1977年は、僕も「全米トップ40」をほぼ毎週聴くようになった年かな。いやそれでも部活が土日にあって聴けなかったこと(聴こうとして寝てしまうパターンも)もしばしばありました。
今のように「録音して後で聴く」なんてことはできなかったですよね~。
 沢山のヒット曲が出てはまた次の曲がヒットし…沢山の洋楽を吸収しきました!

◆そんななかでとても印象に残っている一曲、それがこのディーン・フリードマンの「アリエル」。
この頃の「全米トップ40」を聴いていた方ならとっても懐かしい一曲だろうと思います。

最高位を確認しても「28位」と平凡な記録ですが、楽しく明るいポップソングで、サビコーラスの"ア~~ア~リエ~ル、オオオオ~オ~オオオ♪"(上手く表現できません)のところ、ディーンのこの声も変幻自在と言う感じで一度聴いたらなかなか忘れられませんね。
 いまビデオで確認してみたら、やはりディーンが一人で高音部分も歌っていました。このコーラスが重なるのも好きだったなあ。確か日本発売はなかった...記憶があります。

◆ディーン・フリードマンはニュージャージー生まれのシンガーソングライター。全米シングルチャートではこの曲1曲の"一発屋"ですが、全英では他にもヒットがある模様。
コチラのサイトによると、「アリエル」のヒットの後は、活動場所をTV音楽や映画音楽の方にしたみたいですね!(洋楽データベースさんサイト

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◆"アリエル"が最高位27位を記録した週の全米ビルボードHot100チャートを見てみましょう。

US Top 40 Singles Week Ending 25th June, 1977
TW LW TITLE Artist (Label)-Weeks on Chart (Peak To Date)

「ドリームス」に代わって1位はマーヴィン「黒い夜」。でも1週の天下で翌週はこの週2位の「ロッキーのテーマ」が首位に立ちます。5位ケニー「ルシール」R.I.P…。7位はアンドリュー「ロンリー・ボーイ」R.I.P...。8位ショーンが勢い良かったですね!

1 2 GOT TO GIVE IT UP (Part 1) –•– Marvin Gaye (Tamla)-11 (1 week at #1) (1)
2 3 GONNA FLY NOW (Theme From “Rocky”) –•– Bill Conti (United Artists)-10 (2)
3 6 UNDERCOVER ANGEL –•– Alan O’Day (Pacific)-13 (3)
4 4 FEELS LIKE THE FIRST TIME –•– Foreigner (Atlantic)-14 (4)
5 5 LUCILLE –•– Kenny Rogers (United Artists)-14 (5)
6 1 DREAMS –•– Fleetwood Mac (Warner Brothers)-11 (1)
7 7 LONELY BOY –•– Andrew Gold (Asylum)-15 (7)
8 16 DA DOO RON RON –•– Shaun Cassidy (Warner Brothers / Curb)-7 (8)
9 10 ANGEL IN YOUR ARMS –•– Hot (Big Tree)-19 (9)
10 11 JET AIRLINER –•– The Steve Miller Band (Capitol)-9 (10)

26 27 ARIEL –•– Dean Friedman (Lifesong)-11 (26)


*実はこの「Ariel」。一度トップ40入りして26位まで上昇したのち、トップ40圏外に消えたかと思ったら、またトップ40に再登場して...という「返り咲きソング」なんですね。(面白い記録です)


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Songwriter(s) Dean Friedman

Released in 1977
US Billboard Hot100#26
From The Album“Dean Friedman”

:原詞は太字

Way on the other side of the Hudson
Deep in the bosom of suburbia
I met a young girl
She sang mighty fine
Tears on my pillow and Ave Maria

ハドソン川の反対側の道
郊外のだいぶ奥まった場所で
ひとりの女の子に会ったのさ
彼女は力強い歌声を聴かせてくれたんだ
"Tears On My Pollow"と"Ave Maria"をね

Standing by the waterfall in Paramus Park
She was working for the friends of BAI
She was collecting quarters in a paper cup
She was looking for change
And so was I

ショッピングモールの滝の側でも歌ってた
市民ラジオのチャリティだったんだよ
紙コップを前に置いて小銭を集めてね
彼女は生活に変化を求めてたんだ
僕もそうだったんだ

She was a Jewish girl
I fell in love with her
She wrote her number on the back of my hand
I called her up
I was all out of breath
I said
"Come hear me play in my rock and roll band"

ユダヤ人の女の子
恋しちゃったのさ
彼女は僕の手の甲に電話番号を書いてくれた
すぐに電話をかけたんだ
ドキドキで息も絶え絶えだったけど
僕はこう誘ったんだよ
"僕のロックンロールを聴きに来ないかい?"

I took a shower
And I put on my best blue jeans
I picked her up in my new VW van
She wore a peasant blouse with nothing underneath
I said "Hi"
She said, "Yeah, I guess I am"

シャワーを浴びて
一番お気に入りのブルージーンズでキメて
僕の新しいVW Vanで迎えに行った
彼女はぺザント・ブラウスを着て出てきて
なんとノーブラ(^▽^;)
僕は"やあ"って声をかけたら
彼女は..."はい、どうかしら...?"ってさ

Ariel
Ariel

アリエルったら...!
アリエルってば...!


