マーヴィンがこの世にサヨナラした1984年4月1日から、今日で36年になりますね。マーヴィン、R.I.P...。

この曲「マーシー・マーシー・ミー」。マーヴィンの代表曲として「ホワッツ・ゴーイン・オン(愛のゆくえ)」(和訳)や「レッツ・ゲット・イット・オン」と並んで耳にしてはいましたが、原題の副題で"The Ecology"と入っているのを知ったのはだいぶ後になってからです。そうです、「エコロジー」ですね。環境問題を取り上げた曲なんです。

◆歌詞では、青空がなくなり毒がまき散らされ(大気汚染)、海は油でいっぱいで魚は水銀に…、放射能は土のなかにも空にも…、生物は死んでいっています…と訴えて、 How much more abuse from man 人間は被害を受けてる側ではなく、地球を"abuse"(虐待)してる側なんですね。 Can she stand? "She"は「地球」でしょう…。地球は堪えることができるのか…? 自分も人間のなかの1人。だから"(Have)Mercy(On)Me"と歌っているわけです。こんな曲をマーヴィンはすでに1971年に歌っていた…んですね。

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◆マーヴィンは1976年の"Sounds"とのインタビューでこの歌と彼の精神的な探求について詳しく話してくれました。彼はこう言っています。

"僕はドン・ファン(呪術師)とカルロス・カスタネダ(人類学者)から学んでるんだ。沢山の著者の沢山の本を読んだよ。僕にとって生きるってことだけど、僕は非の打ちどころのない戦士(impeccable warrior)になりたいんだ。それは俗世的なものがなにも必要のない人、たとえばワインや女性、衣服やダイヤモンドなど、身に着ける装飾品とかね。こういったものは嫌いになっていきたいし、この地球が僕らに与えてくれる知識や力にだけ興味を持っていきたいんだ。時間と努力を惜しみなく使っていけるならね。  "ショービジネスは辞めて、本当の魔術師が持ってる力と能力を追い求めていきたいんだ。その力っていうのは、ここにもあるし、岩のなかにも、空気のなかにも、動物たちのなかにもある。こうした力や要素を取り入れて、身に起こる不思議な現象を引き起こすことができる"知識の人(men of knowledge)がいるんだ。自分自身を変革させて、とても多くの素晴らしいことをするんだよ。僕はそんな力を持った人になりたいし、いいやり方でその力を使っていきたいんだ。(後略)

このインタヴューでマーヴィンの言う"ドン・ファン"は、いわゆる「色男」を指すのではなく、ヤキ・インディアンの呪術師"ドン・ファン・マトゥス"を指すようです。また、カルロス・カスタネダ(Carlos Castaneda)はペルー生まれのアメリカの作家・人類学者で、UCLAで文化人類学を学び、ドン・ファン・マトゥスの下で修行した作家・人類学者であるとのこと。

  マーヴィンは、地球環境が汚されてる問題を自分なりに受け止めて、俗世的なものから決別して、地球の回復力を信じて、そのなかにある力を引き出していこう、と考えたようですね。真面目な人だったんだなあ…。

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Writer(s): Marvin Gaye

Released in 1971
US Billboard Hot100#4
From The Album“What's Going On”

:原詞は太字

Woo ah, mercy mercy me
Ah things ain't what they used to be, no no
Where did all the blue skies go?
Poison is the wind that blows
from the north and south and east


ああ 私をお許しください
ああ 物事が以前とは変わってしまいました
あの青い空はどこに行ってしまったの?
風に乗って毒が広がってるのです
北からも 南からも 東からも

Woo mercy, mercy me, mercy father
Ah things ain't what they used to be, no no
Oil wasted on the ocean
and upon our seas, fish full of mercury


ああ どうかお許しください
ああ 何もかも前とは変わり果ててしまいました
油が大海をだめにしてしまいました
私たちの海も  魚たちは水銀まみれです
 
Ah oh mercy, mercy me
Ah things ain't what they used to be, no no
Radiation under ground and in the sky
Animals and birds who live nearby are dying

ああ お許しください
ああ 以前とは何もかも違ってるのです ノーノー
放射能が 土の下にも 空にも
近くで生きていた動物や鳥たちも死にかけてます

Oh mercy, mercy me
Ah things ain't what they used to be
What about this overcrowded land
How much more abuse from man can she stand?


ああ 私の心を救ってください
ああ 以前とはすっかり変わってしまいました
この人口が過密した地球はどうなるのでしょう?
人間はどれだけ虐待するのでしょう?
地球は堪えてくれるのでしょうか?

Oh, na na...

ああ 

My sweet Lord... No
My Lord... My sweet Lord

最愛の主よ
神さま …私の愛しい主よ
 
(Words and Idioms)
waste on=〈金・時間などを〉浪費する,むだにする
mercury=水星、水銀
Radiation=放射線
overcrowded=人が多過ぎる、超満員の
abuse=~を誤用する、(人)を罵る、~を虐待する

日本語訳 by 音時


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◆“Mercy Mercy Me”が最高位4位を記録した週の全米チャートです。
US Top 40 Singles Week Ending 21st August, 1971
 
1位はビージーズの初のNo1ヒット「傷心の日々」。ジョン・デンヴァーの日本でもおなじみ曲「故郷に帰りたい」が3位。
5位はジェイムスの「きみの友だち」。マーヴィンは9→4位で、翌週はさらに上位に食い込むチャートアクションでしたが翌週足踏み。結局最高位は4位に留まりました。

-1 1 HOW CAN YOU MEND A BROKEN HEART –•– The Bee Gees
-2 2 MR. BIG STUFF –•– Jean Knight
-3 3 TAKE ME HOME, COUNTRY ROADS –•– John Denver
-4 9 MERCY MERCY ME (The Ecology) –•– Marvin Gaye
-5 5 YOU’VE GOT A FRIEND –•– James Taylor

-6 15 SWEET HITCH-HIKER –•– Creedence Clearwater Revival
-7 7 BEGINNINGS / COLOUR MY WORLD –•– Chicago
-8 10 SIGNS –•– Five Man Electrical Band
-9 4 DRAGGIN’ THE LINE –•– Tommy James
10 14 LIAR –•– Three Dog Night


◆1980年のモントルーのライヴから。



◆ロバート・パーマーのマーヴィン・メドレー"Mercy Mercy Me /I want You"。1990年のアルバム"Don't Explain"から。確かトヨタの車のコマーシャルでも使われてましたよね。