ヤズーの"Only You"。この曲はラジオ番組「全米トップ40」の兄弟番組「全英トップ20」で聴いた曲です。
最初は"Only You"っていうタイトルのみ知った曲でしたので、スタイリスティックスの名曲"Only You"のカバーかな?と思ったのですがラジオから流れてくる曲は別曲で、明るい、シンプルで覚えやすい感じの曲でした。
◆ヤズーは男1名・女1名のデュオ。Vince Clarke(ヴィンス・クラーク)とAlison Moyet(アリソン・モイエ)の二人で、1981年イギリスのエセックスで結成されたグループ。ヴィンスはデペッシュ・モードに在籍していましたが脱退。"Only You"はデペッシュ・モード在籍中に作られた歌です。
ヴィンスとアリソンの出会いとデュオ結成に至る経過がWikipediaに出ていました。
2人は同じ町で育ち、11歳のときに同じ土曜日の音楽学校に通っていたにもかかわらず、お互いをよく知らず、お互いに話したことはなかったようです。ヴィンスは、彼の親友がアリソンが組んでいたパンクバンドにいたので、アリソンがライブで歌うのを何回か観ていて、彼女の声の能力に気づいて、"Only You"を歌わせるのは彼女しかいない!と思ったようです。
◆"Yazoo"という名前はブルースのスペシャリストレコードレーベル"Yazoo Records"に由来しているとのこと。ただし、Yazooという名前がすでに小さなアメリカのロックバンドによって使用されていたという事実と相まって、彼らは米国では"ヤズ"に改名してのリリースとなりました。
アリソン・モイエが1984年にソロに転向し、デュオは解散。"ヤズーの活動期間はわずか2年というものでした。それでも二人のリリースした作品はなかなか記憶に残るものでした。またアリソンは全英で多くのトップ10ヒットを出して成功しましたね。
◆ヤズーの"Only You"に話を戻します。
出だしの歌詞の"it's like a story of love"。何かの恋愛小説みたいね、ってことなのですが、主人公は"高い窓から見下ろす"ということなので、「ロメオとジュリエッ」の「ああ、ロメオ、ロメオ、どうしてあなたはロメオなの?」の有名なセリフで知られるバルコニーのシーンを連想しました。
そしてこの悲劇の最後はどうなるんだっけ…と想い出すと、やっぱりこの曲で歌われている恋は...実らないんだろう、とちょっと寂しいイメージが浮かんできます(-"-)。
明るいけどもの淋しい、そんな意味でロマンティックな曲だなあとたまに聴きたくなる曲でもあります。
Writer/s: Vince Clarke
Publisher: Sony/ATV Music Publishing LLC, BMG Rights Management
Released in 1982
UK Single Charts#2
US Billboard Hot100#67
From The Album“Upstairs at Eric's”
:原詞は太字
Looking from a window above
it's like a story of love
Can you hear me
Came back only yesterday
I'm moving further away
Want you near me
高い窓から見おろすの
まるで恋愛小説みたいだわ
私の声が聞こえるかしら
帰ってきたのはつい昨日のことなのに
私はもうこんなに遠くにきちゃってる
あなたにそばにいてほしいのに
All I needed was the love you gave
All I needed for another day
And all I ever knew
Only you
ほしかったのはあなたの愛だけ
もう一日だけでよかったのに
私がわかってたただ一つのこと
それは あなただけ ってこと
Sometimes when I think of her name
when it's only a game
And I need you
Listen to the words that you say
it's getting harder to stay
When I see you
ときどきあの娘のことを考えるわ
それがただのゲームだってわかってても
私にはあなたが必要なの
あなたの話すことを聞いてると
とても辛くなってくる
目の前にあなたがいるっていうのに
All I needed was the love you gave
All I needed for another day
And all I ever knew
Only you
あなたの愛がほしいだけなのに
もう一日って高望みなのかしら
私がわかってるただ一つのこと
それは あなただけ ってこと
This is going to take a long time
and I wonder what's mine
Can't take no more
Wonder if you'll understand
it's just the touch of your hand
Behind a closed door
これからまだ時間がかかりそうだわ
私の手に入れたものって何なのかしら
もう我慢できないの
あなたはわかってくれるのかしら
閉ざされたドアの向こうにいる
あなたの手にふれることができたらな…
All I needed was the love you gave
All I needed for another day
And all I ever knew
Only you
あなたからの愛が欲しかった
もう一日だけでも欲しかった
ただ一つ確かなこと
それは
あなただけ ってこと…
日本語訳 by 音時
◆フライング・ピケッツ(The Flying Pickets)による同曲のアカペラによるカバーは、1983年のクリスマスシーズンに全英チャートで1位を獲得しました。モミアゲすごいな。
◆こちらはダンス・ディスコチャートでもヒットしました"Don't Go"。このイントロは忘れられないですね。
コメント
コメント一覧 (10)
勝手に、男性が昔好きだった女性を想う歌だと解釈しておりました・・・
Sometimes when I think of her name
when it's only a game
ここの彼女は、さらに違う誰かなんですね。
複雑な状況の歌だと知って驚きました。
musicaさんのmusic lifeがより楽しくなるよう!引き続きがんばりまーす!
映画の中でこの「オンリー ユー」が歌われていました。曲は知っていましたがヤズーというデュオが歌っていたこと、音時さんのこのページで知りました。他にも何曲かポップな口ずさみたくなる曲が歌われてました。「タイム・アフター・タイム」、「ドント・ゴー・ブレイキング・マイ・ハート」、etc.…
音時さんのブログに出会えてから観劇、映画鑑賞がより楽しくなりました。
ありがとうございます。
とはいえ、アリソン・モイエがヤズーで歌っていたのを知ったのは彼女がソロになってからのことですが・・・。
アリソン・モイエのソロでのヒット「Invisible」が好きです。
アルバムも買いました。