【これまでに取り上げたPat Benatarの和訳記事はこちらです】

パット・ベネターのこの曲"インヴィンシブル"は輸入盤のシングルを買ったなあ。このピンクのイラストのジャケット、覚えてます。

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◆この曲の作者はSimon Climie と Holly Knight。Simonはジョージとアレサの"I Knew You Were Waiting (For Me)"の作者、デュオ・グループ"クライミー・フィッシャー"のクライミーですね。Holly Knightの方はパットのヒットで"Love Is A Battlefield."、パティ・スマイスの"The Warrior"、ティナ・ターナーの"Better Be Good To Me"などの作者でもありますね。

◆"Invincible"は"無敵"って意味ですね。

ボン・ジョヴィの人気曲"Captain Crash And The Beauty Queen From Mars"(タイトル長い)の歌詞でも"You and me、We're invincible together"。そう気の合った相棒=最強コンビが"俺たち無敵だぜ"なんて言うときに"Invincible"って使います。
じゃあ、パットのこの曲は何が"無敵"なんでしょうか?

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◆パットの"Invincible"は実はTVドラマ"ビリー・ジーンの伝説(The Regend Of Billy Jean)"の主題歌になっています。シングルのジャケットにも小さい字で"Theme From The Regend Of Billy Jean"と書いてあります。この"ビリー・ジーンの伝説"のあらすじをみてみましょう。(Allcinemaより)

テキサスの田舎、正当防衛ながら、町の実力者に怪我をさせたビリー・ジーン(ヘレン・スレイター)姉弟と友人。警察から逃げ続ける彼らはやがて、反逆のヒーロー(ヒロイン?)として共感を集めてゆく。ショート・カットのヘレンが精悍な可愛らしさで好演。ヘレンとクリスチャンは実の姉弟、ではない。

主人公たちは自分達が強くならないと生きていけない、そんな状況に追い込まれてしまうんですね。まさにこの曲の歌詞"do or die situation"です。そういう状況に追い込まれた人は…"インヴィンシブル"になる!ならなきゃいけない!ってことだったのでしょう。


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(Simon Clime,Holly Knight)

Released in 1985
US Billboard Hot100#10
From The Album“Seven the Hard Way”

:原詞は太字

This bloody road remains a mystery.
This sudden darkness fills the air.
What are we waiting for?
Won't anybody help us?
What are we waiting for?

この血まみれ道は謎のまま
この突然の暗闇が空気に満ちている
私たち 何を待ってるの?
誰かが助けてくれるとでも?
そんななか 何を待ってるの?

We can't afford to be innocent
stand up and face the enemy.
It's a do or die situation
- we will be invincible.


私たち無邪気なままじゃいられない
立ち上がって敵と向かい合わなきゃ
今が生きるか死ぬかの状況なの
…私たちは無敵にならなくちゃ

This shattered dream you cannot justify.
We're gonna scream until we're satisfied.
What are we running for?
We've got the right to be angry.
What are we running for?
when there's nowhere
we can run to anymore?


この壊された夢を正しいなんて思えない
満足できるまで叫び続けるのよ
私たち何を求めて走ってるの?
私たち怒る理由を手にしたんだから
何を求めて走ってるの?
これ以上走っていく場所なんか
どこにもないのに

We can't afford to be innocent
stand up and face the enemy.
It's a do or die situation
- we will be invincible.


無邪気なままではいられない
立ち上がって敵と向かい合うのよ
生きるか死ぬかの瀬戸際になると
…私たち無敵になれる

And with the power of conviction
there is no sacrifice.
It's a do or die situation
- we will be invincible.


強い信念っていう力を持つのよ
犠牲を払うことなんてしないわ
これが正念場 生きるか死ぬかよ
…私たちは強くて無敵

Won't anybody help us?
What are we running for
when there's nowhere
nowhere we can run to anymore?


誰かに助けてもらえるの?
私たち何を求めて走ってるの?
走る理由なんて
どこにもこれ以上ないのにね

We can't afford to be innocent
stand up and face the enemy.
It's a do or die situation
- we will be invincible.


でも無邪気なままでいられない
やられたらやりかえすことよ
瀬戸際まで追い詰められた状況で
…私たちはより無敵になれる

And with the power of conviction
there is no sacrifice.
It's a do or die situation
- we will be invincible.

強い信念があれば大丈夫
犠牲なんて払ったりしない
生きるか死ぬかの状況のなかで
…私たちはもっと強くなれる

日本語訳 by 音時

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◆“Invincible”が最高位10位を記録した週の全米チャートです。
US Top 40 Singles For The Week Ending September 14, 1985

「セント・エルモス・ファイア」もなかなかいい映画だったな。
ジョン・パーの1位が続きますが、3位ダイアー・ストレイツが次週は1位になります。8位ワムのフリーダム、9位プリンスのPop Life。ポップでいい曲が沢山ありましたね。パット"無敵な私たち"(勝手な邦題)は10位1週間、というのが最高記録でした。

-1 1 ST. ELMO’S FIRE (MAN IN MOTION) –•– John Parr
-2 3 WE DON’T NEED ANOTHER HERO –•– Tina Turner
-3 6 MONEY FOR NOTHING –•– Dire Straits
-4 7 CHERISH –•– Kool & The Gang
-5 2 POWER OF LOVE –•– Huey Lewis & The News

-6 8 DON’T LOSE MY NUMBER –•– Phil Collins
-7 4 FREEWAY OF LOVE –•– Aretha Franklin
-8 12 FREEDOM –•– Wham!
-9 10 POP LIFE –•– Prince & The Revolution
10 11 INVINCIBLE –•– Pat Benatar

◆2001年のパットのライヴから。



◆"俺とおまえ、二人なら無敵さ"(You and me、We're invincible together)と歌います。Bon Jovi"Captain Crash & The Beauty Queen From Mars"



◆アルバム"Seven The Hard Way"から"Sex As A Weapon"。最高位は全米28位でした。作者はトム・ケリー&ビリー・ステインバーグ。このコンビの作品ならもっとヒットしてもよさそうでしたが…。