"スロー・ハンド"と言えば...
いやいや、"スローハンド"って言っても、アンさん(エリック・クラプトン)じゃおまへん!(^-^;
◆…とそういうわけで(-_-;)、ポインター・シスターズの最大のヒット曲"スロー・ハンド"です。
(ポインター・シスターズのこれまで登場した曲の和訳記事はこちらです)ポインター・シスターズの登場は久しぶりなので、プロフィールをウィキペディアから。
ポインター姉妹からなるアメリカのコーラス・グループ。カリフォルニア州オークランド出身。ルース(Ruth)、アニタ(Anita)、ボニー(Bonnie)、ジューン(June)の四姉妹は幼い頃からゴスペルに親しみ、聖歌隊で歌い始める。高校卒業後、4人はロサンゼルスに渡り、1973年にデビュー。
ノスタルジックなジャズやカントリーのスタイルで、1975年には「フェアリーテイル」でグラミー賞の最優秀カントリーボーカルグループ賞を受賞した。その後はR&Bやディスコ系に方向性を模索しつつ、1977年にはボニーがソロ転向のため脱退、三人組となる。
その後も「ファイアー」、「スロウ・ハンド」などのヒットを放つ。1984年には流行のダンサブルなサウンドで4曲のトップ10ヒットを放ち、グラミー賞で2部門を獲得するなど、キャリアの絶頂を極めた。1985年にはUSAフォー・アフリカに参加し、ウィ・アー・ザ・ワールドのコーラスを担当。1990年代以降は表舞台から遠ざかったが、1996年のアトランタオリンピックの閉会式で歌を披露している。2006年、ジューンが癌のため死去。なおポインター家の長兄・アーロンは元プロ野球選手で、日本でも西鉄ライオンズでのプレー経験がある。
この曲のリードボーカルは次女のアニタ・ポインターが取ってます。
◆この曲はちょっとセクシーなドキッとする歌詞ですが、ようは「心と心を通じ合わせて」。女性からすると「自分勝手な男じゃダメ!しっかり女の気持ちを大切にする男じゃないと!」ってことですな。耳が痛いぜ(-_-;)
ポインター・シスターズはこの前の年(1980年)にも"He's So Shy(内気なボーイ)"のヒットがありますね。"恥かしがり屋"の恋人のことを歌い、今回は"ゆっくりとした手"の男(手が早いの逆)がいいわと歌ってくれました。もう少し彼女たちのヒット曲の影響が日本にも伝わって、それがモテ男の要件になっていれば、"内気"で"奥手"の僕の人生も変わっていたかもしれません。←おまえそうなん?嘘つくなよ。あと人のせいにすんな。
Songwriters
CLARK, MICHAEL JAMES BRUCE/BETTIS, JOHN
Released in 1981
US Billboard Hot100#2(3weeks)
From The Album"Black And White"
:原詞は太字
As the midnight moon,
was driftin' through
The lazy sway of the trees
I saw the look in your eyes,
lookin' into mine
Seein' what you wanted to see
真夜中の月がゆっくりと漂ってる
物憂げに揺れる木々の間を
あなたの瞳に映る気持ちがわかる
私の瞳を見つめ
あなたが見たかったものを見てるのね
Darlin', don't say a word,
'cause I already heard
What your body's sayin' to mine
I'm tired of fast moves,
I've got a slow groove
On my mind
ダーリン 何も言わなくていい
だってもう聞こえてるの
あなたのからだが私に話す言葉をね
急いで動かす恋はもううんざり
ゆっくりと愛し合いたいのよ
気持ちを大切にして…
I want a man with a slow hand
I want a lover with an easy touch
I want somebody who will spend some time
Not come and go in a heated rush
I want somebody who will understand
When it comes to love,
I want a slow hand
スロー・ハンドの男性がいい
優しく触れてくれる恋人がいい
一緒にいてくれる人が欲しいのよ
熱くなって行ったり来たりするんじゃなくて
私を理解してくれる人がいいの
こと"恋"ってことになると
ゆっくりとした手のひとがいいの
On shadowed ground, with no one around
And a blanket of stars in our eyes
We are driftin' free,
like two lost leaves
On the crazy wind of the night
暗くなった場所で 誰もいないところで
星たちの毛布が私たちの瞳を包み込んでる
私たちは自由に漂ってるの
まるで2枚の落葉のように
夜の素敵な風に吹かれてね…
Darlin', don't say a word,
'cause I already heard
