カナダのロックバンド"グラス・タイガー"。

彼らの2曲のトップ10ヒットは2曲。"Don't Forget Me(When I'm Gone)"に続き、全米7位を記録したのがこの曲"Someday"でした。僕はこっちの方が好きだったな。
 
 ちなみに彼らの全米トップ40ヒットは4曲。下記のうち3曲がデビューアルバム"Thin Red Line(傷だらけの勲章)"から、"I'm Still Serching"はセカンドアルバム"Diamond Sun"からのシングルです。

(1986)
Don't Forget Me(When I'm Gone)#2
Someday #7
(1987)
I Will Be There #34
(1988)
I'm Still Searching #31


◆"Someday"はゆっくりめのポップスで甘いバラード。ヒット曲の"Don't Forget Me(When I'm Gone)"と"Someday"の2曲は、彼らとジム・ヴァランス(プロデューサーでソングライター)が初めて会った、その日にできあがった曲です。グラス・タイガーのボーカリスト"アラン・フリュー"がそのときの話をしているのを、"Don't Forget Me(When I'm Gone)の和訳記事に紹介しています。
そしてその話の続きが以下の通りです。

"Don't Forget Me"を作成したあと僕らは休憩にした。そのときグループのうち2人は喫煙者で、僕とジムを残してタバコを吸いに外に出て行った。ジムはピアノに座ってガヤガヤ演りだしたので、それに合わせて僕は歌ったんだ。"When I come home, you telephone...♪"ってね。そしたら外に出ていたメンバーも戻ってきて、みんなで"Someday"を作ったんだ。そうだから、最初に会ったその日に"Don't Forget Me"と"Someday"ができたんだよ。

 ジムがキーボードを弾いたとき、この温かいぼーっとした気持ちがしたことを僕はいつも忘れないよ。僕はインスパイアされて曲を書いたんだ。
"When I come home, you telephone…"ってフレーズがすぐに浮かんだのさ。そのあと数時間かけて仕上がったのさ。


(Music by Glass Tiger and Jim Vallance)

Released in1986
US Billboard Hot100#7
From The Album“Thin Red Line” 邦題「傷だらけの勲章」(Amazon.co.jp)
国内盤シングルジャケット:こちら

:原詞は太字

When I come home you telephone
To say you're waiting for me
I ask you why I hear you cry
But you're still waiting for me

家に帰ると きみの電話
きみは"僕を待ってる"って言う
聞こえた泣き声の理由を聞くと
それでもまだ"僕を待ってる"んだって

Someday
you'll be shedding your tears
To cry over me
Someday
I'll be losing this fear…

いつの日か
きみは涙を流すだろう
僕のことを思い出して
いつの日か
僕のこの不安もなくなるはずさ…

Now I'm alone you telephone
To tell me you don't need me
I ask you why you tell me lies
And say the truth would hurt me ohhh

いまひとりでいると きみの電話
きみには僕は"必要ない"んだって
"どうして嘘をつくの?"って聞くと
真実を話すと僕が"傷つく"んだって

Someday
you'll be shedding your tears
To cry over me
Someday
I'll be losing this fear
Oh oh someday

いつの日か
きみは涙を流すに違いない
僕との別れを嘆くんだ
そしていつの日か
僕のこの苦痛もなくなるはずさ…

Ohh down in the street
where lovers meet
That's where I'm waiting for you
In the streets where lovers meet
I'm still waiting for you oooo


ああ 僕は歩く
恋人達が出会う通りを
そこで僕はいまもきみを待っている
恋人達の出会いの通り
僕はまだきみを待ってるんだ

Someday
you'll be shedding your tears
And then you'll cry over me


いつの日か
きみは涙を流すはずさ
僕のことを想い出して

Someday
I'll be losing this fear


いつか
この不安もなくなるのだろうか…

Someday
you'll be shedding your tears
And then you'll cry over me

いつの日か
きみは涙を流すはずさ
僕のことを想い出して

Someday
I'll be losing this fear


いつか
この不安もなくなるのかな…

(Words and Idioms)
cry over ~が原因で泣く、~を嘆く

日本語訳 by 音時


◆歌詞の物語はせつないですね。最後は彼女が「嘘」をついたまま、真実が語られずに別れてしまった二人。もし真実が語られていたら…彼が傷ついたかもしれないけど、引きずることもなかったのかな…。

いつの日か 彼女は涙を流すだろう… "cry over me"…
いつの日か 僕の"fear"は無くなることだろう…

"cry over me"と"fear"の感情について、もう一歩踏み込んで意訳したかったという想いが少々残っています。

最初の電話では電話越しに彼女の泣き声がしたのに、次に電話をもらったときは涙もなく、彼女から「別れ」を一方的に告げてくるものでした。そして「本当のことを話してくれ」とお願いしても…彼女の最後の言葉は「あなたが傷つくから本当のことは言わない」と言うもの。これは主人公、引きずりますよね…。

もしも彼女が、今でも涙を流して別れを悔いているのであれば…僕のこの"fear"(どちらかというと恐怖や不安というよりも、体の震えや虚脱感に近いのでは?)もなくなってくれるんじゃないか…。そのあたりがもう少しピッタリくる日本語にしたかった(-_-;)。


◆“Someday”が最高位7位を記録した週の全米チャートです。
US Top 40 Singles For The Week Ending January 24, 1987

1位は涙を流して聴いてください"At This Moment"。4位マドンナが迫ってます(次のNo1です)。グラス・タイガーはシンディ姐さん"Change Of Heart"と仲良くトップ10入りしてきましたが、翌週シンディは5位にランクアップしたのに、"Someday"は足踏み。結局7位を2週間、というのが最高成績でした(-_-;)。

-1 5 AT THIS MOMENT –•– Billy Vera & The Beaters
-2 2 C’EST LA VIE –•– Robbie Nevil
-3 1 SHAKE YOU DOWN –•– Gregory Abbott
-4 7 OPEN YOUR HEART –•– Madonna
-5 6 CONTROL –•– Janet Jackson

-6 8 LAND OF CONFUSION –•– Genesis
-7 12 SOMEDAY –•– Glass Tiger
-8 13 CHANGE OF HEART –•– Cyndi Lauper
-9 9 IS THIS LOVE –•– Survivor
10 11 VICTORY –•– Kool & The Gang


◆"Someday"のPVバージョンはニコニコ動画しか見当たりませんでした。
https://www.nicovideo.jp/watch/sm2165805

◆"Someday" Top Of The Pops のステージ

 

◆"Someday" at Scotiabank Place in Kanata, ON (Aug. 29th 2012).