アルバム「No Jacket Required」のラストの曲"Take Me Home"。この曲のイントロが始まるともうアルバムも終わりか…とちょっと寂しくなった記憶があります。当時のツアーライブではこの曲がエンディングの曲だったようですね。

 そういえば、僕も一時期、英語縛りカラオケによく言っていましたが、そのときに、友だちのHくんがこの曲をラスト曲に選んで歌いましたので、僕もコーラスを務めました(^▽^;)。
 ちなみにこの曲のコーラスは、スティング、ピーター・ガブリエル(小林克也さんは"ゲイブリエル")と、あと元カルチャー・クラブのバックシンガーであるヘレン・テリーさんが務めてるそうです。


◆この曲、冒頭のMVは、フィルが世界各国を回って旅したときの映像でしょうか、世界各地の風景が出てきます。この曲のウィキペディア情報によると、ロンドン、パリ、東京、ニュー・ヨーク、シドニー、ブレーメン、メンフィス(Graceland)、ロサンゼルス、ストックホルム、サン・フランシスコ、鎌倉、シカゴ、セント・ルイス、ヒューストン…であるとか。

◆ビデオのなかの日本の風景だと、五重塔は京都かな?

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◆東京は新宿でしょう。今は無き「カメラのさくらや」が出ています。

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◆右側に富士山が見えるのは東京からの下りの新幹線ですね。

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◆こちらは大船観音ですね。

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◆あとこの立派なお寺はどこだろう?、なんか見覚えがあるんだけど…と思ってたら、鎌倉の鶴岡八幡宮じゃないでしょうか。実物は今は赤いのだけど、狛犬もいるし…。

Phil3


ダウンロードTAkemeghome


Lyrics as written by Phil Collins
Lyrics © CONCORD MUSIC PUBLISHING LLC

Released in 1985
US Billboard Hot100#7
From The Album“No Jacket Required”

:原詞は太字

Take that look of worry
I'm an ordinary man
They don't tell me nothing
So I find out all I can
There's a fire that's been burning
Right outside my door
I can't see but I feel it
And it helps to keep me warm

不安そうな僕を見てごらん
僕は平凡な男
誰も僕にかまいやしない
だから自分でできることを探すんだ
僕のドアのする外側には
燃え続ける炎がある
見えなくてもそう感じるんだ
それが僕の心を温かくしてくれる

So, I... I don't mind
No, I... I don't mind

だから 僕は気にしないんだ
そうさ 僕は気にしてないよ


Seems so long I've been waiting
Still don't know what for
There's no point in escaping
I don't worry anymore
I can't come out to find you
I don't like to go outside
They can turn off my feelings
Like they're turning off the light

どうやらとても長いあいだ待ってたようだ
いまだに理由はわからないけど
どこにも逃げ場所はないからさ
だからもう気にしない
きみを探しにくることもできない
外に出かけるのが好きじゃないんだ
誰にも僕の感情を消すことなんてできないんだ
電灯を消すように簡単にはね

But, I... I don't mind
No, I... I don't mind
Oh, I... I don't mind
No, I... I don't mind

だけど 僕は 気にしないさ
そうとも僕は気にしない
ああ 僕は気になんかしてないよ
そうさ 僕は気にならない

So take, take me home
'Cause I don't remember
Take, take me home
'Cause I don't remember
Take, take me home, oh lord
'Cause I've been a prisoner all my life
And I can say to you

だから僕を連れ帰ってくれよ
僕は覚えてないんだから
家に 故郷に連れて帰って
だって みんな忘れてしまったよ
家に 故郷に連れてって
人生ずっと囚人みたいだったから
それだけは確かに言えることなんだ


Take that look of worry
Mine's an ordinary life
Working when it's daylight
And sleeping when it's night
I've got no far horizons
I don't wish upon a star
They don't think that I listen
Oh, but I know who they are

不安げな僕を見てくれよ
僕の人生 ずっと平凡だった
日中は仕事に出て
夜になれば寝る繰り返し
地平線になんて届かないし
星に願いを掛けたりもしなかった
誰も僕が聞いてるとは思いもしないだろうね
でも 僕はヤツらのことを知ってるのさ

And, I... I don't mind
No, I... I don't mind
Oh, I... I don't mind
No, I... I don't mind

だけど 僕は 気にしないさ
そうとも僕は気にしない
ああ 僕は気になんかしてないよ
そうさ 僕は気にならない

So take, take me home
'Cause I don't remember
Take, take me home
'Cause I don't remember
Take, take me home
'Cause I don't remember
Take, take me home, oh Lord

だから僕を連れ帰ってくれよ
僕は覚えてないんだから
家に 故郷に連れて帰って
想い出すことなんてないんだから
家に 故郷に連れてってよ

Well I've been a prisoner all my life
And I can say to you, but I don't remember

そうさ
僕は鎖につながれた人生だった
だから僕が言えることは
何も覚えちゃいないってことだけさ

Take, take me home
'Cause I don't remember
Take, take me home
'Cause I don't remember
Take, take me home
'Cause I don't remember
Take, take me home
'Cause I don't remember
Take, take me home
'Cause I don't remember
Take, take me home
'Cause I don't remember
Take, take me home
'Cause I don't remember
Take, take me home
'Cause I don't remember
Take, take me home
'Cause I don't remember...

僕を連れ戻して
何も覚えていないんだから
家に連れてってくれ
何も思い出せないよ
故郷に連れて帰ってよ
僕は頭を空っぽにしたから
家に連れて帰ってよ
想い出すことなんてないのさ
僕を連れて帰って
.... 

日本語訳 by 音時

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◆さて、この曲の解釈ですが、この曲のウィキペディアの情報にもあったのですが、1997年にフィルがTVにてスタジオライブをやっていて、その模様が「VH1 Storytellers」というタイトルで発表されているのですが、ここでフィルがこの曲の演奏の前にコメントしています。

下記のビデオの「27:04」から"Take me home"です。




フィルによると、この曲は「精神病院の患者」を歌ったもので、小説「カッコーの巣の上で(原題:One Flew Over the Cuckoo's Nest)」に触発された…ということのようです。

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「カッコーの巣の上で」は映画だと1975年にあのジャック・ニコルソンが主演で、精神病院が舞台の映画ですね。"カッコーの巣( the Cuckoo's Nest)"というのは"精神病院"の比喩表現でしょう。僕もこの映画はまだビデオ屋さんが街に沢山あった時代にVHSで借りてみたことがあります。
 この映画だとジャック・ニコルソンは刑務所に入るのを逃れるために、実は平常(正常)なのに精神異常のフリをして精神病院に入院するストーリー…。

 うーむ、この曲で"Take me home"と歌い願う主人公。でもその主人公は続けて"I don't Remember…"と歌います。ここで注目したいのは"I can't remember"="想い出せない"じゃなく、"I don't remember"ってところじゃないかな。主人公は想い出せないのではなく、(意思を持って)想い出さない。"もう忘れたよ"として過去を振り返ることをしない、ってことなんでしょうね。

 曲づくりのヒントは「カッコーの巣の上で」かもしれませんが、やはり当時"世界一忙しい男"と呼ばれていたフィル。世界中を巡ってもう疲れたよ、精神病院に入ってたみたいだ、もう家に帰りたいよ…って思って書いたんんじゃないの?って思いますけどね…。