What your body's sayin' to mine
If I want it all night,
you say it's alright
Ooo, we got the time
ダーリン 何も言わないで
だってもう聞こえてるから
からだどうしはもう話してるのよ
私が一晩中一緒にいたいなら
あなたはいいよと応えてくれる
ああ 時間ならあるわね
'Cause I got a man with a slow hand
I got a lover with an easy touch
I've got somebody who will spend some time
Not come and go in a heated rush
I found somebody who will understand
When it comes to love,
I want a slow hand
だって
スロー・ハンドの男性を見つけたから
優しい手を持つ恋人を手にいれたのよ
一緒にいてくれる人を見つけたの
自分勝手でせわしい人じゃなく
私のことをわかってくれる人をね
恋の相手ってことで言えば
私は断然"スロー・ハンド"な人がいいわ
If I want it all night
Please say it's alright
It's not a fast move
But a slow groove
On my mind
私が一晩過ごしたいときには
いいよって言ってちょうだい
せわしく動かなくていいの
ゆっくりいい気持ちになればいいの
心のなかで…
'Cause I got a man with a slow hand
I've got a lover with an easy touch
I found somebody who will spend some time
Not come and go in a heated rush
スローな手を持つ男の人
優しくタッチしてくれる恋人
自分の都合でせわせわするんじゃなく
一緒に過ごしてくれる人を見つけたの
I found somebody who will understand
I found a lover with a slow hand
Ooo, a lover with a slow hand
And I get all excited with his easy touch
I found somebody who will spend the night
Not come and go in a heated rush
わたしをわかってくれる人
スローな手を持つ恋人
ああ ゆっくりとした手を持った恋人
やさしく触れられるとどきどきするわ
自分の都合だけじゃなく
夜を一緒に過ごしてくれる
あなたはそんな人なのよ
(Words and Idioms)
lazy=物憂げな けだるい
when it comes to=話が~ということになると
日本語訳 by 音時
◆作者に名前のあるジョン・ベティス。カーペンターズの数々のヒット曲をリチャード・カーペンターと一緒に作ったソングライター(作詞家)ですね。ふむふむなるほど、80年代の女性の好みを上手に取り入れた歌詞でヒットソングを作る能力があるのだな..!
◆この曲は彼女たちのアルバム"Black And White"から。アートワークも黒と白のコントラストがオシャレですね。
◆"Slow Hand"が最高位2位を記録した週の全米チャートです。
US Top 40 Singles Week Ending August 29, 1981
"緊急事態だ"(8位フォリナー)。"誰がいま泣いてるんだ?"(10位ジャーニー)…それは3組あります。
"エンドレス・ラヴ"の9週連続1位。その陰で、ポインター・シスターズとこの週3位のジョーイ・スキャベリーと、この週6位のジュース・ニュートンの3組は2位まで昇りながら1位にはなれませんでした。それでも潔く、"エンドレス・ラヴ被害者の会"を結成するまでには至らなかったということです…(-_-;)
-1 1 ENDLESS LOVE –•– Diana Ross and Lionel Richie
-2 4 SLOW HAND –•– The Pointer Sisters
-3 2 THEME FROM “GREATEST AMERICAN HERO” (Believe It Or Not) –•– Joey Scarbury
-4 6 STOP DRAGGIN'MY HEART AROUND –•– Stevie Nicks (with Tom Petty and the Heartbreakers)
-5 5 JESSIE’S GIRL –•– Rick Springfield
-6 8 QUEEN OF HEARTS –•– Juice Newton
-7 9 (There's) NO GETTIN’ OVER ME –•– Ronnie Milsap
-8 15 URGENT –•– Foreigner
-9 10 LADY (You Bring Me Up) –•– The Commodores
10 11 WHO’S CRYING NOW –•– Journey
◆スタジオで歌う"Slow Hand".
