アルバム「華麗なるレース」のA面4曲目のこの曲もフレディ、そしてクイーンサウンドの真骨頂!とも言えますね。
 フレディのボーカルも変幻自在、ブライアンのギター・オーケストレーションも聴きどころです。いわゆる"ロック・バンド"の"ロック"じゃない。一つのジャンルに当てはめることのできない、まさにクイーンでしかない曲と言えます。

◆歌詞は見ていただくと、季節は冬が終わり、草木が芽吹く春に…恋の季節! 幸せなまわりの恋人たちを見て、主人公はあの頃の自分たちを想い出します…。帰ってきてほしい…!

「億万長者(ミリオネア)」とは、お金というより"愛があふれるほどあった"状態のことを歌っている感じですよね。

◆出だしの歌詞"Bring out the charge of the love brigade"ですが、これは有名なフレーズをフレディがパロったようですね。

それは、1954年のクリミア戦争の「バラクラヴァの戦い」で勇敢に戦った"軽騎兵隊の突撃"が"The Charge of the Light Brigade"と呼ばれるもので、この様子は、詩になったり、映画にもなったりしたそうです。

解説)ウィキペディア
(詩)アルフレッド・テニスン「軽騎兵隊の突撃」 原詞  訳詞
(映画)1968年 英国「遥かなる戦場」(The Charge of the Light Brigade)

フレディが"light"を"love"に代えて歌詞にしました。"軽騎兵隊の突撃"を"愛の騎兵団の突撃"!ですか。寒い冬には部屋のなかにいた恋人たちが、暖かい春になって、一斉に外に出てデートをするのでしょうか!そんな様子を歌詞にしたのかなと思いました!




(Mercury)

Released in 1976
From The Album“A Night At the races”

:原詞は太字

Bring out the charge of the love brigade
There is spring in the air once again
Drink to the sound of the song parade
There is music and love everywhere

Give a little love to me (I want it)
Take a little love from me
I wanna share it with you

恋人たちよ 飛び出しておいで
また春の息吹がやってきたのさ
乾杯しよう 流れてくる楽団のサウンドに
音楽と愛があちもこちにあふれてる

愛をちょっぴりおくれ(欲しいのさ)
僕からも愛を持っていっていいんだよ
きみとあふれる愛を分かちあいたいんだ

I feel like a millionaire

まるで億万長者になった気分さ

Once we were mad, we were happy
We spent all our days
Holding hands together
Do you remember, my love?
How we danced and played
In the rain we laid
How we wish that we could stay there
Forever and ever

あの頃の僕たちは
おかしかったけど幸せだった
毎日 互いに手を取って暮らしてた
きみ 覚えてるかい ねえきみ?
どんなに踊ってはしゃいでいたか
雨のなか 愛し合ったよね
ふたりあのままそこにいたかった
永遠にずっと…

Now I am sad, you are so far away
I sit counting the hours day by day
Come back to me
How I long for your love
Come back to me
Be happy like we used to be

いま悲しいんだ きみは遠くかなたへ
毎日座って 時を数えて過ごしてる僕
帰ってきてよ僕の元へ
きみの愛が欲しくてたまらない
僕の元に戻っておくれ
あの頃のように幸せになろうよ...

Come back, come back to me
Come back, come back to me

Oh come back to me, oh my love
How I long for your love
Won't you come back to me, yeah

戻ってよ 僕の元に還ってきて
戻ってよ 僕の元に還ってきて

ああ お願いさ ねえきみ
きみの愛が欲しくてたまらない
お願いだから 戻ってきてよ


My fine friend, take me with you
And love me forever
My fine friend, forever
 (forever)

ステキな恋人よ 僕を連れて行って
僕を愛しておくれ 永遠にね
お願いさ すてきなきみ 永遠だよ
(愛は永遠)

Bring out the charge of the love brigade
There is spring in the air once again
Drink to the sound of the song parade
There is music and love everywhere

Give a little love to me (I want it)
Take a little love from me
I wanna share it with you

春だ 恋人たちよ 飛び出しておいで
そこらじゅうに春の息吹があふれる季節さ
乾杯さ 楽団のサウンドに合わせて
音楽と愛があちもこちにあふれてる

愛をちょっぴりおくれよ(欲しいんだ)
僕からも愛をちょっぴりあげるから
きみとあふれる愛を分かちあいたいのさ

Come back, come back to me

ああ戻ってきてよ 僕のもとに

You make me feel like a millionaire

きみといると
僕は愛の億万長者になった気分になれるんだ

(Words and Idioms)
bring out=外に出す、連れ出す、〔花を〕開かせる
charge=突進、攻撃、突撃
brigade=《軍事》旅団
drink to ~を祝って乾杯する
laid=〈米俗〉〔男女がベッドで〕寝て、セックスをして

日本語訳 by 音時

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◆ただし僕が持っている「全曲解説シリーズ クイーン」(シンコー・ミュージック)によると、この曲は「クイーンのマネージャー"ジョン・リード"からインスピレーションを得たもの」らしいですよ。

僕のブログでも"Death on two legs"の記事にも書きましたが、クイーンとマネージメント会社との関係ではいろいろありました。"オペラ座の夜"の頃はトライデント社のノーマン・シェフィールドとは別れ、新たにジョン・リードがマネージメントを執ることになりました。

ただしジョン・リードはエルトン・ジョンとのマネージャーを兼任したままだったようで多忙のため、レコーディングからわずか18カ月でマネージメントは解消となります。

◆このジョン・リードですが、映画「ボヘミアン・ラプソディ」でもエルトンの映画「ロケット・マン」にも出てきます。かつてエルトンとは"恋人"であった人物ですね。

うーむ、フレディはトライデント社と別れて、ジョンと契約し、その幸せをこの曲にした?ということのようですが、それはバンドのマネージメントのことだけじゃなかったのかな?なんて思ってしまったりもします(^▽^;)。まあ、これ以上のかんぐりはやめておきましょう!

『ボヘミアン・ラプソディ』にも登場したジョン・リードは何者?【『ロケットマン』トリビアクイズvol.4】(Vogue

◆こちら1977年のライブから。フレディはステージで大忙しの曲ですね!