"恋はこれっきり!(We Don't Talk Anymore)"1979年の全英・全米での大ヒットで"復活"を遂げたクリフ・リチャード。その"元気な若々しいポップ路線"を継承してアルバム"I'm No Hero"をリリースしました。
 邦題は"僕はヒーローじゃない!"←そのまんまやないかい!
 "Dreaming"はその第一弾シングルでした。

m71065599557_1


◆作者はなんとレオ・セイヤー!"Dreaming"はレオもライヴ・セットリストで取り上げて、"知ってる?これ、クリフ・リチャードに書いた曲なんだよ!"と観客を盛り上げてから、歌うナンバーです。

 ただし、作者クレジットではレオだけでなく、アラン・ターニー(Alan Tarney)の名前が。彼はイギリスのソングライター兼プロデューサーで、"恋はこれっきり!"も彼のペンによるものです。プロデューサーとしてはクリフのほか、レオの“More Than I Can Say(星影のバラード)のほか、チャーリー・ドア“Pilot Of The Airwaves(涙のリクエスト)"←チェッカーズとは別曲、A-haの"Take On Me"などのヒットもありますよ。


Screenshot 2022-01-15 21.35.07


Writer(s): Leo Sayer, Alan Tarney
Copyright: Sony/ATV Music Publishing (Uk) Limited, Silverbird Songs Ltd. 

Released in 1980
US Billboard Hot100#10
From The Album"I'm No Hero"

*原詞の引用は太字

Four o'clock I've been walkin' all night
It's the time I always think of you

時計は4時 僕は一晩中歩き回ってた
いつもきみを思う時間なのさ

If you could only see through my eyes
Then you'd know just what I'm going through

きみが僕の目を見てくれさえすれば
そのとききみは
僕が味わってきた思いがきっとわかるんだ

Here am I I'm taking a chance
In running around with stars in my eyes
Here am I I'm looking for you
Wondering why do I feel so blue

ここにいる僕 チャンスを手にしてる
目に星を輝かせ駈けずり回ってるんだ
ここにいる僕 きみを探してる
でも僕どうして
こんなに悲しい想いをしなきゃならないの?

I'm dreamin' 
dreamin' of me and you
I'm dreamin' 
dreamin' will see me through

夢見てる
きみと僕のことを夢見てる
僕は夢見る
夢は僕のことを見捨てない

Never letting chances pass me by
I'm gonna dream you right into my life
Yeah dream you right into my life
(Dreamin' dreamin' will see me through)
Woman you'd better believe I'm
 (Dreamin' you into my life)

チャンスを掴ませてくれるんだ
僕の人生の真ん中に
きみがいるのを夢見てるんだ
そうさ きみと生きていきたいのさ
(夢は僕を最後まで見捨てない)
ねえ 僕のことを信じてくれよ
(きみといられるのを夢見てる)

Five o'clock still walking around
I call you up but you just bring me down

時計は5時 僕はまだ歩き回ってる
電話したけど ガッカリさせられただけさ

I guess you'd say I'm getting nowhere
But in my dreams you always come around

わかってるよ 
僕がはっきりしないって言いたいんだよね
僕の夢のなかでは
きみはいつもふらっと登場してくれるのに

Here am I I'm takin' a chance
I'm walking on air flyin' so high
Here am I I'm facing the truth
There's no other way 
I'll ever make you mine

僕は今ここ チャンスを握ってる
ウキウキして 空高く飛んでるのさ
僕は今ここ 現実を目にしてる
きみを僕のものにするなんて
どうしようもないことなんだ

I'm dreamin'
Dreamin' of me and you
Dreamin' 
dreamin' will see me through

僕は夢見る
きみと僕のことを夢見てる
僕は夢見る
夢は僕のことを見捨てない

Never letting chances pass me by
I'm gonna dream you right into my life
(Dreamin' dreamin' will see me through)
Woman you'd better believe that I'll be
(Dreamin' you into my life)

チャンスを掴ませてくれるんだ
僕の人生の真ん中に
きみがいるのを夢見てるんだ
そうさ きみと生きていきたいのさ
(夢は僕を最後まで見捨てない)
ねえ 僕のことを信じてくれよ
(きみといられるのを夢見てる)

Woman you've got to believe me woman
Oh woman you've got to believe me woman
I'll be (dreamin' you into my life)
You've got to believe me woman
Woman oh woman 
you've got to believe me I'll be forever
(Dreamin' you into my life) 
Oh woman you got to believe me 

