは'71年初のセルフ・プロデュース作「青春の軌跡」から5作目で彼の音楽人生の第一幕締め括りという意気込みで取り組んだ作品でした。
内容はバラエティーに富み、レゲエありファンクあり、ラテン風味も見せ、特にバラード曲が増え、バラードの「1000億光年の彼方」は日本でも大ヒットしました。またこの曲もスティービーの唄のうまさを堪能できる名曲でしたね!