◆ライヴで観客とのやりとり。こんな風にやるんだな(好感が持てます)。
ボーカル&コーラスも聴かせる感じです。この頃のポインターズのステージ観たかったなあ。
コメント
コメント一覧 (8)
でもこの曲“Slow Hand”も聴きようによってはロマンティックな歌詞。急く恋ではなく、ゆっくりと恋を熟成させていきましょう、という意味も込められてます。そんなモードで訳した方がよかったかも?
カーペンターズ好きだった私は、詩の内容にちょっとしたショックを受けながらも好んで聴いていた記憶があります。今でも好きな曲ですが。
ただこの曲のslow hand”はそれとは違う感じがします。からだ目的!の手の早い男性に対して、自分を理解してくれる男性に、ゆっくりと恋愛しましょうって呼びかけてるように思います!
彼女たちには「he's so shy」「jump」など色々なスマッシュヒットがありますが
多分一番好きな曲です。
エリック・クラプトンの「スローハンド」について知人たちと話題にしたことがありました。
何が「スローハンド」かと…
よく言われるのが「余裕の手さばき」
確かに匠のワザの持ち主は独特のオーラを放っていますからね。
2006年ドイツで開催されたサッカーワールドカップ。
イタリアが優勝しましたが、最も注目された選手はフランスのジネディーヌ・ジダンでした。
彼がボールを持つと時間が止まったよう…笑
誰もが魅入られてしまうのです。
プロ中のプロが出場する檜舞台でも、圧倒的存在感を発揮するパフォーマンス。
そこだけスローモーションになったような錯覚が起きます。
クラプトンの「手さばき」もその領域だなと結論しました。笑
相手のことを思いやる、ということなのだろうなあ、と思いました。自然にできちゃう人が素敵な人ですね!
まさに、その手で隅々までぜ〜んぶ(爪先からまつ毛の先まで)知ってね…感じですね。←いや、知ってるから愛しんでねって解釈しました。
軽い酩酊時の方が上手く表現出来そうですが苦笑、P.Tにしても、英語・フランス語・イタリア語辺りならステキだけど日本語で「darlingやbaby」どう言うんだろ…と、少し冷め気味になった後「あ、秘密の呼び名でいいか!」って、ちょっとうっとりしました←目を細めて記憶を辿りました(◦ˉ ˘ ˉ◦)
たぶん女性にとっては永遠に…そう言う事です。
殆どの?日本人男性に聴いて欲しいな(๑˃̵ᴗ˂̵)←音時さんは勿論該当しないですよね〜
これって「AT40」を夢中になって聴いていた方は誰でもわかると思うのですが、No.1を続ける強い曲は一位になるのは当然としても二週くらいでやめてくれ!もっと沢山のいい曲に一位にならせてやってくれ!と思いますよね。それが四週から五週になると、通常のチャートアクションでいうと翌週一位になってもいい、いい曲が足踏みして、それが落ちていく、、そんな経験をすると、だんだん首位曲に恨みがふつふつと湧いてきます。しかし、恨んでもなにもならないし、一人のアーティストだけでは大きな力にはならない、だから「被害者の会」結成になるんですね(!?)。
でもこのあとの「フィジカル」のオリビアに被害を受けたのはフォリナーだけであるので、「被害者の会」は作られず、むしろ、フォリナーはオリビアに対しては訴える気はなく、「戦友」のように思っているそうです。
(フォリナー話はもちろんフィクションです!)
ディスコに走った「Automatic」「Jump」「Dare Me」などどれも豪快で良かったですが、当時から「He's So Shy」や「Slow Hand」も好きで・・・
こちらの記事でも紹介されていますが Eric Clapton のアルバム『Slowhand』も愛聴盤で・・・という事で自分のブログ・ネームに頂きました(笑)。
今回も「エンドレス・ラブ被害者の会」など大笑いでした(笑)。毎回こんな楽しく記事を書かれ和訳までありがとうございます。