ねえ 僕のことを信じなきゃだめさ
ああ 僕を信じてくれよ
(きみと一緒にいることを夢見てる)
僕のことを信じなきゃだめだよ
ねえったら
僕を信じてよ ずっとずっと
きみのことを夢見てる
ああそうさ 僕を信じてほしいんだ…


(Words and Idioms)
go through=〔困難・試練・などを〕体験する
see through=最後まで助ける、苦難を乗り切らせる
get nowhere 
=どこにもたどり着かない、効果がない
come around=ぐるっと回ってやって来る、回り道してやって来る
walk on air=うきうきした心でいる, 有頂天になっている
There is no other way=どうしようもない

日本語訳 by 音時

m71065599557_2


◆この曲のSongfactsにクリフのコメントがありました。
Mail on Sunday November 2, 2008 に掲載されたもののようです。

 この曲は普通と違ったレコーディングになったんだ。だって、僕にとってはキーがとても高いものだったんだ。でも共作したアラン・ターニーが、"この曲はすごくいいよ、このキーで歌うべきだよ"とすすめたんだ。45秒も続くイントロもとてもステキなものだしね。レオ・セイヤーもこの曲作りに関わってくれた。アランが1st verse、レオが2nd verseを書いたんだよ。

◆クリフが歌う"青春の明るい苦悩!?"なんだろうな。

 歌詞の主人公はいま一通り確認してみると、"夢ばかり見てて危ないヤツ"です。深夜から早朝にかけてふらふらふらついて、朝の5時に電話してきたり。"電話したけど、きみに冷たくされた"って、あたりまえだぜ(-_-メ)! 5時に電話…2nd verseはレオが書いた部分ですね…アブナいヤツはレオだった…(^▽^;)。

 日本の歌詞であれば"オチ"を期待したいところですが、"夢にきみのこと見てるのさ"って、それ以上の進展もなし・・・。これもお国柄や時代の違いなのかもしれませんね。
  はい、歌詞をディスっていてはキリがありません(笑)。でもサウンドはイントロからもう明るさ全開、ウキウキしてしまう王道POPSです!


m71065599557_3



◆"Dreaming"が最高位10位を記録した週の全米チャートです。
US Top 40 Singles For Week Ending November 22, 1980

 なんと1位から7位まで順位が先週と変わらず(^▽^;)。ライオネルリチ男作のケニー・ロジャース「レイディ」が1位。ビージーズのバリー・ギブ作のバーブラ「ウーマン・イン・ラヴ」が2位。大物シンガーソングライターが別な大物に曲を書いてヒット!というパターンがあったんだな。レオの作品が10位で、レオのカバーが8位でした。ジョン・レノン「スターティング・オーヴァー」は9位。そしてこの約半月あとに…ジョンが凶弾に倒れる事件が…(-_-;)

1 1 LADY –•– Kenny Rogers (Liberty)-8 (2 weeks at #1) (1)
2 2 WOMAN IN LOVE –•– Barbra Streisand (Columbia)-12 (1)
3 3 THE WANDERER –•– Donna Summer (Geffen)-10 (3)
4 4 ANOTHER ONE BITES THE DUST –•– Queen (Elektra)-15 (1)
5 5 I’M COMING OUT –•– Diana Ross (Motown)-8 (5)

6 6 NEVER KNEW LOVE LIKE THIS BEFORE –•– Stephanie Mills (20th Century)-16 (6)
7 7 MASTER BLASTER (Jammin’) –•– Stevie Wonder (Tamla)-10 (7)
8 9 MORE THAN I CAN SAY –•– Leo Sayer (Warner Brothers)-9 (8)
9 10 (Just Like) STARTING OVER –•– John Lennon (Geffen)-4 (9)
10 11 DREAMING –•– Cliff Richard (EMI-America)-11 (10)


◆当時のスタジオライヴから。クリフ、なんだかカッコつけてますね笑。



◆アルバム"I'm No Hero"からのセカンド・シングル"A Little In Love"。81年の最高位17位。この曲はPOPかつセツナいメロディだよな~。



◆作者レオ・セイヤーもライヴでこの曲を歌います。バンドメンバー紹介からレオのクリフについての紹介とエピソード。live @ Star City Casino at the Apia "Good Times" Concert Sun 18 May 2014.