ダン・フォーゲルバーグのこのブログで取り上げてきた和訳記事はこちらです。
2枚組のずっしりとしたアルバム「イノセント・エイジ」はよく聴きました。ダン・フォーゲルバーグはその後「グレイテスト・ヒッツ」をリリース。目がくりっとしたダンの表情が印象的なアルバムジャケットでしたね。
このアルバムに収録された新曲2曲「ミッシング・ユー」(1982年 全米23位)と「メイク・ラヴ・ステイ」(1983年 全米29位)がヒットしましたが、やっぱりオリジナルアルバムが聴きたい!と心のなかで今か今かと待ちわびていました。
◆そして1984年に発表されたアルバムが「Windows And Walls」です。
第一弾シングルとしてこの"The Language Of Love"を一番に耳にしたときに、80年代の洋楽シーンを背景に、ダンも流行を取り入れて、"ああかなりPOPになったんだな"と思い、残念な想い半分・期待も半分と受け止めました。またアルバムタイトルを聞いたときは、ジョン・レノンの「Walls And Bridges」を連想し、純粋無垢な時代(イノセント・エイジ)の後には、何か"乗り越えるべき愛の窓と壁"?を歌ってる?なんて内容を勝手に想像していました。アルバムは確か輸入盤で買ったのでは…。
◆英語の歌詞だけだったので完全には理解できませんでしたが、"Windows And Walls"は四方を窓と壁に囲まれて、同じような毎日を送っている、一人きりのおばあさんが主人公。アルバムジャケットはその部屋(おばあさんの心のなか?)を表しているんでしょう。そしてA面ラストの8分強ある「ツーソン・アリゾナ」。この曲も重い…(-_-;)。
「フェニックス」「イノセント・エイジ」と聴いてきた(そんな程度なのですが)僕にとって、ダンのイメージで安心して聴けたのはB面の「スウィート・マグノリア」と「ビリーヴ・イン・ミー」くらいだったかな…。
◆"The Language Of Love"…「言葉」「言語」じゃ「本当の心」は通い合えない、ということを歌っているのでしょうね。"ノー"は"イエス"の意味…まあ、ここまで極端かなあ、もう少し感情は曖昧なのでは?と思ったりもしますが…。
アルバムには、イーグルスのTimothy B. Schmitが harmonyで数曲参加しています(この曲にも)。
Songwriters Fogelberg, Dan
Lyrics © Sony/ATV Music Publishing LLC
Released in 1984
US Billboard Hot100#13
From The Album"Windows and Walls"
:原詞は太字
She says no when she means yes
What she wants,
you know that I can't guess
When we want more
you know we ask for less
Such is the language of love
彼女は答えが"イエス"のとき"ノー"と言う
彼女が欲しいものは
僕には想像もつかないのさ
僕らはもっと欲しいときには
少なく求めるものだよね
そいつが"愛の言いまわし"さ
I say leave when I mean stay
But she don't see
and so she moves away
What we really want,
you know we rarely say
Such is the language of love
僕は"いてほしい"とき"行ってくれ"と言う
でも彼女にはわからないから
彼女は行ってしまうのさ
本当に欲しがるときには
僕らは口には出せないものさ
そいつが愛のとき交わす言葉
It's tooth for tooth
and eye for eye
We hide our hearts and then we won't say why
It's truth for truth
and lie for lie
Such is the language of love
目には目を
歯には歯を
僕たちは本心を隠して
なぜだかは口にしないんだ
真実には真実
嘘には嘘
そいつが愛のときに交わす言葉
One cries foul and will not speak
The other claims a little victory
And all the time,
you know we fail to see
This is the language of love
ひとりが相手を非難して押し黙る
もう片方は小さな勝利を主張する
いつだってそうさ
僕らは大切なことを見逃してしまう
愛のときに交わす言葉はそんなもの
When a loves begins to wander
No one ever knows
But we feel it deep inside us
Long before it shows,
