この曲のPVは2種類あるんですね!

上がUS、下がUKバージョンで、UK]バージョンが先にバングルスのヨーロッパツアーの時に録られたものです。その後、上のUSバージョンが全米プロモーションの際に作られ、キスシーンもあるこのビデオは、なんとスザンナのお母さま=Tamar Simon Hoffsがビデオの監督(もともと映画監督)をしているそうですよ(^▽^;)。

◆アルバム「Different Light」は邦題「シルバースクリーンの妖精」!ここからの1stシングル"マニック・マンデー"と、3rdシングル"エジプシャン"が大ヒットとなりました。でも僕はチャート成績は平凡な全米29位で終わった、2ndシングル"ホワット・シー・ウォンツ"は結構気に入っておりました。

メインを歌うスザンナと、他メンバーのコーラスの掛け合いが楽しく、ポップで聴きやすいですよ。

Differnt li


◆この曲の作者は男性"Jules Shear"(ジュールズ・シアー)。シンディ・ローパーの"All Through The Night"に続いて、ジュールズの書いた作品がそこそこのヒットとなり、ソングライターとして彼の名前は広がりました。
 もともとは自分の曲として書かれたもので、ジュールズのアルバム「The Eternal Return」(1985)に収録されています。



 この曲のSongfactsに書かれていたジュールズのインタビューによると、彼は他のアーティストへのソングライティングを好んでしているわけではないようですね。

僕の他の作品を見せてほしいと電話が来始めたんだ。幸運にも電話は僕のマネージャーが対応して、彼が曲を送ったりしてくれたから僕は知らないんだ。突然売れてしまったのさ。僕は自分のアルバム制作でいっぱいで何が影響したかわからないのさ。僕はアルバムを完成させたし、自分の作品がどんな感じになるのかしか興味がないんだ。

んー、これはマネージャーというか彼の所属レーベルがマネージメントに長けていたってことなのかな?彼本人の作品で売るよりも、彼の作品を当時売れ始めた女性アーティストに歌わせて、ソングライターとしてまずは名前を知ってもらう作戦、ってことだったのでしょうか(^▽^;)
 

If She Knew

Songwriter(s) Jules Shear

Released in 1986
US Billboard Hot100#29
From The Album“Different Light(シルバースクリーンの妖精)”

:原詞は太字

If she knew what she wants
(He'd be giving it to her)
If she knew what she needs
(He could give her that too)
If she knew what she wants
(But he can't see through her)
If she knew what she wants
He'd be giving it to her
Giving it to her

あの娘が自分の欲しいものを知ってたら
(彼はあの娘にあげてたはずよ)
あの娘が自分に必要なものがわかってたら
(彼はそれもあの娘にあげてたわ)
あの娘が自分の欲しいものを知ってたら
(でも彼は彼女の心を見通せなかった)
あの娘が自分のほしいものがわかってたら
彼はあの娘にあげていたはず
あげていたはずよ…


But she wants everything
(He can pretend to give her everything)
Or there's nothing she wants
(She don't want to sort it out)
He's crazy for this girl
(But she don't know what she's looking for)
If she knew what she wants
He'd be giving it to her
Giving it to her

だけどあの娘はすべてを欲しがったり
(彼はすべてをあげるふりをする)
さもなきゃ欲しいものはないって言うの
(白黒つけるのが嫌なのよ)
彼はあの娘に夢中なのに
(でもあの娘は自分が求めるものがわからない)
もしもあの娘がわかっていたのなら
彼は何でもあげられたのに
あげられたはずなのに...


I'd say her values are corrupted
But she's open to change
Then one day she's satisfied
And the next I'll find her crying
And it's nothing she can explain

そんなダラシないのがあの娘の魅力なのよ
でもあの娘は気分が変わりやすいの
あるとき満ち足りた気分でも
次の時には泣いたりしてる
あの娘自身も理由を話せないの…


If she knew what she wants
(He'd be giving it to her)
If she knew what she needs
(He could give her that too)
If she knew what she wants
(But he can't see through her)
If she knew what she wants
He'd be giving it to her
Giving it to her (giving it to her)

あの娘が自分の欲しいものを知ってたら
(彼はあの娘にあげてたはずよ)
あの娘が自分に必要なものがわかってたら
(彼はそれもあの娘にあげてたわ)
あの娘が自分の欲しいものを知ってたら
(でも彼は彼女の心を見通せなかった)
あの娘が自分のほしいものがわかってたら
彼はあの娘にあげていたはず
きっとそうよ…


