フーターズはこの曲とPVが当時、とても印象に残っています。民族音楽の出だしでロックと融合、これぞフーターズの真骨頂という感じがしました。歌詞の意味は全然わかりませんでしたし、PVもなんだかワイワイという感じ。今回和訳しましたが…歌詞の主題がわからずに当初は機械的な和訳になってしまいました。
でも、僕の持ってるCD"STAR BOX The Hooters"の解説(森田義信さん)を読むと…「全米で猛威を奮う"テレビ伝道師"を揶揄した曲」と書いてある。
そうか歌詞に出てくる"satellite man"ってのがそれか!この一行を読んで、この曲の物語に一本柱が立ちました。
そうか歌詞に出てくる"satellite man"ってのがそれか!この一行を読んで、この曲の物語に一本柱が立ちました。
◆"テレビ伝道師"って何だろう?
Web上の「ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典」より。
Web上の「ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典」より。
宗教放送専門のケーブル・テレビを通じて福音を伝える伝道師。ファンダメンタリズム (根本主義) の教義を信奉し,1980年代前半には,南部を中心にかなりの数の信者を獲得したが,現在は低迷傾向にある。 80年,84年の大統領選挙でのレーガン勝利に貢献した,超保守的宗教組織モラル・マジョリティを率いる J.ファウウェルは,特に有名である。
レーガン政権の頃、全米ではこんなことがあったんですね(知りませんでした)。ちょうど衛星放送が色々始まった頃でしょうか。衛星から画面を通じて家庭のなかに入り込んだ宗教。フーターズはそのことに警鐘を鳴らしていたということか。冒頭のPVはお茶の間に入ってテレビを観ている子どもたちも知らず知らずのうちに毒されてしまう、ことを言っているのかな。
一般には信心との関係では、教会やお寺に通ったりするわけですが、家のなかにいたって宗教を学べるし、師の方にしたって、キャデラックのなかにいたって教えを伝道できます…。神さまの後光が見えないひとには衛星(Satellite)だって買ってあげまっせ!
こうした皮肉を楽しいサウンドでやっちゃう!っていうのがフーターズなんでしょう。
(Rob Hyman, Eric Bazilian, Rick Chertoff)
Released in 1987
US Billboard Hot100#61
From The Album“One Way Home”
:原詞は太字
Hush little baby don't cry like that
God's gonna buy you a Cadillac
He's chosen you to do his will
You can spread the word in your coupe de ville
静かに 坊や そんな風に泣かないで
神さまがキャデラックを買ってあげるから
おまえを選んだのも神さまのご意思
豪華なキャデラックで教えを伝道できるのさ
神さまがキャデラックを買ってあげるから
おまえを選んだのも神さまのご意思
豪華なキャデラックで教えを伝道できるのさ
So jump in the river and learn to swim
God's gonna wash away all your sins
And if you still can't see the light
God's gonna buy you a satellite
だから
川に飛び込み 泳ぎを覚えるんだ
神さまがおまえの罪を洗い流してくださるよ
でもまだ ご来光が見えないのなら
神さまが衛星でも買ってくださるよ
Look to the heavens and see it shine
Heals the sick and leads the blind
Tune it in and hear it say
It's countin' down to judgment day
Heals the sick and leads the blind
Tune it in and hear it say
It's countin' down to judgment day
天を仰ぎ見るがいい 光輝いてるだろ
病気の者を癒し
目の見えぬ者の手を導いてくれる
チューニングを合わせて 聞くがいい
世界の終わりの日までのカウントダウン
病気の者を癒し
目の見えぬ者の手を導いてくれる
チューニングを合わせて 聞くがいい
世界の終わりの日までのカウントダウン
So jump in the river and learn to swim
God's gonna wash away all your sins
And if you still can't see the light
God's gonna buy you a satellite
God's gonna wash away all your sins
And if you still can't see the light
God's gonna buy you a satellite
だから
川に飛び込んで泳ぎを覚えるんだ
神さまがおまえの罪を洗い流してくださるから
でもまだ ご来光が見えないのなら
神さまが衛星でも買ってくださるよ
川に飛び込んで泳ぎを覚えるんだ
神さまがおまえの罪を洗い流してくださるから
でもまだ ご来光が見えないのなら
神さまが衛星でも買ってくださるよ
Hey
Hey satellite man your time has come
Your word received by everyone
And should you fall, well that's ok
You love the ones that you betray
Your word received by everyone
And should you fall, well that's ok
You love the ones that you betray
ああ
衛星を通じた伝道士よ おまえの出番さ
おまえの言葉をみんなが受け取ってる
たとえ倒れたって そいつは大丈夫
騙せる相手を愛してるんだから
衛星を通じた伝道士よ おまえの出番さ
おまえの言葉をみんなが受け取ってる
たとえ倒れたって そいつは大丈夫
騙せる相手を愛してるんだから
So jump in the river and learn to swim
God's gonna wash away all your sins
And when at last you see the light
God's gonna buy you a satellite
God's gonna wash away all your sins
And when at last you see the light
God's gonna buy you a satellite
だから川に飛び込んで泳ぎを覚えるんだ
神さまがおまえの罪を洗い流してくださるよ
そしてとうとうおまえにも光が見えたなら
神さまが衛星でも買ってくださるよ
So jump in the river and learn to swim
God's gonna wash away all your sins
And when at last you see the light
God's gonna buy you a satellite
Yeah when at last you see the light
God's gonna buy you a satellite
Hey, hey, hey
Hey God's gonna buy you a satellite
Look to the heavens and see it shine
God's gonna buy you a satellite
Hey, hey, hey
Hey God's gonna buy you a satellite
Look to the heavens and see it shine
そうさ 最後に光が見えたなら
神さまが衛星を買ってくださるよ
Hey Hey Hey
神さまが衛星を買ってくださるよ
天空を見上げてごらん 光ってるだろ
(Words and Idioms)
Coupe De Ville=キャデラックの種類。
「街のクーペ」の意味でステイタスのシンボル。
betray=騙す
日本語訳 by 音時
◆35周年ツアー 西ドイツのポツダム公演から"Satellite"
コメント
コメント一覧 (15)
最高位は61位だったですか。Top40を逃すと途端に知らない曲になってしまうので惜しかったです。フーターズは演奏に特徴がありますし、テンポが良くってドライブにはぴったり、フーターズ改めてじっくり聞いてみます。
2000年代からこのようなTV伝道スタイルを拡大する形でメガチャーチと呼ばれる大きな教会が建てられるようになりその伝道の一環としてクリスチャン・ロックというカテゴリーも生まれました。ゴリッゴリのハードロックですが内容はキリスト教の伝道という音楽カテゴリーです。
とにかく人を集めよう→TVで伝道→教会も大きくしてそこから中継→イベントも開催しよう→イベント見たさに人がくる→政治集会もやればもっと人来るんじゃね?
