このブログでこれまで取り上げてきたABBAの曲の和訳記事はこちらです。

 全盛期のアバで男性のビヨルンがリードボーカルをとったシングルってほかにあったかな?
でもこの曲"Does Your Mother Know"はやっぱ男性が主人公でアグネタとフリーダがバッキングボーカル(豪華!)という構成がいいね!


 全米では最高位19位に終わってしまい、アバとしては不発な感じでしたが、元気でコミカルなこの曲は全体のアルバムのなかではアクセントにもなっている曲で、映画「マンマ・ミーア」でも楽しい場面を演出していましたね。

350x350Mamma Mia


◆"Does Your Mother Know"の当初のタイトルは"I Can Do It"だったとのこと、こちらも歌詞に出てきますね。
"そりゃあ、僕もきみと一緒にダンスだってできる(I Can Do It)けど、きみはまだ子どもじゃないか。お母さんはこのこと知ってるの?(Does Your Mother Know)。女の子と一緒に楽しんでもいいけれど、"お母さんは知ってるのかな?"と自問自答してる主人公。その自問自答が頭のなかで何度も囁きます。


この"Does Your Mother Know"のフレーズを2人の女性ボーカルが脇でコーラスするんですね。
ハイ、この主人公も未成年に対して悪いことはせず(笑)、お嬢ちゃんとひとしきり楽しんで、お家にでも送り届けてあげるんでしょう!歌詞にそんな顛末はないが...(^▽^;)



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(Written by Benny Andersson and Björn Ulvaeus)


Released in 1979
US Billboard Hot100#19
From The Album“Voulez-Vous”

:原詞は太字

You're so hot, teasing me
So you're blue
but I can't take a chance
on a chick like you
That's something I couldn't do


きみはとても情熱的で
僕のことをからかうのさ
そう きみは憂うつなんだ
でも 僕はきみのようなヒヨコちゃんに
運を任せたりはできないよ
僕にはできないものがあるんだ

There's that look in your eyes
I can read in your face
that your feelings are driving you wild
Ah, but girl you're only a child


きみの瞳のなかに映ってるよ
きみの表情でわかるんだ
きみは感情が高ぶって興奮してるってね
ああ でも きみはまだ子どもなのさ


Well I can dance with you honey
If you think it's funny
Does your mother know that you're out?

And I can chat with you baby
Flirt a little maybe
Does your mother know that you're out?



もしきみがそんなのおかしいって言うんなら
僕はきみとダンスだってできるさ
でもきみのママは
きみが外出してるのを知ってるの?
きみとおしゃべりだってできる
ちょっぴりいちゃつくことだってね
でもきみのママは
きみが出かけてるのを知ってるの?


Take it easy (take it easy)
Better slow down girl
That's no way to go
Does your mother know?



あせらずに(気楽な感じで)
ゆっくり行こうよ ねえ
ほかに方法はないからね
(ママは知ってるの?)


Take it easy (take it easy)
Try to cool it girl
Take it nice and slow
Does your mother know?



あせらずに(気楽な感じで)
ゆっくり行こうよ ねえ
クールに努めるのさ
とてもゆっくりなスピードで
(ママは知ってるの?)


I can see what you want
But you seem pretty young
to be searching for that kind of fun
So maybe I'm not the one



きみの望みはわかってる
でもそんな楽しみを探すのに
きみはまだ子どもなんだよ
そう 僕はたぶん
きみの大切な恋人じゃないのさ


Now you're so cute,
I like your style
And I know what you mean
when you give me a flash of that smile (smile)
But girl you're only a child


そう きみはとても可愛いし
僕はきみを気に入ってる
きみがその微笑みをチラッとくれたとき
きみの意図することがわかったよ
でもね きみはまだ小さい子どもなのさ


Well I can dance with you honey
If you think it's funny
Does your mother know that you're out?

And I can chat with you baby
Flirt a little maybe
Does your mother know that you're out?



もしきみがおかしいって思うなら
僕はきみとダンスだってできるさ
でもきみはママに言って出てきてる?
僕はきみとおしゃべりだってできる
ちょっぴりいちゃつくことだってね
でもきみはママに言って出てきてる?


Take it easy (take it easy)
Better slow down girl
That's no way to go
Does your mother know?

Take it easy (take it easy)
Try to cool it girl
Take it nice and slow
Does your mother know?



