ジョン・クーガーからジョン・クーガー・メレンキャンプ、そして本名のジョン・メレンキャンプへ。

当初、"売れるため"にと不本意ながらレコード会社の提案を受け入れて"クーガー"を名乗らざる得なかったジョン。1989年のアルバム"ビッグ・ダディ(Big Daddy)"は"John Cougar Mellencamp"名のラストアルバム。次作の"Whenever We Wanted"(1991年)からは本名の"John Mellencamp"名義でアルバムをリリースするようになります。

◆そのアルバム"Big Daddy"。緊急事態宣言も明け、自宅から自転車でちょっと出かけたところにあるUsedのお店「ブック・◎◎」さんで280円で売っていたので購入しました(^▽^;)。
『そういえばこのアルバム聴いていなかったんだよな~』と楽しみに帰ったところ…和訳はおろか英語の歌詞も入っていない!

「アーティスト側の要望により歌詞及び対訳は記載できませんのでご了承ください」とありました。

当時、"ポップ・シンガーなんかになりたくない"とジョンが"商業主義から決別"したことは耳にしていましたが、ここまで...とは知らなかったな。

(でも、調べてみたら、その後、いつからかは解禁?になって、歌詞も掲載されるようになったらしいが)

◆アーティスト側の要望の詳しいところまではわかりませんが、日本人ですので聴いただけでは、ジョン・メレンキャンプというアーティストが何を考えてどんな歌を歌っていたのかわかりませんので、せっかく購入したアルバムなので、3曲だけ和訳したいと思います。歌詞はインターネットであったものをいただきました。

この曲「ポップ・シンガー」はシングルカット第一弾。全米シングルチャート(Billboard Hot100)で最高位15位のヒットとなっています。

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Songwriter(s) John Mellencamp

Released in 1989
US Billboard Hot100#15
From The Album“Big Daddy”

:原詞は太字

Never wanted to be no pop singer
Never wanted to write no pop songs
Never had no weird hair to get my songs over
Never wanted to hang out after the show
Pop singer (writing) of pop songs

ポップシンガーになってなりたくなかった
ポップソングなんて書きたくなかった
歌をヒットさせるのにヘンな髪型なんてしたくなかった
ショウのあと飲みにいったりしたくなかった
ポップソングを書くポップシンガーさ

Never wanted to have my picture taken
Now, who would want to look into these eyes?
Just want to make it real - good, bad or indifferent
That's the way that I live
and that's the way that I'll die (As a)
Pop singer (of) pop songs

写真なんて撮られたくなかった
誰がそんな目を見つめたりしたいんだよ?
真実が欲しいだけさ...イイも悪いも いや無関心か
それが生き方であり 死に方でもあるんだ
ポップソングを書くポップシンガーのね

Pop singer, writing of pop song

ポップ・シンガー ポップ・ソングを書く職業

Never wanted to be no pop singer
Never want to write no pop songs
Never wanted to have a manager over for dinner
Never wanted to hang out after the show

ポップ・シンガーになんてなりたくなかった
ポップ・ソングなんて書きたくなかった
マネージャーをディナーに誘うなんてしたくなかった
ショウのあとふらふらなんてしたくなかった

Pop singer, writing pop songs
Never wanted to be no pop singer, of pop songs
A pop singer
Never wanted to write no pop songs

ポップ・シンガー ポップ・ソングを書くお仕事
なりたくなかった ポップな曲を書くポップ・シンガーに
ポップ・シンガー
ポップ・ソングなんて絶対に書きたくなかった

日本語訳 by 音時

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◆"ポップ・シンガー"=売れるための音楽を作るシンガー、ってことでしょうね。いい歌は作りたいけど、売れるためにあれこれイヤなこともしなくてはいけない(本名すら名乗れない!経験をしているし)ことに決別を宣言した曲と言えますね。冒頭のPVでジョンはアップになるときに顔を白塗りにして映っていますが、それが本当の自分ではない"ポップ・シンガー"ってことなんでしょう。

◆2013年のRolling Stone誌へのインタビューでジョンは次のように答えています(この曲のSongfcatsページより)。

俺はラジオ局に行って、そのクリスマス・パーティーになんて参加したくなかったし、ゲームで遊んだりしたくなかった。レコードが出されたあと、みんな俺に文句を言ってきたよ。
"おまえは恩知らずだ!ロックンロールがおまえに素晴らしい人生を与えてくれたってのに"。何を言ってるのかはわかったけど、みんな舞台裏で何が起こってるかは理解できなかったのさ。

いい曲をつくれば売れる…そんな夢を否定はしたくないものの、音楽も「ビジネス」です。売るための関係者へのお付き合いや戦略ってやっぱり必要なのでしょう。ここ日本でも、映画やドラマ、コマーシャルなどに起用される「タイアップ」も重要だったりします。

 ジョンって人はマジメ、というか、器用じゃない人、なんでしょうね。この曲を初めとして、アルバム「Big Daddy」はとても内省的なアルバムでした。ブルース・スプリングスティーンでいうと「ネブラスカ」っぽい感じです。でもまだ数回しか通して聴いていませんが、聴けば聴くほど病みつきに…なるタイプのアルバムかな...。

◆TV番組に出て"ポップ・シンガーになってなりたくなかった"って歌うのも自虐的だよなあ(^▽^;)。