明るいイントロ、耳にする限りはPOPSの王道を行くようなハッピーソングでありながら、「戦争の悲しみのヒーロー」を歌ったこの曲。この「悲しみのヒーロー」とその歌詞についてはぜひ沢山の人に知ってほしいと思います。戦争について考え、洋楽Popsの歌詞にこんな曲もあるんだとぜひ知ってほしいです。
当時のアメリカではまさに「ベトナム戦争」の時期。「Not War!」「Love」!という気持ちを代弁してくれた曲だったのでしょう。ちなみに「南北戦争」のときには、「北軍」が「青」い制服、「南軍」が「灰色」の制服を着ていました。そのことから「南北戦争」は「the blue and the gray 」とも称されるようです。
“Soldier Blue”を歌詞に登場させて、設定を南北戦争とイメージさせながらも、その時代のベトナム戦争についてリスナーに訴えた歌だったんだなと思います。
“Soldier Blue”を歌詞に登場させて、設定を南北戦争とイメージさせながらも、その時代のベトナム戦争についてリスナーに訴えた歌だったんだなと思います。
護国や護体よりも、命が大事、ということは当たり前のように思われますが、そう歌にして表現することは日本ではまだ?馴染んでいないようにも思えます。この曲は色んなことを考えさせてくれます。
◆「悲しみのヒーロー」のオリジナルはペーパー・レースというバンド。イギリスのチャートで1位になったあと、さあアメリカで発売というタイミングで、ボー・ドナルドソン&ヘイウッズもこの曲をリリース。アメリカではヘイウッズ盤が圧勝となりました。ヘイウッズ盤が全米チャートで1位(2週間)、ペーパー・レイスは96位止まりでした。
Songwriters
CALLANDER, PETER / MURRAY, MITCH
Lyrics © Universal Music Publishing Group
released in 1974
US Billborad Hot100 #1(2)
From The Album“Bo Donaldson & The Heywoods”
US Billborad Hot100 #1(2)
From The Album“Bo Donaldson & The Heywoods”
:原詞は太字
The marchin' band came down along Main Street
The soldier blues fell in behind
I looked across and there I saw Billy
Waiting to go and join the line
大通りにマーチングバンドがやってきた
続いて青い制服の兵隊達の行進だ
僕があちらを見るとそこにはビリーがいた
その行進に加わろうと待っていたところさ
And with her head upon his shoulder
His young and lovely fiance
From where I stood I saw she was cryin'
And through her tears I heard her say
His young and lovely fiance
From where I stood I saw she was cryin'
And through her tears I heard her say
彼の肩に彼女の頭がもたれかかってた
若くて可愛い彼の婚約者さ
僕の場所から彼女が泣くのが見えた
涙のあとで 彼女の言葉が聞こえたよ
若くて可愛い彼の婚約者さ
僕の場所から彼女が泣くのが見えた
涙のあとで 彼女の言葉が聞こえたよ
Billy, don't be a hero,
don't be a fool with your life
Billy, don't be a hero,
come back and make me your wife
And as Billy started to go
she said keep your pretty head low
Billy, don't be a hero,
come back to me
don't be a fool with your life
Billy, don't be a hero,
come back and make me your wife
And as Billy started to go
she said keep your pretty head low
Billy, don't be a hero,
come back to me
ビリー 英雄になんてならないで
人生を棒に振ってはだめよ
ビリー 英雄になんてならないで
戻ってきて私をお嫁さんにして
ビリーが行こうとしたとき
彼女が言ったのさ "姿勢は低く"ってね
ビリー 英雄にはならないで
私のもとに戻ってきてね
人生を棒に振ってはだめよ
ビリー 英雄になんてならないで
戻ってきて私をお嫁さんにして
ビリーが行こうとしたとき
彼女が言ったのさ "姿勢は低く"ってね
ビリー 英雄にはならないで
私のもとに戻ってきてね
The soldier blues
were trapped on a hillside
The battle raging all around
The sergeant cried,
we've got to hang on, boys
We've gotta hold this piece of ground
were trapped on a hillside
The battle raging all around
The sergeant cried,
we've got to hang on, boys
We've gotta hold this piece of ground
青い制服の兵隊達は丘の中腹で罠に引っ掛かり
戦いは至るところで激しくなった
軍曹は大声で叫んだ
「みんな 頑張るんだ」
「この一角はなんとしても守り抜くんだ」
戦いは至るところで激しくなった
軍曹は大声で叫んだ
「みんな 頑張るんだ」
「この一角はなんとしても守り抜くんだ」
I need a volunteer to ride out
And bring us back some extra men
