Sade(シャーデー)はこのブログでは初めての登場でしたかね?
ビルボードチャート日記 by 星船」さんをご参照ください。

◆僕は最初見たときは、ジョディ・ワトリーとちょっと混乱しました...。
確かめると全然似ていないのですが、切れ長の目とおでこをアップした感じで、僕にとってはエキゾチックな女性がみな同じに見えていたのかな...。

でも“シャーデー”というのはバンドの名前。


その紅一点でフロントのボーカルが“シャーデー・アデュ”言いますねん(なんで関西弁?)。
 
アデュはナイジェリア人の父とイギリス人の母がいるハーフ。お父さんは経済学を教える大学教師でお母さんは看護師で、4歳までナイジェリアで育ち、その後、両親の別居とともに母親とイギリスに移住したそうです。


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◆シャーデーにとってはこの曲“Smooth Operator”が初の全米トップ40ヒット、それも全米5位の大ヒットになりました。
こちらの記事によると、バンド結成してからこの曲ができたのではなく、元はバンドのレパートリーとして、アデュが自作した「スムース・オペレーター」を歌っていたところがレコード会社の目にとまり、グループ結成の契機になったそうです。

【シャーデー/Sade】現在の活動状況は? バンドの歴史と代表曲を解説

◆さてタイトルにもなっている“スムース・オペレーター”ってどんな意味なんでしょうね?

こちらのサイトをご参照あれ。(https://www.eigowithluke.com/smooth-operator/

意味は「要領がよい人」や「口がうまい人」のことを言うそうです。(中略)よく他人を支配したり、操ったりするので、褒め言葉ではありません。...
ああ、冒頭のPV、スムース・オペレーターがいっぱい出てくる。
その魔手に落ちてしまう女性が...(-_-;)。


SMOOSADE_R


Songwriter(s)
Sade Adu、Ray St. John

Released in 1985
US Billboard Hot100♯5
From the album“Diamond Life”

*原詞の引用は太字です

Diamond life, lover boy
He move in space 
with minimum waste and maximum joy
City lights and business nights
When you require streetcar 
desire for higher heights

キラキラ光る日々 愛されるボーイ
彼は空間を動き回り
最小限の動きで最大限の楽しみを得る
街の灯りがついて お仕事の夜が来る
あなたが“路面電車”に乗るのは
より高い場所に行きたいからよね

No place for beginners or sensitive hearts
When sentiment is left to chance
No place to be ending but somewhere to start

うぶな子どもや神経質な女は出る幕はない
成り行きまかせの感情なんていらない
終わりなんてない どこからだって始められる

No need to ask, 
He's a smooth operator
Smooth operator
Smooth operator
Smooth operator

尋ねなくたっていい 
スムース・オペレーターに
やり手のプレイボーイ
口の上手いペテン師
スムース・オペレーター

Coast to coast, LA to Chicago, 
western male
Across the north and south, to Key Largo, 
love for sale

西海岸から東海岸 L.Aからシカゴへ
そのときは西部の男性で
北から南へ大横断 キー・ラーゴまで
彼の行くところは愛の大安売り

Face to face, each classic case
We shadow box and double cross
Yet need the chase

顔と顔を合わせる 典型的な手口
心まで見せたフリしての裏切り
愛には程遠いものよ...


A license to love, insurance to hold
Melts all your memories and change into gold
His eyes are like angels 
but his heart is cold

愛の資格と手に入れるための保障
想い出はすべて溶かして 金に変えてしまう
瞳は天使のようだけど
心は冷たいの

No need to ask, 
he's a smooth operator
Smooth operator, 
Smooth operator
Smooth operator

尋ねたって無駄
スムース・オペレーターに
やり手のプレイボーイ
口の上手いペテン師
スムース・オペレーター

Coast to coast, LA to Chicago,
western male
Across the north and south, to Key Largo, 
love for sale

西海岸から東海岸 L.Aからシカゴへ
そのときは西部の男性で
北から南へ大横断 キー・ラーゴまで
彼の行くところは愛の大安売り

Smooth operator, smooth operator
Smooth operator, smooth operator
Smooth operator, smooth operator
Smooth operator, smooth operator
Smooth operator, smooth operator

やり手のプレイボーイ
口の上手いペテン師
遊びだけの男
スムース・オペレーター
本当の愛を知らない
スムース・オペレーター...

 (Words and Idioms)
A Streetcar Named Desire=欲望という名の電車
https://www.cinematoday.jp/news/N0076893
leave to chance=運を天に任せる
shadow box=陳列ケース
double cross=仲間を裏切ること; 裏切り
chace=追跡,追撃; (望むものを)激しく求めること

日本語訳 by 音時(On Time)
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◆この曲のWikipediaには、次のように出ていました。


"Smooth Operator" はハイソな集団のなかを行き来する「ファッショナブルなペテン師」のことです。(a fashionable con-man who moves within high social circles.)
彼は女性から人気があり、たくさんの心を傷つけます...。

まあよく言われる“プレイボーイ”、女殺しの“ジゴロ”...そんなところでしょうか。

“When you require streetcar desire for higher heights“
この歌詞を訳すときに辞書を引きましたが、“A Streetcar Named Desire“=「欲望という名の電車」という演劇があるんですね!
 その1940年代の演劇を1951年にヴィヴィアン・リー、マーロン・ブランド主演の映画が作られ大ヒットしました。僕はこの映画はまだ見ていないのですが、こちらのサイト(名画プレイバック)によると、様々な愛や欲望のなかで、ヴィヴィアンが精神を崩壊させていく鬼気迫る演技を見せるそうです(^_^;)。「欲望という名の電車」では名詞としてあった“desire”が動詞で使われている違いはあるものの、このフレーズが1951年の映画のタイトルを模したのは間違いないでしょうね。
 この歌詞は、「欲望という名の電車」を知っている人にとっては映画の内容を想起させるものだったのでしょう。

◆たくさんの韻が踏まれている歌詞、こういうのもおしゃれですよね。

“LA to Chicago“と“Key Largo”
“male”とsale”
“case“と“chace”
“hold”“gold”“cold”

◆うーむ。ちょっと意訳に走りすぎちゃったかな。


We shadow box and double cross
Yet need the chase

shadow box”...平面から立体にした奥行のある手芸作品を箱(額だったりする)に入れて中身をよく見せる=心のなかをさらけ出す、と解釈しました。でもすぐに“信用してたのに裏切り”(double cross )。“いまだ追跡が必要“...ほんとの愛と出会うにはまだまだ追いかけなくてはいけない=本当の愛はまだ遠くにある、という意味に捉えました。