邦題「やさしい天使」。

この曲“Angel In Your Arms”は下記の1977年の年間チャートでは★印のついたNo1ヒットではなかったものの、6位のケニー・ノーラン「夢のバラード」と並んで年間の5位に入りました。

(1977年 年間チャートTop50)

1.Tonight's The Night (Gonna Be Alright) - Rod Stewart ★
2.I Just Want To Be Your Everything - Andy Gibb ★
3.Best Of My Love - Emotions ★
4.Love Theme From "A Star Is Born" - Barbra Streisand ★
5.Angel In Your Arms - Hot

6.I Like Dreamin' - Kenny Nolan
7.Don't Leave Me This Way - Thelma Houston ★
8.(Your Love Has Lifted Me) Higher And Higher - Rita Coolidge
9.Undercover Angel - Alan O'Day ★
10.Torn Between Two Lovers - Mary MacGregor ★

(これまで取り上げてきた1977年のNo1ソングはこちら

 最高位6位で年間チャートの5位にランクインというのは1977年に相当息長く上位にランクイン。瞬発力はなかったものの全米でずうっと聴かれていたということですね。雑誌「ミュージック・ライフ」などでも名前を聞かない「Hot」というLA出身の女性ボーカル3人組。色んな女性の3人組のコーラスグループはありましたが、この3人組は、白人、黒人、そしてラテン系女性の3人という国際的なトリオでした。

hot-gold-record

"ホット"のことは詳しくは知らなくても、ラジオから流れてくるやさしい歌声に、まだ子どもだった僕も癒されていました。

「都会で疲れた男の心を癒す、やさしい天使の歌」なんだろう、と大人になったような気分で・・・。


◆でもね…違ってたんですよ!

「天使(エンジェル)」の歌が、
実は…「悪魔(デビル)」の歌でもあった
のです! (゚Д゚)ノ

この曲の歌詞を初めて知った時…洋楽って面白いなあ…!って思いました。

続きは後半にて…。

yasashiitensi


Songwriter(s) Herbert Clayton Ivey, Terrence Woodford, Tom Brasfield
lyrics c Universal Music Publishing Group, MAKIN' SONGS MUSIC, INC

Released in 1977
US Billboard Hot100#6
From The Album“Hot”

:原詞は太字

Do you think I'm such a fool 
to believe everything you say is true
That just goes to show
That you really don't know

あなたは私をどんなおバカさんと思ってる?
あなたの言うことのすべてを信じてるとでも?
たぶん証明されることになるわ
あなたが全然わかってないってことが

While you're out paintin' the town
Do you think I'm home 
just sittin' around waitin' on you
Now who's really the fool

あなたが町で飲み歩いてる間
私があなたを待って
家にじっとしてるって思うの?
だとしたら あなたは本当のおバカさんね

When I first found out I hurt all over
I felt so left out 'til I got to know her
So I tried the way that she got over
And I became just like her
So don't be surprised to find

最初に気づいたとき、全身が傷ついたわ
女がいるってわかるまで取り残された気分だった
だからその女に負けないようにしたのよ
そして私も彼女のようになったのよ
だからそのことを知っても驚かないでね

That the angel in your arms this morning
Is gonna be the devil 
in someone else's arms tonight
Yes, The angel in your arms this morning
Is gonna be the devil 
in someone else's arms tonight

今朝 あなたの腕のなかにいた天使が
今夜 別な誰かの腕のなかで悪魔になるの
そうなのよ
今朝 あなたの腕のなかにいた天使が
今夜 別な誰かの腕のなかで悪魔になるの

Why'd you slip around secretly
If you were tired of loving me 
Why'd you keep holdin' on 
when love was already gone

私を愛するのに飽きちゃったなら
どうして秘密にコソコソとしてるの?
愛がもう終わっちゃったんなら
どうして別れようって言わないの?

The times you said 
you weren't feelin' well
Did you think I couldn't tell 
you'd been with someone else
You were only kiddin' yourself

気分が悪いから休んでいくって
あなたが電話をかけてきた時
私が口にできないって思っていたの?
あなたは他の女と一緒にいたんでしょ
私はだまされないわ

When I first found out I hurt all over
I felt so left out 'til I got to know her
So I tried the way that she got over
And I became just like her 
So don't be surprised to find

最初に気づいた時、全身が傷ついたのよ
女がいるってわかるまで取り残された気分だった
だから私 その女に負けないようにしたわ
そして私も彼女のようになった
だからビックリしても遅いのよ

That the angel in your arms this morning
Is gonna be the devil 
in someone else's arms tonight
Yes the angel in your arms this morning
Is gonna be the devil 
in someone else's arms tonight

今朝 あなたの腕のなかにいた天使が
今夜 別な誰かの腕のなかで悪魔になるの
そうなのよ
今朝 あなたの腕のなかにいた天使が
今夜 別な誰かの腕のなかで悪魔になるの

Yes the angel in your arms this morning
Is gonna be the devil 
in someone else's arms tonight
The angel in your arms this morning
Is gonna be the devil 
in someone else's arms tonight

今朝 あなたの腕のなかにいた天使が
今夜 別な誰かの腕のなかで悪魔になるの
そうなのよ
今朝 あなたの腕のなかにいた天使が
今夜 別な誰かの腕のなかで悪魔になるの


(Words and Idioms)
paint the town=酒場を飲み歩く、底抜けに馬鹿騒ぎをする

日本語訳 by 音時

R-1055911-1227380532.jpeg

◆この曲のWikipedia(英語)による解説を見てみましょう。

In "Angel in Your Arms", a woman advises an unfaithful mate: 

"The angel in your arms this morning is gonna be the devil in someone else's arms tonight", meaning that she's assuaged his neglect and infidelities by indulging in illicit trysts of her own.

「Angel in Your Arms」は、「不誠実な夫に忠告する歌」

“今朝あなたの腕の中にいた天使は、今夜別な人の腕に抱かれる悪魔になるのよ”という歌詞は、男の無関心や浮気に対して、彼女自身が別な男と逢瀬をすることによって気を紛らわすという意味である…

assuage やわらげる なだめる
neglect 無視する みすごす
infidelity 不信、浮気
indulge 甘やかす
illicit 不法の
trysts あいびき

いやービビりました!

いやいや不貞ということではなく、持っていた曲のイメージと、歌詞の内容のあまりの落差に!

R-5036693-1382781599-3403.jpeg


◆こういうことがあるので、洋楽っておもしろいですね~。

そして、この曲が年間5位に入ってしまうというのも当時の全米の夫婦や家族関係を考えると興味深いですね…(^▽^;)

Ray Palker Jr.の「A Woman Needs Love」"も女性の社会進出などを背景にしたヒットですが、その一昔前の1977年、おそらく女性の社会進出もまだまだ進んでいない頃です。その頃にこの曲が大ヒットというのは、浮気夫に対してのいわば「妻や母の大逆襲」ってことなんでしょうね!

 派手な大ヒットではなかったものの、1977年の代表曲だったともいえるかと思います!

◆それでは最後に「やさしい悪魔はキャンディーズ」です(^-^)/!



◆女性ボーカリスト、バーブラ・マンドレルも1985年に歌いました。C&Wチャートで8位を記録しています。