And Billy's hand was up in a moment
Forgettin' all the words she said, she said
And bring us back some extra men
And Billy's hand was up in a moment
Forgettin' all the words she said, she said
「誰か志願する者はいないか」
「馬に乗って飛び出し
援軍を連れてきてほしいんだ」
ビリーはすぐに手を挙げたんだ
彼女の言われた言葉をすべて忘れて…
彼女はこう言ってたのに…
「馬に乗って飛び出し
援軍を連れてきてほしいんだ」
ビリーはすぐに手を挙げたんだ
彼女の言われた言葉をすべて忘れて…
彼女はこう言ってたのに…
Billy, don't be a hero,
don't be a fool with your life
Billy, don't be a hero,
come back and make me your wife
And as Billy started to go
she said,
keep your pretty head low
Billy, don't be a hero,
come back to me
don't be a fool with your life
Billy, don't be a hero,
come back and make me your wife
And as Billy started to go
she said,
keep your pretty head low
Billy, don't be a hero,
come back to me
ビリー ヒーローになんてならないで
自分の人生を無駄にしないでよ
ビリー ヒーローになっちゃだめ
戻ってきて私をお嫁さんにして
そしてビリーが行こうとしたとき
彼女はこう言った
頭は下げててね
ビリー ヒーローになんてならないで
私の元に帰ってきて...
自分の人生を無駄にしないでよ
ビリー ヒーローになっちゃだめ
戻ってきて私をお嫁さんにして
そしてビリーが行こうとしたとき
彼女はこう言った
頭は下げててね
ビリー ヒーローになんてならないで
私の元に帰ってきて...
I heard his fiance got a letter
That told how Billy died that day
The letter said that he was a hero
She should be proud he died that way
I heard she threw the letter away
That told how Billy died that day
The letter said that he was a hero
She should be proud he died that way
I heard she threw the letter away
彼の婚約者に手紙が届いたって聞いたよ
そこにはあの日ビリーが
どんな風に亡くなったか書かれてた
彼は死してヒーローになった
彼女は彼の死に様を誇るべきだと
そう書かれてた
そこにはあの日ビリーが
どんな風に亡くなったか書かれてた
彼は死してヒーローになった
彼女は彼の死に様を誇るべきだと
そう書かれてた
彼女はその手紙を投げ捨てた
僕はそう聞いたよ…
僕はそう聞いたよ…
(Words and Idioms)
fall behind=~より遅れる
look across=ある方向へ向く
keep head low=姿勢を低く
in a moment=あっという間に
日本語訳 by 音時
ペーパーレース盤「悲しみのヒーロー」国内盤シングルです。
「本命盤」ってマークがあります(^▽^;)
◆ヘイウッズ「悲しみのヒーロー」が全米1位を獲得した週のチャートです。
US Top 40 Singles 15th June, 1974
「バンド・オン・ザ・ラン」に代わって1位になります。2位はスタイリスティックス「誓い」。3位の「サンダウン」が2週間後に1位になります。
-1 6 BILLY, DON’T BE A HERO –•– Bo Donaldson and the Heywoods
-2 3 YOU MAKE ME FEEL BRAND NEW –•– The Sylistics
-3 5 SUNDOWN –•– Gordon Lightfoot
-4 2 THE STREAK –•– Ray Stevens
-5 1 BAND ON THE RUN –•– Paul McCartney and Wings
-6 4 DANCING MACHINE –•– Jackson 5
-7 11 BE THANKFUL FOR WHAT YOU GOT –•– William DeVaughn
-8 8 THE ENTERTAINER –•– Marvin Hamlisch
-9 10 FOR THE LOVE OF MONEY –•– The O’Jays
10 9 MIDNIGHT AT THE OASIS –•– Maria Muldaur
-2 3 YOU MAKE ME FEEL BRAND NEW –•– The Sylistics
-3 5 SUNDOWN –•– Gordon Lightfoot
-4 2 THE STREAK –•– Ray Stevens
-5 1 BAND ON THE RUN –•– Paul McCartney and Wings
-6 4 DANCING MACHINE –•– Jackson 5
-7 11 BE THANKFUL FOR WHAT YOU GOT –•– William DeVaughn
-8 8 THE ENTERTAINER –•– Marvin Hamlisch
-9 10 FOR THE LOVE OF MONEY –•– The O’Jays
10 9 MIDNIGHT AT THE OASIS –•– Maria Muldaur
◆日本では半年後の12月。最高位2位止まりかな?
