キース・キャラダインはこの1曲しか知りません。
1976年当時、全米17位だったこの“I'm Easy”。キースが弾き語っている場面を何かで観た記憶がありました。

◆はい、それが冒頭の動画。映画「ナッシュビル」のなかで実際にキースが弾き語るシーンがありました。これを何かで観た…んだろうな。(記憶があいまい)


 調べてみたら、“I'm Easy”は、この年、第48回アカデミー賞の歌曲賞を受賞したんですね。


 “I'm Easy”は、1975年公開のロバート・アルトマン監督の映画「ナッシュビル(Nashville)」の劇中歌です。女たらしのトム役で出演しているキース・キャラダインが実際にパブで弾き語りをします。“ナッシュビル”はアカデミーの作品賞や監督賞はノミネートで終わってしまいましたが、歌曲賞を受賞というわけです。(ちなみに、この時のアカデミー作品賞は“カッコーの巣の上で”)

◆映画「ナッシュビル」について(allchinemaより)


;テネシー州ナッシュビルを舞台に、総勢24人の人間模様を描いたアルトマンお得意の群衆劇。カントリー・ソングのメッカとして有名なナッシュビルで、大統領候補のキャンペーン大会が行なわれることになった。イギリスの女性レポーターは、ベテラン歌手のヘブンを中心として、それぞれの歌手にインタビューを試みる……。

スミマセン、この映画、僕は観てません…(^▽^;) 何か機会があれば…。


KeitheEasy


◆キース・キャラダインのプロフィールです(Wikipediaを要約)


;カリフォルニア州サンマテオ出身の俳優。父親のジョン・キャラダイン、兄デヴィッド、弟ロバートも俳優の一家の生まれ育ち。コロラド州立大学で演劇を専攻するが、その後中退した。舞台に出演するようになり、ブロードウェイのミュージカル『ヘアー』に出演。そこで出会った女優のシェリー・プリンプトンとの間に娘マーサが生まれる。
 1971年に映画デビュー。ロバート・アルトマン作品に多く出演し、1975年の『ナッシュビル』では、自作曲「I 'm Easy」を歌い、1976年にはアカデミー歌曲賞を受賞している。

◆この曲の主人公の男。最初は「俺は気楽な男だからさ…」と気取ったヤツをイメージしていたのですが、そうではなくて根が至ってマジメ、そして照れ屋なんだな。

KeithGuitar

 恋のゲームに参加するのなんてもうウンザリ。でも今回、本気で好きになった人ができた。その人にのめり込んでいきそうな自分がちょっと恥ずかしいんじゃないかな。まあ僕は“もともと気楽なヤツ”だからさ…きみが好き好きっていうんじゃなくって、運命に従うまでのことよ…、ってゴマカシちゃってるんではないかな。

KeithCarradine


(Keith Carradine)

Released in 1976
US Billboard Hot100#17
From The Album“I'm Easy”

*原詞の引用は太字

It's not my way 
to love you just when no one's looking
It's not my way 
to take your hand if I'm not sure
It's not my way 
to let you see what's going on inside of me
When it's a love you won't be needing, 
you're not free

そいつは僕のやり方じゃない
人の目を避けて愛し合うなんて
そいつは僕のやり方じゃない
確信がないのにきみの手を握るなんて
そいつは僕のやり方じゃない
心の中で考えてることをきみに教えるなんて
その愛をきみが必要とされないのなら
きみは自由とは言えないね

Please stop pulling at my sleeve 
if you're just playing
If you won't take the things 
you make me want to give
I never cared too much for games 
and this one's driving me insane
You're not half as free to wander as you claim

ちょっとふざけてるだけなら
僕の袖を引っ張るのはやめてくれ
きみが愛を受け入れないのなら
僕がきみに与えたくならないといけない
僕は恋のゲームはもう沢山だ
でも今度の恋は僕をおかしくさせてる
きみは自分が要求する半分も
自由に振る舞えてはいないんだよ

But I'm easy
I'm easy
Give the word and I'll play your game
So that's how it ought to be
Because I'm easy

でも僕は根っから気楽な男だからさ
そう何にも気にしないよ
何か言ってくれれば
恋のゲームにだって参加するのさ
そうすべきだってことなんだから
だって僕はお気楽なヤツだから

Don't lead me on 
if there's nowhere for you to take me
If loving you would have to be a sometime thing
I can't put bars on my insides
My love is something I can't hide
It still hurts 
when I recall the times I've cried

