このブログでこれまで取り上げてきたティナ・ターナーの楽曲の和訳記事はこちらです。
60年代にアイク&ティナ・ターナーで大活躍したティナ。70年代は実は夫であったアイクの家庭内暴力もあって苦しんでいたようです。1978年に離婚し、ミュージシャンとしてもソロとして、1983年の名盤「Private Dancer」で大ブレイクをしましたね。
収録曲「愛の魔力(What's Love Got To Do With It)」も全米No1になりました。
その後もティナは大活躍。女優としても、1985年にメル・ギブソンとともに主演を務めている超大作映画「マッドマックス/サンダードーム」に出演し、その主題歌「We Don't Need Another Hero」は全米2位になりました。
◆この曲「ティピカル・メイル」は、「Privete Dancer」そして「Mad Max/Thunderdome」のヒットの後、待ちに待ったティナのアルバム「Break Every Rule」からの第1弾シングルとなりました。当時、このPVもよくテレビで見た覚えがあります。リズムの効いたダンスサウンドに、スタイル抜群のティナが"武器"とし誇る脚線美!?全開でカッコ良く踊ります。
ティナの魅力が生きているこの曲、この勢いは全米1位になるぞ!と思わせましたが、ビルボードでは残念ながら2位止まり。ジャネット・ジャクソン、シンディ・ローパーの若手女性シンガー(当時)にオネエサンは阻まれてしまって残念でした。(ちなみにキャッシュ・ボックスのチャートではNo1になっています)。
Songwriters: BRITTEN, TERRY/LYLE, GRAHAM HAMILTON
lyrics © Warner/Chappell Music, Inc.
Released in 1986
US Billboard Hot100#2
From The Album"Break Every Rule"
*原詞の引用は太字です
Tell me lawyer what to do
I think I'm falling in love with you
Defend me from the way I feel
教えてよ 弁護士さん
アタシ 何すればいいの?
あなたに恋しちゃったみたいなの
この想いからアタシを守ってほしいのよ
Won't you give me some advice
On how to handle my private life
I'm sure we can make a deal
何かしらアドバイスもらえないかしら
ああ 私の人生
どう生きていけばいいのかを
アタシたちなら"取引できる"って
そう思うのよ
I confess I'm a fool for men
with a clever mind
But your intellect ain't no match
with this heart of mine
告白しちゃうとね
アタシは頭のいい男にホレっぽいの
でも あなたの知性がアタシのこの熱いハートと
合ってないみたいなの
All I want is a little reaction
Just enough to tip the scales
I'm just using my female attraction
On a typical male
On a typical male
欲しいのはちょっとの反応だけでいい
天秤が釣り合うようにしたいのよ
アタシは女の魅力を使うだけなの
男っていう生き物にたいしてね
男っていう生き物にたいしてね
Your sense of justice I'll embrace
But your defense don't help my case
I'm deep in trouble with the law
あなたの正義感 抱きしめてあげるわ
でもアタシには役に立ってないのよ
"法律"って話になると
アタシはタイヘンな女だからね
Something about authority
Seems to bring out the bad in me
Hey lawyer
gotta catch me when I fall
権威あるものを前にすると
何かアタシのいけないものが
出てきちゃうみたいなの
ねえ弁護士さん
アタシが悪い子になったら受け止めてね
Oh they say that you match your wits
with the best of them
But I know when I'm close you're just
like the rest of them
ああ あなたは弁護士のなかでも
最高のキレ者って噂なのよ
でもアタシのそばにいたら
あなただって他の男と変わらないわ
All I want is a little reaction
Just enough to tip the scales
I'm just using my female attraction
On a typical male,
On a typical male
感じたらそう反応してほしいのよ
今はまだ天秤が釣り合ってないからね
アタシは女の魅力を武器に使っちゃうわ
