「ベートーベンをぶっ飛ばせ!」という邦題は、小学校くらいから耳にしていたかと思います。なんで“ぶっ飛ばす”のか、理由などはよくわからなかったですけど(^_^;)。

 やっぱりチャック・ベリーではなく、ビートルズの曲として知ったような気がします。  数々のオリジナル曲と同様に、ロック、R&Bなどで有名な曲のカバーとして「ロックン・ロール・ミュージック」やら「マネー」と同時に「ベートーベンをぶっ飛ばせ」も合ったような気がしますが、最初はどれがオリジナルでどれがカバーかはまったく区別がついていませんでした。


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◆ウィキペディアより:
 「ロール・オーバー・ベートーヴェン」(Roll Over Beethoven)は、チャック・ベリーの楽曲である。1956年にチェス・レコードよりシングル盤として発売され、B面には「ドリフティング・ハート」 (Drifting Heart) が収録された。楽曲の発表後、ビートルズやエレクトリック・ライト・オーケストラらによってカバーされた。『ローリング・ストーン』誌の「The 500 Greatest Songs of All Time」では第97位にランクインした。

◆ああそうだ、もう洋楽をだいぶ知ってからの話ですが、E.L.Oを知って初期の曲を聴いていったときに“Roll Over Beethoven“について、意味合いを理解できました。E.L.Oはオーケストラがロックするので、“ベートーベンを上回ってる“って思ったのです(^_^)。

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◆こんな話もウィキペディアにありました。

『ローリング・ストーン』誌や『オールミュージック』のカブ・コーダによると、チャック・ベリーがポピュラー音楽を演奏したい時に、姉のルーシーがいつも自宅のピアノでクラシック音楽を演奏していたことが本作のインスピレーションとなっているとのこと。本作は、姉にピアノを独占されていた悔しさを歌った楽曲で、ベリーは自伝の中で「ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェンではなく、ルーシーに文句を言いたかったんだ」と語っている。

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そういえば、僕も小さい時に、3つ上の姉が「郷ひろみ」さんのレコードを家でかけまくっていて“うるせえなあ”と思っておりました(笑)。でもそのあとの僕(と弟)の行動は“郷ひろみをぶっ飛ばせ”という歌を作ることはせずに、姉のいない間にこっそりと部屋に忍び込み、「ひろみのポスター」の大きなひろみさんの顔の歯に黒いシールを貼って“お歯黒“にするイタズラ!”。姉が“ギャ〜何これ!”と悲鳴をあげたのを、隠れた押入れで“クックッ…”と笑っておりました(陰湿)。

だいぶビートルズから離れた話になりましたね…(^_^;)


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Songwriter(s) Chuck Berry

Released in 1964
From the Album “With the Beatles”

*原詞の引用は太字

Well I'm gonna write a little letter
I'm gonna mail it to my local DJ
Yeah it's a jumping little record
I want my jockey to play
Roll over Beethoven
I gotta hear it again today

ああ ちょっと手紙を嗅いて
地元のDJに出そうとしてるのさ
飛び上がっちまうイカした曲
そいつをDJにかけてほしいんだ
ベートーベンなんて目じゃないぜ
今日もまた聴かなきゃならないのさ

You know my temperature's rising
The jukebox blowing a fuse
My heart's beating rhythm
And my soul keep a-singing the blues
Roll over Beethoven
Tell Tchaikovsky the news

俺のカラダが熱くなって
ジュークボックスもヒューズが飛びそうさ
ハートがリズムを波打たせ
たましいがブルーズを歌いっぱなしさ
ベートーベンなんか吹き飛ばし
チャイコフスキーにも教えてやれよ!