僕をからかうのはやめてくれ
僕を連れていくところなんてないのなら
きみを時々愛することができるのなら
自分の内面を閉じ込めたりはしないよ
僕の愛は特別さ 隠すことなんてできないよ
泣いたあの時のことを思い出すだけでも
今でも心が痛いんだ

I'm easy
I'm easy
Take my hand and pull me down
I won't put up any fight
Because I'm easy

僕は単純なヤツだから
僕は気楽なヤツだから
手を握って落ち着かせてくれよ
僕はきみに逆らうようなことはしない
僕は単純なヤツだからさ

Don't do me favors, 
let me watch you from a distance
'Cause when you're near, 
I find it hard to keep my head
And when your eyes throw light at mine
It's enough to change my mind
Make me leave my cautious words and ways behind

お願いなんてしないよ
遠くからきみを見てるだけでいい
きみがすぐそばにいたら
僕は押さえがきかなくなってしまう
きみの瞳が僕の瞳を照らすだけで
僕の押さえる心は負けてしまうよ
慎重にと思ってたって忘れてしまうんだ

That's why I'm easy
Ya, I'm easy
Say you want me, 
I'll come running
Without taking time to think
Because I'm easy
Ya, I'm easy
Take my hand and pull me down
I won't put up any fight

それが僕が気楽な理由なんだ
そう きみに逆らったって無理なんだ
僕が欲しいっていってごらん
きみが考える間もなく
僕は走ってやってくるよ
だって僕は単純なヤツなんだ
そう 至ってそんなヤツなのさ
手を取って 腰を落ち着かせてくれれば
きみに従うままなのさ

Because I'm easy
Ya, I'm easy
Give the word,
I'll play your game
So that's how it ought to be
Because I'm easy

僕はお気楽なんだ
そう そんなヤツだからさ
きみと恋に落ちよう
運命には逆らわずにね
だって僕は気楽なヤツなのさ

(Words and Idioms)
cautious=用心深い

日本語訳 by 音時
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◆大阪の「黒字看板」さん、このジャケットのフォントについて調べていただきありがとうございます!
「I’M」の部分はRockwell Std-ExtraBoldを使用。
「KEITH CARRADINE」は Rockwell Nova…とのことです。
(詳しくはこちらのページをご参照)
“Rockwell”という同じフォントファミリーであるとのこと!なんとなくそんな発見が嬉しかったり(^o^)。


◆僕にとってはキース・キャラダインはこの曲のヒット以降お会いすることもなかった(笑)のですが、ある日突然再会しました。なんとマドンナの「Material Girl」のミュージックビデオに出演してるんですね!マドンナから電話がかかってきたんだよ!とキースが話しています。

Keith Carradine Made Out with Madonna?!(キースはマドンナと関係を持った?)
 (英語ですが興味のある方はこちらをどうぞ

 キースは大物プロデューサー?役。モノ・物質(Material)に囲まれて男達からもチヤホヤされる彼女、だが、実は好きなものはシンプルな野に咲く花…。いちはやく見抜いてプレゼントするキースはやはりプレイボーイ?




◆“I'm Easy”が最高位17位を記録した週の全米チャートです。
US Top 40 Singles 7th August, 1976

おおっ!6位ビーチ・ボーイズと7位ビートルズが並んでる!スゲー!9位「別れたくないのに」懐かしいです。3位は月の光の下、10位は昼間っから☓☓☓(伏せ字)。

-1 5 DON’T GO BREAKING MY HEART –•– Elton John and Kiki Dee 
-2 2 LOVE IS ALIVE –•– Gary Wright 
-3 3 MOONLIGHT FEELS RIGHT –•– Starbuck
-4 10 LET ‘EM IN –•– Wings
-5 11 YOU SHOULD BE DANCING –•– The Bee Gees 

-6 8 ROCK AND ROLL MUSIC –•– The Beach Boys
-7 7 GOT TO GET YOU INTO MY LIFE –•– The Beatles
-8 1 KISS AND SAY GOODBYE –•– The Manhattans 
-9 13 YOU’LL NEVER FIND ANOTHER LOVE LIKE MINE –•– Lou Rawls
10 4 AFTERNOON DELIGHT –•– The Starland Vocal Band

17 19 I’M EASY –•– Keith Carradine 



◆第48回アカデミー賞受賞式のシーン~“I'm Easy”で受賞しました。プレゼンテーターはバート・バカラック。オーディエンスにお父さんのジョン・キャラダインの姿も見えます!