ほんわかしたドクター・フックの沢山のヒット。ここ日本では大ヒットにはならなかったものの、ラジオ番組「全米トップ40」を聴いていた皆さんにとっては沢山の想い出の曲があることでしょう。

 また、確かスタジオに来てもらって、湯川さんがメンバーにインタビューして、彼らが“Only Sixteen”を弾き語りで歌ってくれたこと、覚えていませんか?懐かしいですね。

◆明日の12月31日は、アイパッチがトレードマークのドクターフックのフック船長こと、レイ・ソウヤーの命日となります。彼は2018年12月31日に81歳で天国に召されました。本日の夜の部は彼を偲んで、彼らのデビュー曲、日本で「全米トップ40」が始まる前の1971年に全米第5位を記録した“シルビアズ・マザー”を取り上げます。

参考:元ドクター・フックのレイ・ソーヤーが81歳で逝去:彼の音楽半生を振り返る


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◆で、僕はこの曲を和訳したとき、ようやく知ったのですが、
この曲の作者って“シェル・シルヴァスタイン“!なんですね。

 “シェル・シルヴァスタイン”は、絵本「ぼくを探しに(The Missing Piece)」の作家、学生時代にこの絵本を知って…「自分探し」をテーマにしたようなこの絵本、僕はとっても好きだったんです(^_^;)。いやー、知らなかった。この話は和訳の後で…。

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◆調べてみると、シェルは子どもから大人まで幅広い層から人気のある作家であり、ソングライターでもあったんですね。プレイボーイ』誌のライター兼漫画家であり、子供向けの詩のベストセラー作家という顔もあり、ソングライターとしては、ジョニー・キャッシュのために「A Boy Named Sue」を書き、またドクター・フックとメディシン・ショーのために"Cover Of The Rolling Stone "も書いている!(1999年、心臓発作で68歳没、、R.I.P)

 そして“Sylvia's Mother ”はシェルの自伝的な曲で、失敗した恋愛を復活させようとしたときの失敗談をもとに書かれたといいます。シェルはシルヴィア・パンドルフィという女性に恋をしていましたが、彼女は後に別の男性と婚約し、メキシコシティのカリージョ・ギル美術館の学芸員として働くことになります。彼女と離れたくない…と必死になったシェルはシルヴィアに電話をしたが、電話に出たのは母親のルイーズさんでした…。

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Writer/s: SHEL SILVERSTEIN

Released in 1971
US Billboard Hot100#5
From the Album “Dr. Hook and the Medicine Show”

*原詞の引用は太字


Sylvia's mother says 
"Sylvia's busy, too busy to come to the phone"
Sylvia's mother says
 "Sylvia's trying, to start a new life of her own"
Sylvia's mother says 
"Sylvia's happy so why don't you leave her alone?"
And the operator says
"Forty cents more, for the next three minutes"

シルヴィアのママが言う
“シルヴィアは忙しくて電話には出られないの”
シルヴィアのママが言う
“シルヴィアは自分で新しい生活を始めようとしてる”
シルヴィアのママが言う
“シルヴィアは幸せなの  そっとしておいてほしいの”
そして電話交換主が言う
“あと3分話すのなら 40セントかかります”

Please Mrs. Avery,
I've just got to talk to her
I'll only keep her a while
Please Mrs. Avery,
I just want to tell her
Goodbye

お願いです エイヴリーさん 
僕は彼女と話さなきゃいけないんです
ちょっとの時間だけでいいんです
お願いです エイヴリーさん 
彼女に一言だけ言いたいんです
“さよなら”って…

Sylvia's mother says
  "Sylvia's packing, she's gonna be leaving today"
Sylvia's mother says
 "Sylvia's marrying, a fellow down Galveston-Way"
Sylvia's mother says
  "Please don't say nothing to make her start crying and stay"
And the operator says
"Forty cents more, for the next three minutes"

シルヴィアのママが言う
“シルヴィアは荷物をまとめてる 今日旅立つのよ”
シルヴィアのママが言う
“シルヴィアは結婚するの 相手はガルベストンの人なのよ”
シルヴィアのママが言う
“お願い 何も言わないで あの娘は泣いて留まってしまわないように”
そして電話交換主が言う
“あと3分話すのなら 40セントかかります”


Please Mrs. Avery,
I've just got to talk to her
I'll only keep her a while
Please Mrs. Avery,
I just want to tell her
Goodbye

お願いです エイヴリーさん 
僕は彼女と話さなきゃいけないんです
ちょっとの時間だけでいいんです
お願いです エイヴリーさん 
彼女に一言だけ言いたいんです
“さよなら”って…


Sylvia's mother says
  "Sylvia's hurrying she's catching the nine o'clock train"
Sylvia's mother says 
 "Take your umbrella, 'cause Sylvia it's starting to rain"
And Sylvia's mother says 
 "Thank you for calling and sir won't you come back again"
And the operator says
"Forty cents more for the next three minutes"

シルヴィアのママが言う
“シルヴィアは忙しいの 9時の汽車に乗ろうとしてるのよ”
シルヴィアのママが言う
“傘を持っていきなさい シルヴィア 雨が降りそうだから”
シルヴィアのママが言う
“電話ありがとう  また出直してきてちょうだい”
そして電話交換主が言う
“あと3分話すのなら 40セントかかります”

Please Mrs. Avery,
I've just got to talk to her
I'll only keep her a while
Please Mrs. Avery,
I just want to tell her
Goodbye

お願いです エイヴリーさん 
彼女と話させてください 
少しだけでもいいんです
彼女にさよならを言いたいだけなんです

Tell her goodbye
Please, tell her goodbye

お伝え下さい
彼女に さよならと…
彼女にさよならをお伝え下さい…


日本語訳 by 音時


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◆1箇所、“シルヴィア、傘を持っていきなさい。雨が降りそうだから…”という歌詞。
シルヴィアが電話をしている母親のすぐそばにいるのがわかります。
…それでも電話口に出てくれないシルヴィア。
母親が電話で話しているのは、彼(主人公)からの電話かどうか知っているのか…
知ってるのに電話に出ないのか…。

彼女に直接「サヨナラ」を言いたかった主人公は最後にあきらめて
母親に「サヨナラとお伝え下さい…」と言伝てを頼んで電話を切ります…。


◆面白い話を見つけました。

ドクター・フックがこの曲をリリースしてヒットになった頃、シェル・シルヴァスタインは彼らのために "Sylvia's Father" という新しいヴァージョンも書いたそうです!
 曲の最後だけが違っていて、最後の節がこう変えられていた。

シルヴィアの父が言う
“シルヴィアは妊娠してる  おまえが彼女をそうさせたのだ“
シルヴィアの父が言う
“このクソ野郎、いつか殺してやる“

そしてヴォーカリストの、デニス・ロコリエは、シルビアを孕ませたダメな悪党のことをわめき散らすというアイデア…このバージョンは録音されなかったとのこと。

はい、レコーディングしなくてよかったんじゃないかな(^_^;)。

◆シェル・シルヴァスタイン作「ぼくを探しに」(The Missing Piece)。
自分はいったい何なんだろう?どんな人間なのか?…「ぼく」は自分の失われたものを探しに旅に出ます…。



 シェル・シルヴァスタインの日本で出てる絵本は、続編「ビッグ・オーとの出会い」や「大きな木」とか買った気がしますが、一人暮らしのアパートを引き払うときに捨ててしまったんだな…。
 作者シェルは、思っていたよりもずっと“いかつい”風貌をしていてビックリ(゚д゚)したものでした。
ダメですよ。人を見かけで判断しては…(^_^;)

こちらです)