Long before it shows
愛は迷いはじめてしまうんだ
それは誰にもわからない
でも僕らは心の奥で感じるんだ
だいぶ前からそいつは現れてる
その兆候はずいぶん前から現れてる
We hem and haw,
We balk and bluff
Our words don't ever seem to say enough
But a simple smile,
a tender touch
Speaks the true language of love
僕らは咳払いをして口ごもる
ためらってみては虚勢を張る
言葉では十分に言いつくせないんだ
でも単純に笑って
やさしく触れ合えば
それが本当の"愛の言葉"を語ってくれる
When a loves begins to wander
No one ever knows
But we feel it deep inside us
Long before it shows,
Long before it shows
愛が迷いはじめてしまっても
誰にもそんなことわからない
でも心のなかでは感じてる
その兆候はだいぶ前から
その兆候はだいぶ前から見えている
She says no when she means yes
And what she wants,
you know that I can't guess
When we want more
you know we ask for less
Such is the language of love
Such is the language of love
彼女の"ノー"は"イエス"の意味さ
本当に彼女が欲しいものは
僕には想像もつかないのさ
もっと欲しいと思っても
僕らは少なく言ってしまうんだ
それが愛のときに交わす言葉なのさ
僕らはそんな愛の会話をしてるんだ
(Words and Idioms)
cry foul=反則だと叫ぶ
hem =えへんと言う 咳払い
haw=口ごもって「えー」と言う
balk=ためらう 躊躇する
bluff=はったりをかける からいばりをする
日本語訳 by 音時
◆◆日本語では"目には目を 歯には歯を"と(目→歯)の順番なのが、英語では"The tooth for a tooth 、An eye for an eye"で(歯→目)の順番なのが面白いですね。さすがに和訳で"歯には歯を 目には目を"という順にすると違和感があるので、目→歯の順にしました(^▽^;)。
◆この曲がヒットしていた頃の全米シングルチャートは…
「ビルボードチャート日記 by 星船」さん よろしくお願いいたします(^▽^)/
◆アルバム"Windows and Walls"よりタイトル曲"Windows and Walls"。子供たちは結婚し家を出て、夫は先に天国に行っている独り暮らしのおばあさんが主人公の曲です。
◆アルバム"Windows and Walls"より"ツーソン、アリゾナ(ある若者の死)"Tucson, Arizona (Gazette)。A面ラストの8分ある曲。この曲は重かったな…。主人公トニーの父親は酒で死に、兄はベトナム戦争から帰ってこない。コケインを手にマリーを誘って深夜のドライブ…そして…。曲のラテンのアレンジが物悲しさを伝えてきます。"Gazette"とは"新聞"のこと。タイトルは、そんな事件があったと新聞の見出しが伝えていた…ってことなんです...(和訳記事はこちら)
コメント
コメント一覧 (4)
『Windows and Walls』は前作までの爽やかな感じがなくやはり暗いアルバムという印象です。ただ"The Language Of Love"だけは明らかにPOPな感じでした。
ただデビューアルバムHome Free (1972年)から4作目Nether Lands (1977年)までは暗い曲が多く【ヒットチャートを意識した2作目Souvenirs (1974年)以外】それがDanらしさでした。ですからPhoenixやThe Innocent Ageが好きな人には正直おすすめできません。
自分はRiver Of Souls (1993年)までのどのアルバムもそれぞれいい曲が多くて好きですけどね。
ダン自身も意外と殻を破りたかったりしていたかもしれません。80年代や90年代のダン乗り越した作品をほとんど聴いてないので、いずれ聴いてみたいと思ってます。彼のキャリアのなかでこの曲を聴いてみたいと思います。
この曲がアルバム『Windows and Walls』からのファーストシングルだったのは失敗だったのかもしれません。私としてはこのアルバムにはほかにもシングルにしても良かった曲があったのではと思います。"Believe in Me" がファーストシングルだったらどうだったのでしょう?
アルバムで最も注目の曲"Tucson, Arizona (Gazette)"ですが、そんな重い歌詞だったのですね。でも一番聞きごたえもある、感動の曲でした。