"ロンダ"って米国の女の人の名前なんだな。
"ヘルプ・ミー・ロンダ"は文字通り、"ロンダ、助けて~!"。さて何から助けてほしいのでしょうか。

◆結婚の一歩手前までいってた彼女に男ができた!僕の心から彼女を追い払うのに助けてよ…!って、ロンダ嬢を口説いてる歌なんですね(^▽^;)。

 ロンダ嬢を「好きだ」とか「美しい」とか言わないで、ちょっとだけ外見をホメて、あとはひたすら「ヘルプ・ミー!」って。

    この曲のSongfactsに書いてありましたよ。この曲の歌詞で「Help me」は"計43回"、「Help」は"計61回"。ビートルズの"Help!"よりも何倍も多く言ってます!

◆アルバムでの収録版は"ロンダ"のスペルは"Ronda"。ブライアン・ウィルソンはアレンジしたこの曲を再録し「ロンダ」の綴りを「Rhonda」に変えて次のシングルとしてリリースしたとのことです。日本ではここでのヴァージョンを「Help Me, Rhonda」としてシングル発売しました。

僕の持っている雑誌「レコードコレクターズ 2016年7月号 特集ビーチ・ボーイズ ベスト・ソングス100」ではこの曲は19位となっています。amazon評では「ランキングなど無意味」等の批評が多数ありましたが…(^▽^;)。僕はビートルズのようにビーチ・ボーイズを知らない人のガイドになると思うんですよね。(こちら

続きは後半にて!

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Lyricist
Brian Wilson, Mike Love 

Released in 1965
US Billboard Hot100#1(2)
From The Album"The Beach Boys Today!"

:原詞は太字

Well since she put me down
I've been out doin'in my head
Come in late at night 
and in the mornin' I just lay in bed

そうさ 彼女に文句を言われてから
ずっと頭が痛いんだよ
夜遅く帰っては
朝にはベッドに寝てるだけさ

Well, Rhonda you look so fine 
(look so fine)
And I know it wouldn't take much time
For you to help me Rhonda
Help me get her out of my heart

ねえ ロンダ きみはすごくカッコいいね
(キマッてるよ)
わかってるんだ そんなに時間はかからない
ロンダ、きみが僕を助けてくれるんだ
僕の心から彼女を追い出すのを手伝ってよ

Help me Rhonda
Help, help me Rhonda
Help me Rhonda
Help, help me Rhonda
Help me Rhonda
Help, help me Rhonda
Help me Rhonda
Help, help me Rhonda
Help me Rhonda
Help, help me Rhonda
Help me Rhonda
Help, help me Rhonda
Help me Rhonda yeah
Get her out of my heart

助けてよ ロンダ
手伝ってくれ
助けてよ ロンダ
手伝ってくれ
助けてよ ロンダ
手伝ってくれ
彼女を僕の心から追い出したいのさ

She was gonna be my wife
And I was gonna be her man
But she let another guy come between us
And it shattered our plan

あの娘は僕の奥さんになるはずだった
僕もあの娘のダンナになる予定だった
でもアイツは僕らの間に
別な男を連れてきちゃったのさ
そこでこのプランはおじゃんになったんだ

Well, Rhonda 
you caught my eye 
(caught my eye)
And I can give you lotsa reasons why
You gotta help me Rhonda
Help me get her out of my heart

ねえ ロンダ
きみから目が離せないよ
(目が離せない)
理由ならいくらでもきみに話せるよ
ロンダ きみは僕を助けなきゃ
アイツを僕の心から追い出すのを
手伝ってほしいのさ

Help me Rhonda
Help, help me Rhonda
Help me Rhonda
Help, help me Rhonda
Help me Rhonda
Help, help me Rhonda
Help me Rhonda
Help, help me Rhonda
Get her out of my heart

助けてよ ロンダ
手伝ってくれ
助けてよ ロンダ
手伝ってくれ
助けてよ ロンダ
手伝ってくれ
彼女を僕の心から追い出したいのさ


(Words and Idioms)
Put down=批判する 殺す
cf.does my head in 
to irritate and annoy, headache material 
come in late=遅刻する

日本語訳 by 音時


◆さて、この曲のボーカルは、アル・ジャーディン(Al Jardine)。

 アルは元はバンドの助っ人メンバーで、「サーフィン」をリリースしたあとバンドを離れました。なんでもロックン・ロールのグループの成功といってもせいぜい数カ月、それよりも歯科医として堅実な将来を…と考えたらしい(偉い)。

 しかし「サーフィンU.S.A」の大ヒットがあり、ブライアンからツアーの誘いを受けて…東海岸の名門校の学業よりもビーチ・ボーイズとしての完全な一員になったのでした。ちょうどこの曲がチャートにランクインした頃でした。ブライアンは精神的にまいっていて、神経衰弱を引き起こしてしまいました…。ブライアンが、ジョン・トプラー著「The Beach Boys」のなかで次のように話しています。

 ぼくは精神的にまいってしまっていた。そこらじゅう駆け回り、ジェット機でツアー地を移動、おまけにプロデュースやアレンジをしたり、歌ったり、企画をたてたりと安らぎがなかったんだ。実際、腰を落ち着けて休んだりするチャンスもなかったよ。もう頭がダメになるとアルに言ったのは飛行機が離陸して5分くらいしか経ってないときだった。アルは"冷静になれよ"と言ったけど、僕は涙が出てきて、枕を顏をあてては笑い出し、また叫びだしたんだ…。

 そしてブライアンの代わりに6カ月のツアーの穴埋めにはギタリストのグレン・キャンベル!でも、グレンはグループに馴染めず、病気で降板(-_-;)、新メンバーとして、ブルース・ジョンストンが6番目のメンバーとして参加しました…。


◆"へルプ・ミー・ロンダ"が1位を記録した週の全米チャートです。
US Top 40 Singles for the Week Ending 29th May, 1965

「ミセス・ブラウンのお嬢さん」ハーマンズ・ハミッツ、「涙の乗車券」ビートルズのあとの1位が「ヘルプ・ミー・ロンダ」でした。2週1位を記録したあと、この週3位のシュープリームス「涙のお願い」に首位を譲ります。エルビスも6位にランクイン!

-1 4 HELP ME, RHONDA –•– The Beach Boys
-2 1 TICKET TO RIDE –•– The Beatles 
-3 6 BACK IN MY ARMS AGAIN –•– The Supremes
-4 2 MRS. BROWN YOU’VE GOT A LOVELY DAUGHTER –•– Herman’s Hermits
-5 8 WOOLY BULLY –•– Sam the Sham and the Pharaohs

-6 10 CRYING IN THE CHAPEL –•– Elvis Presley
-7 3 COUNT ME IN –•– Gary Lewis and the Playboys 
-8 5 I’LL NEVER FIND ANOTHER YOU –•– The Seekers
-9 19 JUST A LITTLE –•– The Beau Brummels 
10 15 IT’S NOT UNUSUAL –•– Tom Jones 


◆レディース・アンド・ジェントルメン、ザ・ビーチ・ボーイズ! アルが楽しそうに歌ってるのがいいね!自分がメインボーカルじゃないからか、マイクやブライアン、他のメンバーも余裕を持ってコーラス!



◆こっちはブライアンとアルの"ヘルプ・ミー・ロンダ"!やっぱアルの声が本物だな(^▽^;)


(この記事で参考にしたページ)
・Wikipedia Help Me、Rhonda
・ビルボード・ナンバー1・ヒット1955-1970上(音楽之友社)