という風が吹けば桶屋が儲かる式に政治とも親密になりトランプ大統領の当選もアシストしたのではないかと。
キリスト教もコマーシャリズムだな、とう皮肉っているのがこの歌ですね。ビデオクリップに出てくる夫婦(最後クルマに乗る奥さん)はジム&タミー・ベイカー夫妻がモデルだと思われます。
この曲は初めて知りました。フーターズといえば「And we dance」と「Time after time」。そしてその名の通りリコーダー。このようなテレビ伝道師をネタにした曲があったんですね。
80年代といえばTV伝道師。有名なのはジム&タミー・ベイカー夫妻。元々教会で人形劇をやっていた牧師夫妻がTV番組を持つまでになり、それが自前の教会のテーマパークまで作るところまで大きくなりますが、お互いの浮気を疑ううちに信者に手を出しセックススキャンダルで破綻しました。
日本でもUHF局で「ジミー・スワガードアワー」とかやってました。テレビ埼玉とかTVKとか。まあ、キリスト教の疎い日本人からするとピンときませんでしたけど。
元々アメリカはプロテスタントが作った国ですから旅から旅をして布教する牧師が多くいました。昔のヒッチコック劇場で大勢の信者の前で奇跡を起こすパフォーマンスがバレでギャングに命を狙われる、といったエピソードもありました。
当時から急速に広がった衛星ケーブルテレビはキリスト教の布教という目的には非常に親和性が高く、あっという間に広がりました。その殆どの伝道師が90年代に何らかのスキャンダルに見舞われています。
本当いい曲多いし。
次のアルバムZig Zagは、聴いていまいちと思ったのですが、大阪サンケイホールでの来日公演ではものすごくノリノリで、これはライブ向けの曲たちだったんだな最高だ。なんて思った記憶があります。
まあ、このコンサートでは、2列斜め前に子供を連れた人が来ていて子供がぐずっていて、子供可哀想だろって気が散った悲しい記憶も付いて回ってくるのですが・・・
フーターズのボーカルのロブ・ハイマンといえば、シンディ・ローパーの名曲『タイム・アフター・タイム』を共作した人ですよね。
たしかサビの部分のバックボーカルもロブが担当していたはず。
その関係だったからでしょうか、彼らが来日した際、FMのラジオ番組でスタジオライブをやったとき、『タイム・アフター・タイム』のアコースティックバージョンを披露したこと思い出します。
「And We Danced」、「 Day By Day」と並んで好きな曲です。
これらの彼等の曲は元気が良くって気持ちが良いです。
確かに、フーターズ大好き!は洋楽ファンの間だけにした方がいいかもしれません。バンド名は「メロディカン(ハーモニカ)」の別名から付いてますが、「Hooters」には“女性の胸”って意味もあるようですね(^_^;)!
ありがとうございました。何かセクハラから救われることがあるかもしれませんね笑。
それまではヒットチャートの追っかけをしていて、聞いていたアーティストは不特定多数でした。
そしてこの曲が収められているフーターズのアルバム『One way home』と、次のアルバムの『Zig Zag』は、カセットにダビングしてよく聞いていました。
いわゆる、隠れフーターズファンだったわけですね。
隠れフーターズファンって…。
当時は、ボン・ジョビとかU2がヒットチャートを賑わしているなか、さすがにフーターズファンを公言するのは、ちょっと勇気があったかな(ちなみに、当時はU2ファンを公言していました)。
それでも、Satellite=衛星という英単語を覚えたのはフーターズがきっかけだったし、『ジョニーBグッド』と聞いて「フーターズの曲?」って思ったほどでした。
それだけに、このバンドは、私の青春時代のちょっとした忘れられないバンドであります。
ちなみに今、「フーターズのファン」を公言してしまうと、ちょっと変な目で見られそうですよね。
それはなぜか?
"フーターズ"という単語を画像検索してもらえればお分かりかと。