男っていう生き物にたいしてね
男っていう生き物にたいしてね
So put your books aside
Loosen off the suit and tie
Gotta open up your heart and let me in
Open up your heart and let me in
だから法律の本なんか横において
スーツやネクタイも緩めてちょうだい
心を開いてアタシを受け入れて
心を開いてアタシを受け入れて
All I want is a little reaction
Just enough to tip the scales
I'm just using my female attraction
On a typical male,
On a typical male
感じたらそう反応してほしいのよ
アタシのワザが通用するのを確かめたいわ
アタシは女の魅力を武器に使っちゃうの
男っていう生き物にたいしてね
男っていう生き物にたいしてね
(Words and Idioms)
make a deal=取引する
tip the scales=てんびんの片方を重くする
typical=典型的な、代表的な、特有な、(…の)特徴を示して
embrace=〔人と〕抱き合う、抱擁する
match with=添う;釣合う
日本語訳 by 音時(On Time)
◆"Typical Male"="典型的な男性"。
でも"典型的"って和訳すると、この歌に出てくる「弁護士さん」は」「典型的な男性」ではないので意味がよくわからなくなってしまいます。
歌い手(女性)は「頭のいい男性(with clever mind)」に惚れっぽい女性なので、今回出会った「弁護士」は心のなかでワクワクしています。でもそんな男性とまだ「釣り合いが取れていない」ので、"女の魅力"で迫ります。ちょっとでもリアクションが見られたら、天秤は彼女の方に少し重しを加えてくれてようやく釣り合えるかっていうところです。
はい、ですので弁護士さんに対抗するのは、あちらさんに"お堅い職業人のスーツを脱いでいただき、一人の男性になっていただけるかどうか。彼女が女の魅力(Female Attraction)を使う相手="Typical Male"は"男性という特有さを持つ男性"=男という生き物、という言葉を選びました。"男という性(さが)を持つ(典型的な)男"っていう意味です。
◆2013年4月にティナは雑誌"Vogue"ドイツ版の表紙に載りました。この時彼女は73歳で、世界で"Vogue"の表紙に登場した最年長の人物となりました!
◆"Typical Male"が最高位2位を記録した週の全米チャートです。
US Top 40 Singles For The Week Ending October 18, 1986
女性アーチストの熾烈な首位争い!ジャネジャクに、2位ティナ、3位シンディが迫ります。しかし、翌週は…ティナは2位足踏み、シンディ"True Colors"が首位に立ちます。結局、ティナの上にはジャネジャクとシンディが立ち塞がり、"ティピカル・メイル"の天下はなりませんでした。勢いはあったんだけどな。8位のロバート・パーマーの動きがいいですね。
-1 1 WHEN I THINK OF YOU –•– Janet Jackson
-2 5 TYPICAL MALE –•– Tina Turner
-3 9 TRUE COLORS –•– Cyndi Lauper
-4 4 THROWING IT ALL AWAY –•– Genesis
-5 7 HEARTBEAT –•– Don Johnson
-6 3 TWO OF HEARTS –•– Stacey Q
-7 2 DON’T FORGET ME (WHEN I’M GONE) –•– Glass Tiger
-8 13 I DIDN’T MEAN TO TURN YOU ON –•– Robert Palmer
-9 11 ALL CRIED OUT –•– Lisa Lisa & Cult Jam With Full Force
10 15 A MATTER OF TRUST –•– Billy Joel
◆Tina Turner Typical Male Live 2009 すごい盛り上がりだ!
◆アルバム「Break Every Rule」からこの曲もカッコイイ。全米13位のヒットになりました"What You Get Is What You See"。ギターはクラプトンが弾いてます。
コメント
コメント一覧 (6)
この三人のは基本同傾向です。
でもティナ・ターナーのが圧倒的です。(全部Youtubeに公式音源としてあります)
偏見ですが、失恋ソングって女性視点だと「あなたと別れられてせいせいしたわ」的な歌詞が多いので、ここまで「別れがつらい!」ってのは珍しいなと思いました。
別の曲の話ばかりで失礼しました。
失恋の痛みを叫ぶように歌い上げています。
お気に入りの一曲になりました。
アスワド、エイス・オブ・ベイスとどれも感じが違うのでなかなかおもしろいです。
時間あったら比較して聞いてみてください。
というかアスワドバージョン、なんであんなに明るいんだ?