We had a little time
We were real hungry
We went to Dairy Queen for something to eat
She had some onion rings
She had a pickle
She forgot to tell me how she didn't eat meat

僕らはしばし一緒に過ごしたけど
めちゃお腹が空いてたんだ
何か食べようってデイリー・クイーンに入り
彼女が食べたのはオニオンリング
それからピクルスだった
僕にお肉は食べられないって言うのを
彼女は忘れてたんだ!

I had a gig in the American Legion hall
It was a dance for the Volunteer Ambulance Corps
She was sitting in a corner against the wall
She would smile
And I melted all over the floor

僕はレギオン・ホールで演奏した
ダンスでボランティア救援隊に寄付をするイベントさ
彼女は壁にもたれて端の方に座ってけど
その笑顔を見ようものなら
僕はメロメロで床に溶けちゃったよ...

Ariel
Ariel

アリエルったら...!
アリエルってば...!

I took her home with me
We watched some TV
Annette Funicello and some guy going steady
I started fooling around with the verticle
We got the munchies
So I made some spaghetti

僕は彼女を家に連れていき
一緒にテレビをしばし見たんだ
アネット・ファニセロが
男と結ばれるお決まりのドラマだったから
僕はじれったてムズムズし始めたんだ
何か軽く食べようかってなって
僕がパスタを作ったのさ

We sat and we talked into the night
While channel two was signing off the air
I found the softness of a mouth
We made love
The bombs bursting in air
Ariel

座っておしゃべりするうち夜も更けて
2チャンネルも放送が終わっちゃった
キスしたときの口びるの柔らかさを知ったんだ
僕たちは愛し合ったのさ
爆弾が深夜に爆発するみたいにね
アリエル...!

Ariel
Ariel

アリエル...!
スキだ~!


Way on the other side of the Hudson
Deep in the bosom of suburbia
I met a young girl
She sang mighty fine
Tears on my pillow and Ave Maria
Tears on my pillow and Ave Maria
Tears on my pillow and Ave Maria

ハドソン川の反対側の道
郊外のだいぶ奥まった場所で
ひとりの女の子に会ったんだ

彼女は力強い歌声を聴かせてくれた
"Tears On My Pollow"と"Ave Maria"
"Tears On My Pollow"と"Ave Maria"を
"Tears On My Pollow"と"Ave Maria"をね...


(Words and Idioms)
bosom=〔the ~〕奥深い所,奥まった所,内部;(海・湖・川などの)表面
Paramus Park=ニュージャージー州バーゲン郡にあるショッピング・モール
BAI=Broadcast Associates, Inc.
cf.WBAI (99.5 MHz), is a non-commercial, listener-supported radio station licensed to New York City.
クォーター(英語: Quarter)=米国25セント硬貨
out of breath=息を切らして, あえぎながら
VW Van=The Volkswagenのバン車
peasant blouse=ペザント・ブラウス
(ヨーロッパの農民をモチーフにしたトップス。袖や首回りがギャザーなどでゆったりとしている。ペザントは「農民」の意味)
the Volunteer Ambulance Corps=ボランティア救急隊
Annette Funicello=アネット・ファニセロ=アメリカ合衆国の歌手・女優
go steady=決まった異性と交際する,恋人同士になる.
fool around with=~をあれこれいじくりまわす
munchies=軽食,スナック

日本語訳 by 音時






素敵な歌声、素敵な笑顔、ノーブラ(^▽^;)
笑顔、ベジタリアンだって言うの忘れてたおマヌケなところ.
..もうアリエルったら...「ホレてまうやろ~」!

爆発する恋、そんな夢中にさせる相手との出会いを歌った、本当に楽しい歌でした。

曲の舞台となっているのがニュージャージー州のパラマス。そこはディーンが少年から青年期に住んでいて様々なことを経験した故郷の町だったようですね。

◆和訳について、ですが、アリエルが歌ってたという2曲はどちらもスタンダードな洋楽ですね。(後述)
また彼女がパラマス・パーク(ショッピングモール)の滝のそばで「立って働いてた」は「歌っていた」と解釈しました。その彼女の前には紙コップが置かれていて、歌い終わったあとに聴いていた人たちに「お気持ちでいいので!」と小銭を入れてもらっていたんですね。

「BAIの友だちのため」というのがよくわからなかったのですが、調べてみると「WBAI (99.5 MHz)」というラジオ放送局がニューヨークシティにあり、
これが「コマーシャルなし」の「リスナーが支える」ラジオ局であるとのこと。これかな?と決めつけて和訳しています(^▽^;)。

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あとわからなかったのが、
"I started fooling around with the verticle"。「僕は"verticle"をいじり回し始めた...」ってどういう意味なんでしょうね。
きっとスラングで「あっち系」の話なんじゃないかなと思ったのですが、彼女と恋愛ドラマ?のお決まりの結末を観ていて、
なんだかじれったくなって、上下にからだが震え出したさまを歌ってるのかな?と解釈しました...(^▽^;)。

そして

We made love
The bombs bursting in air

はい、もうセイシュン爆発~!ですね(^▽^;)。爆発(ロケット発射?)の効果音も入ってます。

アリエル...なかなか楽しい曲でした。


◆彼女が歌ってた歌その1"Tears On My Pillow"。
1990年にカイリー・ミノーグのカバーが全英No1になっています。



◆彼女が歌っていた歌その2"Ave Maria" ビヨンセに歌ってもらいましょう...!