このブログでこれまで取り上げてきたバリー・マニロウの楽曲の和訳記事はこちらです。
バリー・マニロウの名曲「歌の贈り物(I Write The Songs)」。
“僕は世界のみんなが歌う歌を作りたい…愛や特別な何かを歌った歌を…”
シンガーがこれまでの半生を歌い、これからも歌っていく決意を示した歌…そう思っていいですよね。
◆僕は最初、この曲の歌詞とバリー・マニロウの半生を重ねて受け取っていました…。
でもそのあと、作者はバリーではなく、ブルース・ジョンストン(ビーチ・ボーイズのメンバー)であると知り、どこからか、ブライアン・ウィルソン(ビーチ・ボーイズの数々の曲を作った天才)が精神的な病気で歌を書けなくなってしまっているのを励まそうとして作った歌だ…という話を耳にして、友情に感動!して、それからずっとそう思っていました。
でもそのあと、作者はバリーではなく、ブルース・ジョンストン(ビーチ・ボーイズのメンバー)であると知り、どこからか、ブライアン・ウィルソン(ビーチ・ボーイズの数々の曲を作った天才)が精神的な病気で歌を書けなくなってしまっているのを励まそうとして作った歌だ…という話を耳にして、友情に感動!して、それからずっとそう思っていました。
これからもできたらそう思っていたいな…(-_-;)
◆というのは、ブルース・ジョンストンによると、「この曲はブライアンとは関係ない。この曲の主人公は“神様”なんだ。歌は私たちみんなの内面にある想像の精神のなかから生まれてくる。」ということなのです。
バリーは当初、この曲のレコーディングをためらったそうです。彼の自伝“Sweet Life”の中で語っていますが、
“この曲の問題というのは歌詞を注意深く受け取ってもらえないと、この曲は歌い手が自分のことを歌った歌だと思ってしまうことなんだ。記念碑的な感傷旅行(エゴ・トリップ)に思ってしまうんだよ”
と感じたようです。(アリスタ・レコードのクライヴ・デイヴィスがバリーを説得してレコーディングされた)
バリーの不安通り、僕はそう受け止めてしまった人の一人だったんですね!
そういうわけでして、このブログのこの曲の和訳は“神”の視点で訳してみました(^▽^;)。
◆でも“神”といっても、高いところから見下ろす神ではないんですね。それは誰もの心のなかにいる“想像力”。人の持っている根源的なものが音楽を生み出していき、その音楽がまた別な人の魂のなかに入り込んでいく。
この循環サイクルが繰り返すなかで、世界の交響曲が生み出されていく…という“音楽”って何なんだろう?って問いをそれは“ひと”なんです、という答えを教えてくれる歌なんだととらえました。
この循環サイクルが繰り返すなかで、世界の交響曲が生み出されていく…という“音楽”って何なんだろう?って問いをそれは“ひと”なんです、という答えを教えてくれる歌なんだととらえました。
…やはり、名曲です。
Songwriters JOHNSTON, BRUCE
Lyrics c Universal Music Publishing Group
Released in 1975
US Billboard Hot100#1
From The Album
"Tryin' to Get the Feeling"
:原詞は太字
I've been alive forever
And I wrote the very first song
I put the words and the melodies together
I am music and I write the songs
私はずっと生きてきました
そして初めて歌を書いたのです
ことばとメロディをつなぎ合わせ
私自身が音楽になり
そうやって歌を作っていくのです
I write the songs
that make the whole world sing
I write the songs
of love and special things
I write the songs
that make the young girls cry
I write the songs,
I write the songs
私が書くのは世界じゅうを歌わせる歌
そして 愛や特別なことを歌う歌
それから 若い女の子が涙する歌
私は歌を書く そうやって
歌を書き続けていくんです
My home lies deep within you
And I've got my own place in your soul
Now when I look out through your eyes
I'm young again, even though I'm very old
私の安らぎの場所は
みなさんの心のなかにあります
あなたの魂に私だけの場所を作ったんです
あなたの瞳を通じて世界を見まわすと
私は再び若くなれるのです
こんなに長く生き続けてる今でさえ
I write the songs
that make the whole world sing
I write the songs
of love and special things
I write the songs
that make the young girls cry
I write the songs,
I write the songs
私が書くのは世界じゅうを歌わせる歌
そして 愛や特別なことを歌う歌
それから 若い女の子が涙する歌
私は歌を書く そうやって
歌を書き続けていくんです
Oh, my music makes you dance
And gives your spirit to take a chance
And I wrote some rock 'n' roll
so you can move
Music fills your heart, well,
that's a real fine place to start
ああ 私の音楽でみんなダンスします
チャンスをつかむ やる気を起こさせます
ロックン・ロールでは
思わず体を動かしてしまうでしょう
音楽が心を満たします
何かを始めるのに
音楽は本当にいいきっかけになるんです
It's from me, it's for you
It's from you, it's for me
It's a worldwide symphony
私から生まれた歌があなたへ
あなたから生まれた歌が私へ
世界じゅうの人の心から生み出された曲は
また別な人の心に入っていき
そしてまた新しい曲が生み出されていく
それが世界のシンフォニーになるんです
I write the songs
that make the whole world sing
I write the songs
of love and special things
I write the songs
that make the young girls cry
I write the songs,
I write the songs
だから私は歌を書く
I write the songs
that make the whole world sing
I write the songs
of love and special things
I write the songs
that make the young girls cry
I write the songs,
I write the songs
私は歌を書く
世界中が歌う歌を
私は歌を作る
愛や特別なことを歌にする
私は歌を生む
若い女性が涙する歌を
私は歌を書く
私は歌を書き続ける
I am music
and I write the songs
私自身が音楽となって
歌をあなたに届けたいのです
(Words and Idioms)
forever=絶えず 常に
symphony=シンフォニー(交響曲)
=いろいろの異なった要素がまじり合って、ある効果を生み出しているたとえ。「色と光と音の―」
日本語訳 by 音時
◆この曲はバリーより先に、キャプテン&テニールがアルバム「愛ある限り」のなかで発表しています。またデヴィッド・キャシディもアルバム「The Higher They Climb」に収録しています。僕は静かに語り掛けるように歌う、作者ブルース・ジョンストンのバージョンが好きだな。
◆キャプテン&テニールの“I Write The Songs”
コメント
コメント一覧 (4)
お褒めいただいた箇所の和訳は、その神様がきっと僕に乗り移って書かせたものと思われます!
文字のみの理解でした。
偶然拝見し、翻訳の素晴らしさに引き込まれ、
私も、ブライアンに捧げた曲だと思いますし、
ブルースジョンストンがブライアンとは関係ないと言ったのも、またよくわかります。
ビーチボーイズ好きです。それは、村上春樹さんの作品の中でたびたびふれられて、時代背景だとか、知ることが出来ました。
歌は私たちみんなの内面にある想像の精神のなかから生まれてくる。
エンデも同じですよね。
It's from me, it's for you
It's from you, it's for me
It's a worldwide symphony
ここの翻訳、凄いです。
どうもありがとうございます♪