1974年12月1日 文化放送 All Japan Pop20
おや?クレジットが「ペーパー・レイス/ヘイウッズ」となってるぞ。どういうことなのだろう?
-1 シュガー・ベイビー・ラヴ ルーベッツ
-2 悲しみのヒーロー ペーパー・レイス / ヘイウッズ
-3 悲しきマリー ミッシェル・ポルナレフ
-4 ビッチ・イズ・バック エルトン・ジョン
-5 アイ・ショット・ザ・シェリフ エリック・クラプトン
-6 初恋にボンジュール アラン・シャンフォー
-7 悪夢 スティービー・ワンダー
-8 愛はメッセージ スリー・ディグリーズとMFSB
-9 ミッドナイト・トレイン スリー・ディグリーズ
10 落葉のメロディー アバ
◆こちらのPaper Race版「Billy Don't Be A Hero」のPVは歌詞に忠実に作られています。青い制服の軍隊。ビリーと婚約者の彼女。馬に乗って援軍を呼びに行く役割を志願するビリー。そして彼女の元に届けられる1枚の手紙…。
◆ヘイウッズの他のTop40ヒット「恋のあやまち(Who Do You Think You Are?)」(1974年最高位15位)。オリジナルは"スカイ・ハイ"で有名なジグソー。
(この記事で参考にしたページ)
・ビルボード・ナンバー1・ヒット 1971-1985(音楽之友社)
・Wikipedia Billy Don't Be A Hero
コメント
コメント一覧 (4)
僕がPops好きな可愛少年(自分で言うか!)だった
確か中1の頃、この曲がヒットしていた時、友人達の前でサビの ♪Billy,don't be a hero~♪を歌って「この歌は『ビリー、ヒーローになったらあかんねんで!』という歌やぞ❗」と得意げに講釈たれてました。他のメロディー部分は適当に鼻歌でごまかしました。
ただ、ミュージシャン名をなかなか覚えられず、今だに覚えてません(笑)
この曲は、スポーツ選手のことを歌っていて、鼓笛隊風のイントロは試合前の入場行進曲を表していると思ってました。で、頑張り過ぎるなよ!
応援してるから と歌ってるんだと勝手に解釈してました。
ん~そういうことだったのか~。
因みに僕の大好きなバンド POCOが南北戦争をコンセプトにしたアルバム『Blue and Gray』をだしてます。
当時の日本のチャート!
そうでしたね~。ワッシュワニワニと競ってましたね~
僕は洋楽和訳の楽しさを人に語るときに例に出す曲はいくつかあるのですが、「39」(クイーン)、「エスケイプ」(ルパートホームズ)、そしてやっぱりこの曲も紹介してしまいます。「全米トップ40」は1976年の後半くらいから聞き始めた僕ですが、1974年のこの曲もスペシャルなどで耳にしてやはり歌詞もサウンドも印象に残る一曲であります。
完全なる「反戦歌」じゃん。
それなのに、こんなに大ヒット? って思いました。
身近にいる人にとっては、当然の”思い”ですよね。