怪しげなホテル…!

ホテルマンだったら笑顔で爽やかに対応すべきところ…。
ブロードウェイ・ホテルはどこにあるのかな?まさか中野ではあるまい(解説:東京の中野にブロードウェイ商店街があります)。

・目に涙をためておかしなことを言う。
・"眺めのいい部屋を"と頼んでいるのに、自分の靴を見てお客を見ない。
・ルームサービスもトレイを片付けるときにへんなことを言う…。

主人公も夜にホテルに隠れているうちに…このブロードウェイ・ホテルを自分の家にしてしまった…。

◆"Broadway Hotel"はアルバム「Year Of The Cat」収録で、シングル"Year Of The Cat"のB面。アルバムの日本語ライナーノーツで矢口清治さんも書いてますが、このおかしなホテルは、イーグルスの"ホテル・カリフォルニア"の歌詞に登場するホテルマンを想像してしまいます。
 "ホテル・カリフォルニアへようこそ。とてもいいところです。"
 "私たちは自ら望んだ囚人なのです"
 "お好きなときにチェックアウトできますが、出て行くことはできません…!"

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(Al Stewart)

Released in 1978
From The Album"Year Of The Cat"

:原詞は太字

You told the man in the Broadway Hotel
Nothing was stranger than being yourself
And he replied, with a tear in his eye

ブロードウェイ・ホテルの男に言ったんだ
"自分自身でやることほど奇妙なことはない"
彼は目に涙を浮かべてこう答えた

Love was a rollaway
Just a cajole away
Mist on a summer's day
Nothing was clear

Love was a smile away
Just a defile away
I sought it every way
No-one came near

"愛は折り畳みベッド
ただの「おだて」でしかない
夏の日に出る霧のようなもの
はっきりしたものなど何もない

愛は笑顔の向こう
そこらあたりを汚すだけ
あらゆる場所を探したけど
誰も近くには来なかったんだ"

You asked the man for a room with a view
Nothing was said as he stared at his shoe
Then he replied as he gave you the key

男に眺めのいい部屋を頼んだ
彼は自分の靴を見つめ何も言わなかった
そして鍵を渡すときにこう答えたんだ

Love was a rollaway
Just an unfold away
That's all there is to say
No-one came near

"愛は折り畳みベッド
広げて運ばれるだけ
言うべきことはそれだけさ
誰も近くには来なかった"

Alone in your room you hide
As the night rolls by
In the street outside
And you feel over the words he said
Till they turn to rain 
all around your head

部屋に一人きりで隠れてるきみ
外の通りでは夜が深まっていく
彼の言った言葉を噛みしめる
その言葉はやがて雨となり
きみの頭のまわりに降り注ぐ…

You're seeking a hideaway
Where the light of day
Doesn't touch your face
And a door-sign keeps the world away
Behind the shades
Of your silent day.

きみは隠れ家を探してる
陽の光が
きみの顔を照らし出さない場所をね
ドアにつけたサインが
まわりを寄せ付けないでいてくれる
きみの静かな一日の影のうしろ…

You made your home in the Broadway Hotel
Room service came at the push of a bell
And the man said as he put down the tray

きみはブロードウェイ・ホテルに
住み着くようになった
ベルを押せばルームサービスもやってくる
男はトレイを片付けながら言うんだ

Love was a stealaway
Just a reveal away
I tried to find a way
Nothing was clear

Then as he turned away
You asked the man to stay
He was there all the day
No-one came near

"愛は折り畳みベッド
ただの「おだて」でしかない
夏の日に出る霧のようなもの
はっきりしたものなど何もない

愛は笑顔の向こう
そこらあたりを汚すだけ
あらゆる場所を探したけど
誰も近くには来なかったんだ"


(Words and Idioms)
Rollaway=ローラー付きのベッド
cajole=なだめすかし、おだて
defile=よごす,不潔にする
sought=seekの過去形
unfold =〔折り畳まれた物が〕開く、広がる
 
日本語訳 by 音時

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◆「愛は折り畳みベット」ってどういう意味かなあ。「ただの"おだて"」ってどういうことかな。2nd verseの部屋を取ってくれたホテルマンによると「ただ広げたまま運ばれる」と歌っているので、折り畳みである機能が生かされてませんな。

 相手のオーダーに応じて、畳んだり、広げたりできるベッド。愛もそんなものだけど、それは「おだて」でしかなくて、機能的にいろいろあったって広げたままの人もいたりする。そんなに上手くいかないものなんだ…ってそういうことかな。

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◆アルバム「Year Of The Cat」は、主人公が世界各国を旅してるみたいです。歌詞だけじゃなくサウンド面でもいろんな演奏が楽しめます。世界を旅した主人公は最後に(ラスト曲)"Year Of The Cat"の世界に入り込んでいきます…。

    不思議な別世界から彼は出られるのでしょうか…。(「世にも奇妙な物語」のタモリさん風に)

◆Al Stewart Live at the Royal Albert Hall - Broadway Hotel