I got the rocking pneumonia
I need a shot of rhythm and blues
I caught the rolling arthritis
Sitting down at a rhythm revue
Roll over Beethoven
They rocking in two by two

ロックン・ロールで肺炎になっちまった
リズム&ブルースの注射を打たなきゃダメさ
ロックン・ロールで関節炎になっちまった
リズム隊のそばに座ってたからな
ベートーベンなんかぶっとばせ
二人でロックするんだよ

Well, if you feel and like it go get your lover
then reel and rock it  roll it over 
then move on up just a trifle further 
and reel and rock with one another
Roll over Beethoven
rocking in two by two

ああ そいつを感じて気に入ったなら
恋人をつくって 
フラフラになってロックして転げ回れ
ちょっとだけ飛び上がるんだ
ふたり一緒に目まいがするまでロックしろ
ベートーベンをぶっとばせ
ふたりでロックするのさ

Well, early in the morning
I'm giving you my warning
Don't you step on my blue suede shoes
Hey diddle diddle, I'm playing my fiddle
Ain't got nothing to lose
Roll over Beethoven
And tell Tchaikovsky the news

ああ 朝っぱらから 注意しとくけど
俺のブルー・スウェード・シューズを踏むんじゃないぜ
そうさ 俺も自分のフィドルを弾いてるぜ
何も減るもんじゃないしな
ベートーベンなんかぶっ飛ばそう
チャイコフスキーに知らせよう

You know she wiggle like a glow worm
Dance like a spinnin' top
She got a crazy partner
You oughta see him reel and rock
Long as she got a dime,
the music won't never stop

あの娘はホタルみたいに身体をくねらせて
コマみたいにくるくるダンス
いかれたパートナーと一緒のあの娘

あの娘のコインがある間は続くのさ
音楽も鳴り続けるぜ

[Outro]
Roll over Beethoven
Roll over Beethoven
Roll over Beethoven
Roll over Beethoven
Roll over Beethoven
and dig these rhythm and blues

ベートーベンをぶっ飛ばせ
ベートーベンなんか目じゃないぜ

(Words and Idioms)
pneumonia 【名】《病理》肺炎
arthritis 【名】関節炎
cf‥musical revue=歌劇団
reel=〔体が突然〕よろめく、後ずさりする〔体があちこち〕揺れる、ふらつく
目まいがする、頭がクラクラ[混乱]する、旋回運動をする、クルクル回る
trifle=ささいなこと
'Hey diddle, diddle'=意味がなく日本語でいうところのお囃子(拍子をとっている言葉)
wiggle 【自動】〔体の一部などが〕小刻みに[くねくね]動く
glowworm=【昆虫】 ツチボタル
spinning‐top =コマ

日本語訳 by 音時


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◆歌詞でいうと、pneumonia =肺炎、arthritis=関節炎などの「医学用語」は難しいですね。でも「ロックの病気」って歌詞が洒落ていますね。
また、

Long as she got a dime,the music won't never stop

ですが、“dime”(10セント硬貨)と出てくるように、コインを入れてジュークボックスでロックをかけまくっている光景がわかります。(若い人はジュークボックス、がわからないでしょうなあ)

◆こちらもウィキペディアより:
歌詞の中には、ベートーヴェンと同じくクラシック作曲家であるピョートル・チャイコフスキーの名前が登場している。歌詞中の「Don't you step on my blue suede shoes(俺のブルー・スウェード・シューズを踏むなよ)」というフレーズは、カール・パーキンスの「ブルー・スエード・シューズ」からの引用で、「Reel and rock」というフレーズは、かねてよりブルースで使用されているもの。
 
曲を作ったチャック・べリーは、姉のクラッシック好きに負けないよう、自分のロックン・ロール熱を詰め込んだ曲を作ったんですね。
そしてビートルズもこの曲をチョイスしたのは、自分たちとファンみんなでロックン・ロールを楽しもうとしたから、なのかな。

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◆うわ〜これがチャック・ベリーだ!最初のMCや間奏1分50秒くらいからの“あの弾き方”!貴重なビデオです。チャックは“ローローヴァ、ヴェートー(ヴェン)”と歌うんですね。




◆“ジャジャジャジャーン”の「運命」から始まります。E.L.Oの「ロール・オーバー・ベートーヴェン」。彼らはオーケストラなんです!