う~ん!どっちにするか悩んだ末に…ロッドの方で取り上げました!"エルトンじゃないのか!"と声を荒げる方もいらっしゃるかもしれません。

はい、"カントリー・コンフォート"はバーニー&エルトンの作品であります。ロッド・スチュワートはカバーの方ですね。
(でも僕にとっては、マーキュリー時代のロッドの数々曲のなかで、この曲の印象が強いの許してください)

◆この曲はエルトンに言わせると、ロッドとの友情が始まるきっかけになった曲であるとのこと。

図書館から借りてきた(←買わんのかい)エルトンの自伝「Me Elton John」にこの曲、そしてロッドについて語っている箇所がありました。
 エルトンはロッドのことは前から知っていましたが、ほんとうによく知るようになったのはロッドがこの曲をカバーしたことがきっかけだったようです。ロッドが歌詞を変えたことについて、エルトンはインタビューで長々と愚痴をこぼしています。

「歌いながら適当に歌詞を考えたみたいに聴こえるじゃないか!あいつは"草競馬"を歌ってもオリジナルを越えられないさ!」

「その発言で、僕たちの友情のトーンが決まったようなものだ。ロッドと僕には共通点が沢山ある…」

「二人ともサッカーを愛し、美術品を集めている、あまり裕福でない家で育ったから成功の果実を楽しむことにためらいがある(ということにしておこう)。でも一番大きな共通点はユーモアのセンスだ」

 そして50年近くの間、どんな風にユーモアを交流させていたかを書いています。エルトンが薄毛が話題になってきたときに、ロッドがエルトンに贈ったプレゼントは昔の美容室で使っていたようなセット・ドライヤーで、エルトンは逆にロッドには豆電球で飾りをつけた歩行器をプレゼント!ロッドのコンサート記念にロッドが自分の顔をプリントした小型飛行船を会場の上に飛ばしたら、エルトンは銃でそれを打ち落とす!そしてロッドは負けじと、エルトンのコンサートでプロモーターが巨大な横断幕を掲げたら、ロッドはその直後にロープを切り横断幕を落としてしまう!(^▽^;) まあ、お金の使い方が常人では考え付かない、イタズラですけどね!(Me Elton John P.89-90を参照させていただきました)

(続きは後半)


R-5062638-1447675856-6939.jpeg

Songwriters BERNIE TAUPIN, ELTON JOHN
Lyrics c Universal Music Publishing Group

Released in 1970
From The Album"Gasolin Alley"

:原詞は太字

Soon the pines 
will be falling everywhere
Village children 
always fightin' for a share
And the 6:09 goes 
roaring down the creek
As he possibly prepares 
his service for next week

じきに松の実も
あちこちで落ちるだろう
村の子どもたちはいつだって
分け前を取り合うのさ
6時9分発に乗る男たちは
入り江を騒がしく下っていく
来週の仕事の準備をしなきゃならないよ

I saw grandma 
yesterday down at the store
Well she's really 
lookin' fine for eighty-four
And she asked me 
if sometime I'd fix the bam
Poor old girl, 
she needs a man down on the farm

昨日 
おばあちゃんを店でみたのさ
ああ 彼女は84歳にしちゃ
本当に素敵だったよ
それから俺に聞いてきたのさ
ときどき納屋を修理してくれないかって
可愛そうな おばあちゃん
農場をやっていくには
男手が必要なんだ

And it's good old country comforts in my bones
Just the sweetest sound my ears have ever known

心地のいい故郷の安らぎが
俺の骨まで染み込んでる
耳に響くのは お馴染みの最高の響き

Just an old fashioned feeling in my bones
Country comforts 
and the road that's going home

俺に染み込んだ 時代遅れの感覚
故郷の安らぎ 
そして俺の家へと続く道…

Down at the mill
they've got a new machine
Foreman says 
it cuts manpower by fifteen
"Oh, but that ain't natural" 
old man Grayson says
'cause he's a horse-drawn man 
until his dying days

製粉工場には
新しい機械が導入されたんだ
親方が言う
15人分の仕事は節約できるってさ
"ああ でもそいつぁ不自然じゃねえか"
グレイソンじいさんが言う
じいさんは死ぬまで
馬の手綱を引くような男だからさ

And it's good old country comforts in my bones
Just the sweetest sound my ears have ever known

心地のいい故郷の安らぎが
俺の骨まで染み込んでる
耳に響くのは お馴染みの最高の響き

Just an old fashioned feeling in my bones
Country comforts 
and the road that's going home

俺に染み込んだ 時代遅れの感覚
故郷の安らぎ 
そして僕の家へと続く道…

(Words and Idioms)
roar down=どなって〈人の〉声を消してしまう 
creek=入り江
barn=(農家の)納屋,物置;
mill=製粉所
foreman=親方,職工長,職長.

日本語訳 by 音時


R-3917763-1523212653-4164.jpeg

◆"Country Comfort"=田舎の安らぎ、故郷の安らぎ…ほんとにそんなことを歌った歌詞ですよね。

1番は田舎町の全体状況!? 
"the 6:09"は朝6時9分発の列車に毎日乗って仕事に行く男たち?毎朝の風景かな。
2番は店で会ったおばあちゃん。おじいちゃんは先に天国に旅立って、育てた息子は都会に行っちゃったのかな。
3番は工場もオートメーション化の波が押し寄せてきてるけど、故郷にはまだ生き方にこだわってる男たちがいるんだ…っていうところでしょうか。「田舎、故郷の安らぎ」がホッとするような曲ですね。

僕がロッドのこの曲を聴いたのは、オリジナルアルバムの「ガソリン・アレイ」ではなく、マーキュリー時代のロッドの曲を集めた"Sing It Again, Rod"のLPレコード。このレコードはジャケットがウイスキーグラスの形をしていて(四隅がカットされている形)なかなかオシャレでした。


51lL3UHlooL


◆ロッドの"Country Comfort"が、ボーカリストとしてのロッドの魅力がたっぷり聴ける曲であるのにたいして、エルトンのものは"吟遊詩人の歌う"曲です。

淡々と歌うなかで田舎の田園風景が目の前に見えるようです。レコードになったのはロッドの方が先で、エルトンは1973年のアルバム「Tumbleweed Connection(エルトン・ジョン3)」でセルフカバーをした形となっています。「故郷は心の慰め」という邦題もついています。

71KiO5j+NUL._AC_SX425_

また、歌詞もちょっとずつ違っているのに加えて、エルトンの「Country Comfort」はロッドでは省略された、4番もあります。田園風景のなかで動物たちも生きているし、ロッキングチェアの「音」が聞こえ、たいまつの「色」も遠くに揺れている風景がうかがえます。名曲だなあ。

Now the old fat goose 
is flying 'cross the sticks
The hedgehog's done in clay between the bricks
And the rocking chair's creaking on the porch
Across the valley 
moves the herdsman with his torch

年老いた太ったガチョウは
木の枝を横切って飛んでいる
ハリネズミはレンガの間に
赤土で巣を作るんだ
ベランダのロッキングチェアは
音をキーキー立てている
谷間を横切り
牧場の男のたいまつが揺れてるよ


◆このライヴは知らなかった~!ロッドとエルトンが"Country Comforts"で共演です。



◆こちらエルトンの"Contry Comforts"、邦題は「故郷は心の慰め」です。



◆ロッドとエルトンの対談!? 1983年のものです。




◆二人の共演!ロッドのアルバム"Smiler"からエルトンの作品"Let Me Be In Your Car"。陽気なロックンロール・ナンバーです。