あせらずに(気楽な感じで)
ゆっくり行こうよ ねえ
ほかに方法はないんだよ
(ママは知ってるの?)
あせらずに(気楽な感じで)
ゆっくり行こうよ ねえ
クールに努めるのさ
とてもゆっくりなスピードで
(ママは知ってるの?)


Well I can dance with you honey
If you think it's funny
Does your mother know that you're out?
And I can chat with you baby
Flirt a little maybe
Does your mother know that you're out?

Well I can dance with you honey
If you think it's funny
Does your mother know that you're out?
And I can chat with you baby
Flirt a little maybe
Does your mother know that you're out?...



そうさ僕はダンスだってできる
きみとおしゃべりしたり
いちゃついたりもできるけど
きみはママに出かけるって言ってきてるのかい?…

(Words and Idioms)
take a chance on=…に賭けてみる, 運を任せる
flirt=恋をもてあそぶ.〔異性と〕ふざける,いちゃつく


日本語訳 by 音時

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◆当時「The Album」を大ヒットさせたアバでしたが、リリース後わずか3カ月後にはスタジオに入って、次のアルバム(ヴーレ・ヴ―)の作成に入りました。当時の音楽界はディスコが大流行、アバもディスコ音楽を取り入れて、全体的にリズムを強調したダンサブルなサウンドとなっていきました。


 アルバムの発売の前、進行中のレコーディングセッションからシングルが発売されていきます。まず「サマー・ナイト・シティ」。この曲は最終的にはアルバムに収録されませんでした。次に「イン・ジ・アームス・オブ・ロザリタ」。この曲はシングルになるときに「チキチータ」にタイトルが変更(歌詞も変えてレコーディングもやり直し)。みなさんご存じのとおり、大ヒットした曲ですね。1979年は国際児童年ということもあり「チキチータ」の売り上げはユニセフに寄付されることになりました。

 4人のグループ(男女2人ずつのカップル)にも様々な変化がありました。「サマー・ナイト・シティ」のリリース直後、ベニーとフリーダはひそかに結婚、その一方で1979年「チキチータ」リリース後、ビヨルンとアグネタは離婚...。こんなことも今後、彼らの作品のテーマに影響していくことになるんですね。


◆先日本屋さんで見つけた「バンド臨終図鑑 ビートルズからSMAPまで」(文春文庫)の"ABBA"のページ(P.137)には次のように書かれていました。


 この離婚はグループにとって大きな打撃になったことは想像に難くないが、グループは存続し、過酷なツアーも4人でこなし、これ以降もヒットを産み続けた。むしろアバの音楽性はこの辺から成熟へと突き進んだ。「ダンシング・クイーン」のようなキラキラとしたディスコチューンはなくなり、メランコリックなアレンジの曲が増えた。また、歌詞も男女の離別や旧ソ連の体制について歌われたもの、そして子離れについて歌ったものなど幅が広がっている…

アバの後期~終盤の名曲の数々...心に染み入る感じなのは、やっぱりメンバー達の経験や成長が反映された作品が作られているからなんだよな。

◆この動画は珍しいな。Vocalを取るビヨルンが女性に囲まれて真ん中だ。



◆アルバムタイトル曲"ヴ―レ・ヴ―"。当時はウルサい!って思ってキライだったなぁ(^▽^;)。今は"情熱的な感じ、いいじゃん!?"。バックのサウンドは当時「Get Off」を大ヒットさせたディスコグループ"フォクシー"が務めたんだって。この話は知らなかった。



(この曲を購入)
ヴーレ・ヴー+3(紙ジャケット仕様) Limited Edition
アバのCDセット(Original Album Classics)出ないかな~。絶対買うんだけどな~。

(この本を参考にしました)
「やっぱりABBA!(教歌舎)」

(この本を購入)
バンド臨終図巻 ビートルズからSMAPまで (文春文庫) 文庫
速水 健朗 (著), 円堂 都司昭 (著), 栗原 裕一郎 (著), 大山 くまお (著), 成松 哲 (著)


国内・海外のバンドの解散劇を「概要」ではありますが、多く掲載(191ものバンド)しています。
鵜呑みはよくないかと思うけど、若い人のロック入門の本としてもいいかもしれない。
そして何よりも僕のブログには便利だな(^▽^;)。