映画「セント・エルモス・ファイアー」(1985)の主題歌のこの曲は全米1位の大ヒットになりました。今聴いても気分を高揚させ励ましてくれる曲だと思います。

◆映画について(Yahoo映画「セント・エルモス・ファイアー」より):
“嵐の中、船乗りたちが道しるべとしたマストに灯る放電現象(=セント・エルモス・ファイアー)をタイトルに掲げ、友人の事故をきっかけに集まった大学を卒業したての若者たちがそれぞれの交流の中、やがて自分の道を見つけていくまでを綴った青春群像劇。「D.C.キャブ」のジョエル・シューマカーが、エミリオ・エステヴェスをはじめ、ロブ・ロウ、アリー・シーディ、デミ・ムーアなど今を時めくキャスティングで若者たちの自立を描く”

 6~7人の同級生が学生時代から社会に巣立ち、社会でもまれ悩み成長するドラマは日本でも「ふぞろいの林檎たち」や「愛という名のもとに」(1992;鈴木保奈美、唐沢寿明、江口洋介他)などで人気が出ましたね。


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Songwriters: PARR, JOHN / FOSTER, DAVID

Released in 1985
US Billboard Hot100#1(2)
From The Album“St.Elmo's Fire Soundtrack”

*原詞の引用は太字

Growin' up
You don't see the writin' on the wall
Passin' by
Movin' straight ahead you knew it all

大人になるとき
壁に書かれた教訓なんて見ないだろ
通りすぎてしまうのさ
まっすぐ前に進むだけなんだ
すべてわかったつもりでね

But maybe sometime if you feel the pain
You'll find you're all alone
Everything has changed

でも時々 痛みを感じることもある
一人ぼっちだって気付いて
すべてのことが変わってしまうんだ

Play the game
You know you can't quit until it's won
Soldier on
Only you can do what must be done

人生はゲーム
勝つまで止めることはできないんだ
負けるな 頑張れ
やり遂げるのはきみしかいないんだから

You know in some way
You're a lot like me
You're just a prisoner
And you're tryin' to break free

きみと僕はどこかしら
似ているんだよ
まるで捕えられた囚人のようで
自由になるためにたたかってるのさ

I can see a new horizon
Underneath the blazin' sky
I'll be where the eagle's
Flyin' higher and higher
Gonna be your man in motion
All I need is a pair of wheels
Take me where my future's lyin'
St. Elmo's Fire

新しい地平線が見えてくる
メラメラと燃えてる空の下に
僕も鷲のように飛ぶんだ
空高く もっともっと

行動できる男になるよ
両側の車輪さえあれば大丈夫
輝く未来に導いてくれ
セント・エルモの炎よ

Oooh...

Burnin' up
Don't know just how far that I can go
(Just how far I go)
Soon be home
Only just a few miles down the road

燃え上がれ
どれだけ遠くに行けるかわからないけど
(どれだけ遠くても)
その先に安息の場所がある
数マイル先までいけば辿りつく

I can make it
I know I can
You broke the boy in me
But you won't break the man

僕はやり遂げられる
できるって信じてる
僕の中の少年の弱い心が出てきても
意思は負けたりはしない

I can see a new horizon
Underneath the blazin' sky
I'll be where the eagle's
Flyin' higher and higher
Gonna be your man in motion
All I need is a pair of wheels
Take me where my future's lyin'
St. Elmo's Fire

見えてくるんだ 新しい地平線が
あの燃える空の下にくっきりと
僕もそこに辿りついてみせる
鷲のように空高く飛んで

おとなしい僕とはサヨナラさ
この2本の車輪で進むんだ
未来の待つ場所まで連れて行ってくれ
セント・エルモの炎よ

I can climb the highest mountain
Cross the wildest sea
I can feel St. Elmo's Fire burnin' in me
Burnin' in me

どんなに高い山だって登ってみせる
どんなに大きな海だって渡るのさ
セント・エルモの炎が僕のなかで燃えている
僕の中で燃えたぎってる

Just once in his life
A man has his time
And my time is now
And I'm comin' alive

人生でただ一度
やらなきゃいけない時がある
今がその時なんだ
僕は生き返ったのさ

I can hear the music playin'
I can see the banners fly
Feel like you're back again
And hope ridin' high

Gonna be your man in motion
All I need is a pair of wheels
Take me where my future's lyin'
St. Elmo's Fire

音楽が鳴り響いてる
旗が振られているのが見える
僕は生まれ変わったんだ
希望を高く掲げて進め

口先だけの男じゃないんだ
僕には前に進む車輪がある
未来を自分の手でつかむのさ
セント・エルモの炎よ 見ててくれ

I can see a new horizon
Underneath the blazin' sky
I'll be where the eagle's
Flyin' higher and higher
Gonna be your man in motion
All I need is a pair of wIheels
Take me where my future's lyin'
St. Elmo's Fire

