これまで取り上げてきたビリーの曲の和訳記事はこちらです。
アルバム「ニューヨーク物語(Turnstiles)」からエレピとサックスの音色が美しく、もの淋しい“ジェイムズ(James)”。僕はこの曲が大好きです。日本人の情緒に訴える曲だから?かな。
“旅に出る”ことを選んだ“僕”はビリーでしょうか?幼馴染のジェイムズは勉強を続け学問の道を選びました。
でも…この友達関係はどうでしょうか?この曲には一度もジェイムズの言葉が出てこないのでわかりませんが、学問の道を進んだジェイムズに対して、“自分の人生が好きか?”とか“きみがやってきたのは(自分のためじゃなく)一家の誇りを守るためだろ”とか「なにを上から目線なん?そりゃアンタの“決めつけ”じゃないの?」と思いませんか?
「ちょっと、ジェイムズからもなんか言ってやれよ」と間に入ってやりたいですね(笑)。
★このジェイムズにはモデルはいるのでしょうか?
一つの話として、次の動画があります。これはビリーがHobart and William Smith Collegesを訪問した際にひとりの生徒が
「あなたの曲の“James”ですが誰か実在する友達がいたんですか?」という質問にビリーが答えます。
僕のヒヤリング力ではビリーの話がすべてはわかりません。でも質問には正面から答えずに、“フレッド”って名前も変だろ?とか、“ボブ”って名前だったらハリケーンみたいに思わない?とか冗談ばかり言いながら“James”の一部を弾き語り、後半はなぜか?ストーンズのキース・リチャードのおかしな話。
うーむ、どうなんでしょうかね。とりあえず歌詞・日本語訳を先に…。
Songwriters JOEL, BILLY
Lyrics c Universal Music Publishing Group
Released in 1976
From The Album“Turnstiles”
:原詞は太字
James...
we were always friends,
From our childhood days
And we made our plans,
And we had to go our seperate ways.
I went on the road-
You pursued an education.
ジェイムズ…
僕たちは友達だった
子どものときからずっとね
将来のことを話し合い
別々な道を歩くことになったんだ
僕は旅に出て
きみは学問を続けることにしたね
James...
do you like your life,
Can you find release,
And will you ever change-
Will you ever write your masterpiece.
Are you still in school-
Living up to expectations...James...
ジェイムズ…
自分の人生を気に入ってる?
気持ちが安らぐことはある?
これからもずっと変わらない?
これからも傑作を書くんだね?
研究をまだ続けてるんだ
みんなの期待を背負って生きてんだね
…ジェイムズ…
You were so relied upon,
everybody knows how hard you tried-
Hey...just look at what a job you've done,
Carrying the weight of family pride.
きみは沢山の信頼を受けてたよ
誰だってきみが頑張ったのは知ってるさ
でも…
きみが今までしてきたことはね…
一家の誇りって荷物を担いでたんだよ
James...
you've been well behaved,
You've been working so hard
But will you always stay-
Someone else's dream of who you are.
Do what's good for you,
or you're not good for anybody
...James.
ジェイムズ…
きみはよくやったよ
きみはそうとう頑張ってきた
でもこのままいつだって…
誰かが夢見るきみの姿のまま生きてくのかい
自分のためなることをしろよ
さもなければ結果的には
誰のためにもならないってことだよ
…ジェイムズ
I went on the road-
You pursued an education
...James...
How you gonna know for sure-everything
was so well organized.
Hey...
now everything is so secure,
and everybody else is satisfied.
僕は風来坊の人生
きみは堅実に研究の道に進んだ
…ジェイムズ…
そうやってきみは
すべてが規則正しく整えられた
安定した道を歩いていくんだね
そうだね…
今はすべてがとても安定していて
きみの周りの誰もが満足してる
James...
do you like your life,
Can you find release
And will you ever change,
When will you write your masterpiece.
Do what's good for you,
or you're not good for anybody...
James...
ジェイムズ…
自分の人生を生きてるかい?
気持ちが安らぐことがあるのかい?
変わることってあるのかい?
きみの渾身の一冊を書いたとき
自分のやりたいことをやれよな
そうでないと僕は
何の意味もないと思うんだ…
それだけが言いたいんだ
大切な友達だから
ジェイムズ…
(Words and Idioms)
pursue=従事する 追い求める
masterpiece=傑作、名作、代表作
日本語訳 by 音時
★と、前半の話でこれでヨカッタヨカッタ…、と終わればいいのですが、さいごに…ビリーの曲で綴ったミュージカル『ムーヴィン・アウト』についても触れておきましょう!
ビリーの曲で綴られる、このミュージカル。なんと登場人物に“James”が出てくるではありませんか!
なんだと~!(゚Д゚;)
しかも“Why Judy Why”(Album“Cold Sping Harbor”の“Judy”と恋人ってなんたる設定!
(PS)今更ながら“Turnstiles”って“自動改札機”のことを言うんですね。アルバムジャケットもそういえば自動改札機のまわり(内側にいて出られない?)に沢山の人がいます。
ひょっとして真ん中の後ろにスーツを着て沢山の本を抱えてるのが“James”?
(この記事で参考にしたページ)
・Paul Stuart Wichansky Let's Rock'n Roll With Billy Joel
・Wikipedia Turnstiles
コメント
コメント一覧 (10)
Jamesを検索していたところ、こちらにたどり着きました。
当時は、若かったから?かTurnstilesの中ではあまり印象に残っている曲ではなかったんですけど、歌詞までちゃんと読んでしっかり聴くと、やっぱ良い感じですね。(^^
Q&Aの動画見てみました。
Jamesのモデルはいるけど、複数名。
名前はJamesではないということみたいです。
今思い返してみると、上から目線で説教っぽい内容の歌詞だと思うけど、彼らが幸せじゃないということは知っていた。
ボブやフレッドだと、ゴロが悪いというか歌詞として収まり悪いでしょ?
キース・リチャーズのエピソードの後半も、彼も歌詞を考える時に、適当に歌いながらゴロ(韻?)の良い感じの言葉を探しているんだよ。多くの歌の歌詞がそのようにして、書かれてる(言葉が選ばれている)もんなのさ・・的な感じでした。
今、久々にTurnstiles聴いてますけど、やっぱBilly Joelは聴き入る曲が多くて良いですね。
お邪魔しました。(^^
でもなかなか興味が持てるタイトルであります。“Dear Abby”は米国の新聞紙上の老舗のお悩み相談のこと、ですね。その“アービーに相談”する人の物語ってことなのかな?和訳の神様、お力をお貸しくださいィ~!
後楽園球場ではなんと言ってもサイモンとガーファンクルのコンサートでしょうか
とても印象深いものでした。ところで 無理なお願いとは思いつつ先日亡くなった
ジョン・プラインさんの歌でdear abby というものがあります。是非 ずっと曲の内容が知りたくて現在に至っております。もしご興味がありましたら和訳にチャレンジ お願いできませんでしょうか。厚かましいお願いで申し訳ありません。