Some have a style
That they work hard to refine
So they walk a crooked line

But she won't understand
Why anyone would have to try
To walk a line when they could fly

よりよいものにしようと頑張る人たち
そういう生き方をする人たちもいる
そして敢えて 曲がった道を歩いていくの

だけどあの娘には理解できないの
どうしてそんな人たちがいるのか
飛ぶことができても道を歩こうとする人たち…

No sense thinking I could rehabilitate her
When she's fine, fine, fine
She's got so many ideas traveling around in her head
She doesn't need nothing from mine

あの娘をフツーに戻そうと考えたって意味がない
あの娘はあれでいいの そうなのよ
頭のなかで色んなアイデアを駆け巡らせてるあの娘
私が面倒みる必要なんてないんだから...

If she knew what she wants
(He'd be giving it to her)
If she knew what she needs
(He'd be givin' it too)
If she knew what she wants
(But he can't see through her)
If she knew what she wants
He'd be giving it to her
Giving it to her

あの娘が自分の欲しいものを知ってたら
(彼はあの娘にあげてたはずよ)
あの娘が自分に必要なものがわかってたら
(彼はそれもあの娘にあげてたわ)
あの娘が自分の欲しいものを知ってたら
(でも彼は彼女の心を見通せなかった)
あの娘が自分のほしいものがわかってたら
彼はあの娘にあげていたはず
きっとそうよ…

But she wants everything
(He can pretend to give her everything)
Or there's nothing she wants
(She don't want to sort it out)
He's crazy for this girl
(But she don't know what she's looking for)
If she knew what she wants
He'd be giving it to her
Giving it to her

ぜんぶちょうだいって言ったり
何も欲しいものがないって言ったり
自分の気持ちを整理するつもりがないの

彼はあの娘に夢中なのに
あの娘は自分が探してるものがわからない
それに気が付いていたら
二人はうまくいってたんじゃない…?

(He'd be giving it to her)
(He could give her that too)
(But he can't see through her)
Ooooooh, giving it to her
Giving it to her now

欲しいものが何なのか
自分の気持ちがわからなきゃダメ
彼も気持ちをあの娘に返して
二人はうまくいってたはずなのに…


(Words and Idioms)
sort out=(…を)分類する、解決する
corrupt=堕落した、邪悪な、間違いの多い
open to=《be ~》〔批判・非難などを〕受けやすい
refine=~から不純物を除く、~に磨きをかける、機械などを〕改良[改善]する
crooked=湾曲した、曲がっている、屈曲した、
rehabilitate=〔悪くなった~を〕元の状態に戻す[回復させる

日本語訳 by 音時

If she wants what she wants


◆このブログでこれまで取り上げてきたバングルスの楽曲の和訳記事はこちらです。


◆この曲の物語は…なんなんでしょうね。「あの娘(she)」と「彼(he)」のことを歌った歌詞で、2人は破局しちゃったのでしょうか。「あの娘が自分のほしいものがわかっていれば、彼はそれをあげられたはずなのに」…。うん、こういう女性、いたような気がする…(^▽^;)←ほんとか?

男性であるジュールズのオリジナルでは、客観的な第三者のスタンスで、今風の恋愛?を歌った曲であったかもしれませんね。でも、バングルスは同じ女性で「彼女の場合は…」と歌っているとちょっと解釈がいろいろ出てきそうです。

 最初は女友だちに同性として恋愛のアドバイスをしているのかなと思っていたのですが、モノトーンのUS作成ビデオのなかで、この曲のメインを歌ってるスザンナが男性といちゃいているのを見ると、ちょっと解釈が違ってきました(^▽^;)。
 なんかこの場面を観ていたら、これからうまくやっていこうとする相手に、自分の友だちが彼氏と別れた例を出して「あの娘は自分のほしいものがわからなかったから、うまくいかなかったのよ。でも私は自分の欲しいものがわかってる。そしてあなたもそのことを知ってるわよね。だから私たち、やっていけるはずよ…!」と話しているのかな、と思えて…。そういう解釈で意訳をしています。


◆楽器を持たずに4人並んで歌います(^▽^;)。バングルスは"アイドル扱い"だったもんな。



◆メインとコーラスの掛け合い。この曲、ビートルズのこの曲に似てると思うんだけどな。友だちに恋のアドバイスをする歌詞も…!