I can climb the highest mountain
Cross the wildest sea
I can feel St. Elmo's Fire burnin' in me

どんなに高い山だって登ってやる
どんなに大きな海だって渡ってやる
セント・エルモの炎をこの胸に燃やして

Burnin'
Burnin' in me
I can feel it burnin'
Oooh, burnin' inside of me

燃えている
心のなかから燃えている
僕は生まれ変わったんだ


(Words and Idioms)
Soldier on=負けずに頑張る
blazin=燃えている

日本語訳 by 音時

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◆さて、この曲には“Man In Motion”という副題が付いており、このことに触れないといけません。

 この曲はジョン・パーとデヴィッド・フォスターの共作。
当初は、映画「St.Elmo's Fire」の音楽を担当することになったデヴィッド・フォスターが84年の12月にヒットしたジョン・パーの「ノーティ・ノーティ」を聴いて、「この男と一緒に仕事をしたい」とリストにあげたのがきっかけでした。いくつかの曲を作ってジョエル・シュマッカー映画監督にも聴かせましたが、監督の注文は映画のタイトルである「St.Elmo's Fire」というワードを歌詞に入れてほしいということでした。

 作成途中でデヴィッドはジョンに、世界を車イスで巡ったリック・ハンセンのビデオを見せたことで、」一気にアイデアが溢れ出てきたといいます。
 “Gonna be your man in motion, all I need is a pair of wheels...”の“a pair of wheels”っていう部分が特にその部分ですね!(リック・ハンセンの旅は「マン・イン・モーション ツアー」と呼ばれていた)
 リックの世界一周への挑戦が始まったのが1985年3月21日、リックがスタート地点であるバンクーバーのオークリッジ・ショッピング・センターに戻ってゴールしたのは、1987年5月22日。出発から2年2カ月後のことでした。

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 そう、この曲はリックが世界一周をやり遂げてから作られたのではなく、リックが挑戦をスタートさせた時期に作られ、リックを応援するなかで世界的なヒットとなり、リックを励ますことにもなった曲なんです。
 
 いま2021年、リックは64歳。世界的には、コロナのなかでも「パラリンピックTOKYO2020」が閉幕したところで、ハンディキャップがあろうとなかろうと、ともに共生する社会を考え行動する、とても大きな機会が作られたところです。リックもきっと後輩たち、そして社会を温かい目てていたのではないでしょうか。 僕は、とくに、車椅子バスケの日本代表に感動してました…(*_*)

車いすで世界一周 リック・ハンセンのお話」(汐文社)
日本deカナダ史 リック・ハンセン、聖火をリッチモンドに [バンクーバー五輪]
Rick Hansen(Wikipedia)


◆“Gonna be your man in motion”について…

“your”が付いているのは、きみのなかにすでに“man in motion”が眠っていて、それを起こすがいい、ってそんな意味でしょうか。

僕は“man in morion”でイメージしたのは、
「行動できる男」「おとなしい僕とはサヨナラ」「口先だけの男じゃない」などで、
自由奔放に意訳してしまいました…(^_^;)。
また英語が得意な人(プロ?の方)にお叱りを受けるかもしれないなあ…。


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◆さて、映画のストーリーでは、仲間のたまり場のバーレストランの名前が「セント・エルモ」。ある者はそこでアルバイト、ある者はミュージシャンを目指しそこで演奏したり…。冒頭のこの曲のPVでもジョン・パーが歌うステージはこの「セント・エルモ」を舞台にして、映画の登場人物と後半絡んだりする場面もおもしろいですね。ただ、この歌のなかで出てくる「セント・エルモの炎」は前に進もうとする主人公の心の中にメラメラと燃える炎として出てくるのですが、映画のラストでは扱いがちょっと違います。
 
...ミュージシャンとしての成功を目ざしニューヨークヘ向かうビリーの旅立ちの日。見送る仲間たちの足が自然に<セント・エルモ>へ向きかけた時誰かが言った。
「もう、<セント・エルモ>じゃないぜ」。
 <セント・エルモの火>。嵐の大海に捲き込まれた水夫たちを導くという伝説の火。しかし、進むべき道をしっかりと見定めた若者たちに、もはやその灯は必要ではなかった...(Movie Walker「セント・エルモス・ファイアー」より)

◆John Parr - St. Elmo's Fire (Man In Motion), Kanguru 1985 HQ




◆映画"セント・エルモス・ファイアー" 予告編




◆デビッド・フォスターによる「Love theme From St.Elmo's Fire」この曲は“卒業”って感じがしますね。好きですねえ。(この曲はすでにこのブログで取り上げています→こちら



(この記事は以下を参考にしました)
・ビルボード・ナンバー1・ヒット1985-1988 音楽之友社
・TRCブックポータル 車いすで世界一周―リック・ハンセンのお話 
・Movie Walker セント・エルモス・ファイアー
・Yahoo 映画 セント・エルモス・ファイアー
・Wikipedia セント・エルモス・ファイアー