中古レコード屋さんで店頭(外)で段ボールに入ってて、1枚50円で売られていたこのシングル、買いました。(家にプレーヤーはないんだけどね)。
地上138階、サンフランシスコにある超高層ビルがその開所式の日に火事になるパニック映画「タワーリング・インフェルノ」の主題歌です。

◆この絵を参考に中学校の文化祭で卵の殻を使った「卵細工」の絵を作ったんだよな~。なんでこの絵にしたのかというと、その当時、流行していたからなんですね!モウリーン・マクガヴァンの歌ったこの映画の主題歌「愛のテーマ」も覚えています。(やっぱりニッポン放送のポップスベスト10かなんかで聴いていたと思います) 

映画も日本で大ヒットだったんですね。ウィキペディアには以下のように書かれています。

1975年6月28日から、東京では丸の内ピカデリー・パンテオンなど6館、その他全国72館でロードショー公開されて、その後全国117館に拡大されて、当時は初めてと言われた全国拡大興行を展開した。このうち8大都市23館でのオープニング成績は2日間で計入場者数20万3,225名、都内6館の初日・2日目の成績は興行収入が前年大ヒットの「エクソシスト」の153パーセントと言われて、全国の配給収入が公開7週間で24億円、最終的には37億2,500万円を記録して、「ゴッドファーザー」「エクソシスト」を破り洋画ヒット作の最高を記録した。

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◆僕は中学校からラジオ番組「全米トップ40」を聴くようになり、過去のビルボードNo1ヒットも集めるようになってから、主題歌を歌ったモウリーンがさかのぼること2年前、「モーニング・アフター」という全米No1ヒット(1973年;2週間)を持っていることを知りました。この「モーニング・アフター」はやはり映画「ポセイドン・アドベンチャー」の主題歌。「ポセイドン・アドベンチャー」は豪華客船"ポセイドン号"が転覆、多くの犠牲者が出るなかでの脱出劇をハラハラしながら見る"パニック映画"(英語では"disaster film")の"はしり"でした。実は映画「タワーリングインフェルノ」は「ポセイドン・アドベンチャー」を製作したスタッフが、その特撮技術を使って作成した映画なんですね。

 またSFX技術もなかった時代、セットの作り方なども経験者たちでないとどんな風に作って撮ったらいいか、わからなかったんでしょう。そして「タワーリング・インフェルノ」の主題歌は、やはり「ポセイドン・アドベンチャー」で主題歌を歌ったモウリーンの起用!となるわけです。まあ"二番煎じ"と言ってしまえばそういうことかもしれません。ビルボードチャートでは83位止まり、という成績でした。それでもこの曲「愛のテーマ(We may never love like this again)」単なる二番煎じ曲ではありません!立派に1975年のアカデミー賞歌曲賞を受賞したのですよ!!

◆なんかでもちょうどこの頃はパニック映画の大流行でしたよね。ポセイドン・アドベンチャー「大きな旅客船」、高層ビル「タワーリング…」、ときて、ウイルスに侵された走る列車が古い鉄橋を渡るという「カサンドラ・クロス」、空港ハイジャック「エアポート’77」、「パニック・イン・ザ・スタジアム」など、次はどんなシチュエーションでパニックに?とワクワクしていました。不謹慎なガキです(-_-;)。 でも流行が「ジョーズ」や「グリズリー」など動物や昆虫が人間を襲うパニック映画に…代わっていったように記憶しています(^▽^;)。

We_May_Never_Love_Like_This_Again_-_Maureen_McGovern

Songwriters
HIRSCHHORN, JOEL / KASHA, AL
Published by
Lyrics c Warner/Chappell Music, Inc., Universal Music Publishing Group

Released in 1975
US Billboard Hot100#83


:原詞は太字


We may never love like this again
Don't stop the flow
We can't let go

私たちこんな風に二度と愛せない
流れを止めちゃだめ
あきらめるなんてできないわ

We may never love like this again
And touch the sky
Though we may try

こんな風に恋することなんて二度とない
空に触れたりすることもね
でもまた やってみるかもしれないわ

So while we're here
Let's give our all
Release the dreams inside us
And set them free

ここにいる間は
私たち精一杯頑張るのよ
心のなかに抱いた夢を解放するの
自由にしてあげるのよ

Oh, while we're here
Let's leave a mark
There's a candle in the dark
It's here to guide us

ああ 私たちここにいる間に
生きている証を残すのよ
暗闇のなかでもキャンドルが灯るわ
ここで 私たちを導いてくれるのよ

We may never love like this again
But through the days
Beyond the haze I see you

こんな風にもう人を愛することはないわ
でも何日か過ぎてしまえば
ぼんやりした薄もやを越えてあなたが見える

Reaching out to hold me
I don't know just
Where or when
Still I'm sure

私を抱きしめようと手を伸ばすあなた
それがどこでいつのことなのかは
わからないけど
それでもまだ私は確信しているの

We'll love again, 
We'll love again

私たちはまた愛し合える
私たちはまた愛し合えるの

We'll love again 
(we may never love like this again)
We'll love again 
(we may never love like this again)
We'll love again 
(we may never love like this again)
We'll love again 
(we may never love like this again)

私たちはまた愛し合える
(こんな風に人を二度と愛せない)
私たちはまた愛し合える
(こんな風に人を二度と愛せない)
私たちはまた愛し合える
(こんな風に人を二度と愛せない)

日本語訳 by 音時

MaureenTowering


◆ところで、この曲の原題はなかなか正しく覚えられませんでした。"We may never love like is this again"と覚えてしまっていました。だってモウリーン、そう歌ってるじゃないですか!注意深く聴くと、彼女は"like"(ライク)を"ラ・イク"と発音していたんですね。"ウィメイ・ネヴァ・ラヴラ・イクディスゲーン…"と歌っているので"is"が入るのかなと思い、タイトルの意味が意味不明でした。
 "is"が入らないのを確認すれば、タイトルの意味がわかりました。"私たち こんな風に二度と愛することはないかもしれない"ですね。

やっぱり映画のストーリーを知ってから作られた歌詞なんだろうな。

なかば死を覚悟しながらも、生に向けて前に進む人達。こんな風に人を愛することはもうないわ、とも思いながら、最後まで生きる努力を続けることがいつの日かどこかでまたあなたに会える、そして愛し合える、そう信じてる...そんな感動を与える歌なんだと思います。


◆映画「タワーリング・インフェルノ」の予告編です。映画のなかで歌っている女性歌手はモウリーン本人ですよ。



◆1975年のオスカー授賞式。プレゼンテーターはジーン・ケリーとシャーリー・マクレイン。賞を受け取るのは作者のアル・カシャとジョエル・ハッシュホーン。(モウリーンは出ません)



◆モウリーンの全米Top40曲は"モーニング・アフター"とこの曲"Differnt World"の2曲です(1979年18位)。この曲は映画ではないけれど、やはりドラマ「Angie」の主題歌。「Angie」は"南アフリカの大金鉱を舞台に、国際シンジケートの陰謀と戦う男の活躍を描いたドラマ"らしい。(ウィキペディアより)




◆ちなみに、この曲の日本語カバーを「中沢厚子」さんが歌っていたらしい。「本命日本盤」という印がなんだかアヤシいぞ(^▽^;)。(Youtube音源はありませんでした)

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