英国人はいかに紅茶が好きか!「◎◎のない××なんて」の例を沢山挙げて、それくらい意味がなく、だいなしなことなんだよ、と「教えて」くれます(笑)。
 アニメーションにはギルバート(のそっくりさん?)も登場!で笑えます。

 CD「ギルバートヴィル」が発売された後の2011年のビルボードライブではこのアニメーションをバックに歌ってくれました。2013年のライブではアニメはなかったものの「where would we be? green tea!」と日本ならではの替え歌で歌ってくれました。

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◆ギルバートは「Who Was It?」などの歌詞でもそうでしたが、歌詞の途中で、ユーモアたっぷりに「ひとりごと」のような「解説」を入れたりすることあるんですよね。

 この歌でも床や天井の話になると「カーボン・フットプリント」のことを言い出したり、服を着ていない配役の話では「僕は反対だな」とか、池の中のビリヤード台では「アヒルが遊びたがってるだろ」ってツッコミを入れる!

ギルバートのユーモア、できれば紅茶を飲みながら、楽しんでください。
紅茶好きなあなた…! 相棒の右京さんなら、きっとわかるでしょう(^_^)。

相棒でおなじみ右京さんの紅茶の入れ方をやってみたら…

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(Gilbert O'Sullivan)

Released in 2011
From The Album“Gilbertville”

*原詞の引用は太字

Like a camel without a hump
Rubbish without a dump
Like a ceiling without a floor
Carbon footprints over the floor
Like a baby without a pram
Birming without it's ham
where would we be(without tea)

こぶのない ラクダのように
ごみ捨て場のない ごみのように
床のない 天井のように
(CO2は部屋中から排出されてる)
うば車のない 赤ちゃんのように
ハムのない バーミングのように
紅茶がなかったら...
僕らはどこに居ればいいんだ?

Like a river without a bend
Fashion without a trend
Like a role model without clothes
Somothing I think that I would oppose
Like a needle without a thread
Guinness without its head
where would we be(without tea)

蛇行しない 河のように
流行ない ファッションのように
服を着てない 作られた役のように
(僕はそういうの反対なんだけど)
糸のない 針のように
泡のない ギネスビールのように
紅茶がなかったら…
僕らはどこに居ればいいんだ?

I can no doubt given the facts
Civilization would simply be axed
Could we go on knowing that one
for the pot was a bean
You can debate all that you want
No point arguing once it has gone
Coffee's okay but on the day
Just isn't the cream

こうしたことが事実になるなら
文明は間違いなく滅びるだろう
ポットの中はコーヒーってこと
を知って僕らやっていけるかい?
欲しいものを討論してもいいけど
欲しいものが無くなっちゃったら
議論する意味ないだろ
コーヒーでもいいよ 
でもその日は最良の日じゃないね

Like a pillow without a case
Bullit without the chase
Like a pool table in a pond
Ducks all waiting for play to go on
Like an eagle without a wings
Buddy without his bins
where would we be(without tea)

枕カバーのない 枕のように
銃身のない 弾丸のように
池の中にあるビリヤード台みたいだ
(アヒルが遊びたがってるよ)
翼のない 鷲のように
メガネのないバディ・ホリーのように
紅茶がなかったら…
僕らの居場所がないよ

Who can deny served in a pot
And with a cosy to keep the pot hot
What better way kick start your day
Amed with a flask
Others of course go to exteams
Out in Japan for examples it's green
While in the states they would prefer
it iced in a glass

ポットで出された紅茶は最高だよ
温めておくための保温カバー付でね
魔法瓶付きで紅茶をいただくより
一日のスタートを切れる
いい方法があるかい?
もちろん他のところも
同じって言ってるんじゃないよ
たとえば日本に行けば緑茶だし
アメリカにいる間は
アイスティーの方が好まれる

Like a camel without a hump
Rubbish without a dump
Like an apple without it's core
Supporters all begging for more
Like a party without the host
Sunday without it's roast
where would we be(without tea)
Without


Tea anyone

こぶのない ラクダのように
ごみ捨て場のない ごみのように
芯のない リンゴのように
紅茶派の人はお代わりを頼むだろう
主催者のない パーティーのように
ローストビーフのない 
日曜の夕食のように
紅茶がなかったら...
僕らはどこに居ればいいんだ?

さあ紅茶はいかが?

(Words and Idioms)
hump=(ラクダの)こぶ
rubbish=ガラクタ、廃棄物
dump=ゴミ捨て場
Carbon footprint=カーボン・フットプリント(温室効果ガス排出量をはかる)
pram=うば車
oppose=反対する 阻止する
thread=糸
head=ビールの泡
axe=終わらす
given the fact=そういう事実を考えるならば
cream=最良のもの
on the day=当日は
bins=メガネ
cosy=cozy=保温カバー
armed=武装した
flask=魔法瓶
go to exteams=いき過ぎる

日本語訳 by 音時
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◆和訳したときに、発見をいくつかしました。

ビールの泡のことを「head」、メガネをスラングで「bins」って言うんですね。それで韻を踏む。あと「cream」って「最良のもの」という意味もある。(辞書に“the cream of England's young men were killed in the Great War” イギリスの青年の精鋭が第一次世界大戦で殺された という用例がありました)紅茶やコーヒーのくだりだから「cream」って使ったんだろうな。また、ビリヤード台は「pool」だから「pond」と組み合わせたんだな。…うーん、プロの作詞能力が見えマス!

◆意味がわからない部分は国内盤CDの和訳(平見勇雄さん)を参考にさせていただきました。

わからなかった箇所(1):
「Birming without it's ham」 「Birmingam」(バーミンガム)を「Birmin]+「ham」ってそりゃわからないよ。

わからなかった箇所(2):
「Buddy」 It's so easy、That'll Be The Dayのバディ・ホリーのことか! メガネがトレードマークなんだ。

わからなかった箇所(3):「Sunday without it's roast」
英国では日曜の夕食に家族でローストビーフを食べる習慣があるんだって。

「ギネス」は最初「1位(head)のないギネス記録のように」と訳していたのですが、CDの和訳を見て、あっギネスビールのことなのか、でもheadは?と思って調べたら、「head」に「ビールの泡」という意味があることを発見したので、その訳としました。(でもギネス記録のことを引っかけてないかな?)

 訳詞って面白いなあということを実感する一曲です。さすが、ギルバート。
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◆最後の「Tea、anyone?」を以前、調べていたときに、よくわかるサイトを見つけました。「MANOR HOUSE 英国発貴族とメイドの90日」というサイトです。(今はこのサイト無くなっていましたが…)

 引用させていただくと、


“例えば、誰かのせいで部屋の空気がものすごく気まずいことになったとします。そんなとき「tea, anyone?」と言ってみましょう。みんながアナタに子犬のような目を向けつつ、「救われた!」という空気を発することでしょう。(中略)ちなみにケンカしたとき、相手にお茶を差し出してみれば、すべてはナアナアになって流れます”

 僕は英国に行くことは今後もなさそうだけど、「tea、anyone?」は覚えておこう。←どこで使うんじゃ!

◆コロナでのロックダウンの際中に、ギルバートがYouTubeで歌ってくれています。



(この記事は以下を参考にしました)

・ギルバートヴィル/ギルバート・オサリバン(国内盤CD)
・「MANOR HOUSE 英国発貴族とメイドの90日」のWebサイト
・Wikipedia Buddy Holy
・amazon.co.jp「Gilbertville」