アルバムではA面2曲めに収録されたこの曲。でも僕はQueenの「You Take My Breath Away」というタイトルの曲を、アルバム発売前からずっと聴きたいと思ってました。


 中学生だった僕の洋楽の情報源は限られていたので、たぶん雑誌ミュージック・ライフだったと思うのですが、「オペラ座の夜」を出して人気も爆発したクイーンのどこかの国のライヴで「フレディが新曲"テイク・マイ・ブレス"を披露した」というようなことが書いてあったのです。


 「オペラ座の夜」を何度も何度も聴いて、「戦慄の王女」「QueenⅡ」「Sheer Heart Attack」と遡ってこちらも何度も聴いて…新曲は待ち遠しくて仕方ありませんでした。そんななかで新曲のタイトルだけがわかったので『いったいどんな曲なんだろう?』とワクワクどきどきでした。

◆たしか“アンコールは「シー・ホワット・ア・フール・アイヴ・ビーン」を披露”とか書いてあったのでこっちもタイトルだけ知ってて曲は知らない時期がありました。ちなみに「See What A Fool I've Been」はイギリスでの「輝ける七つの海」のシングルのB面に収録されていた曲で、Queenの前身「スマイル」時代からブライアンがよくギターのリフを弾いていた曲を完成させたものらしく、ライヴのアンコールではよく曲目を目にしました。で、こっちは確かFMで流したQueenのBBCライヴか何かの音源を聴いたのが最初だったと思います。で聴いた感想はというと…下に貼り付けてある「See What A Fool I've Been」を参照ください。

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◆話を「テイク・マイ・ブレス」に戻します。「オペラ座の夜」の後、届けられた新曲は「テイク・マイ・ブレス」ではなく…「愛にすべてを」でした。それも音と同時に映像も!これは当時夕方にやっていた「ぎんざNOW!」のPop Teen Popsという番組で突然「Queenの新曲が届きました!」と司会者が紹介。これもビックリしたなあ。ロックじゃないじゃない!(でも気に入りました)

 で数か月後アルバム「華麗なるレース」を発売当日に買ったわけです。

「テイク・マイ・ブレス」は「You Take My Breath Way」という曲でした。そしてこの曲は最初から最後までフレディの曲…!。オープニングの「Oooh…」のコーラスも含めて、これだけフレディの歌声もちょっと痛々しく感じるようなバラードのピアノ曲だとはあまり思ってませんでした。

 「Sheer Heart Attack」だと「谷間のゆり」、「オペラ座の夜」では「Love Of My Life」かな?と思いますが、でもほんとそれよりも思いつめたように「You Take My Breath Away... 」と歌うフレディ。



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 「You Take My Breath Away」というタイトルの他の曲だと「きみは僕をはっとさせるんだ」くらいの訳でもいい感じなのですが、この曲のフレディの歌唱は、やはりどうしても「きみは僕の息をも奪ってしまう」と訳してしまう感じです。この曲の主人公達、の愛は、ハッピーな結末ではなく、何か不幸な終焉を迎えてしまいそうな…。

 そう、ちょっとアルバムのA面2曲目じゃ「重い」って当時は感じました。でもこの曲のラストには次の曲「Long Away」のInterlude的な「take my breath、Take my breath…」が入ってたりするのでその印象は薄まるんですけどね…。


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Freddie Mercury in his iconic Live Aid outfit giving one of the most memorable performances of his career
Credit: Getty Images


Writer: MERCURY, FREDDIE
Lyrics c EMI Music Publishing

Released in 1976
From The Album"A Day At The Races"

:原詞の引用は太字

Oooh oooh take it take it all away
Oooh ooh take my breath away
Oooh ooh yoooo take my breath away


ああ 奪ってしまっていいんだよ
そう 僕の息なんて止めてしまってかまわない
ああ きみの前で僕は息を止めてしまうんだ…

Look into my eyes
and you'll see I'm the only one
You've captured my love stolen my heart
Changed my life
Every time you make a move
you destroy my mind
And the way you touch
I lose control and shiver deep inside
You take my breath away


僕の目を見てごらん
きみは僕が大切な人だってわかるだろう
きみは僕の愛を生け捕りにして
心を奪っていった
人生すら変えてしまったんだ
きみの仕草を見るたびに
僕は理性を失ってしまう
きみに触れられるたびに
自分を抑えられなくなり
心から震えてしまうんだ
きみの前だと僕は…息を飲み込んでしまう


You can reduce me to tears with a single sigh
Ev'ry breath that you take
Any sound that you make is a whisper in my ear
I could give up all my life for just one kiss
I would surely die
if you dismiss me from your love
You take my breath away


ひとつため息をつくだけで
きみは僕を泣かすことができるんだ
きみが息をするたびに
きみがどんな音をたてようと
僕の耳には囁きに聞こえるんだ
ただ一度のキスのために僕は人生を投げ出せるんだ
もしきみの愛から僕が追い出されたら
間違いなく僕は息絶えてしまう
きみは僕の呼吸さえ奪ってしまうんだ...


So please don't go
Don't leave me here all by myself
I get ever so lonely from time to time
I will find you anywhere you go
I'll be right behind you
Right until the ends of the earth
I'll get no sleep till I find you
To tell you that you just take my breath away


だから行かないでおくれ
僕をここで一人きりにさせないで
ときどき僕はものすごく淋しくなって
きみがどこに行こうと探し出すんだ
僕はきみの真後ろにいるよ
この世界の果てまでずっと
きみを見つけるまで眠れないのさ
きみに伝えるまでは
きみは僕の息までも奪ってしまうってことを


I will find you anywhere you go
Right until the ends of the earth
I'll get no sleep until I find you
To tell you when I've found you
I love you



どこにいこうと見つけるさ
この世の終わりまでずっとだよ
見つけるまでは眠れない
きみを見つけて想いを伝えたいのさ
愛してるということを…


Take my breath take my breath ... away


僕の息の根を止めてもかまわない…
僕の息を奪っていってくれ


(Words and Idioms)
reduce a person to tears
=人を泣かせる
dismiss+目的語+from+名詞=
〈考えなどを〉捨てる,払いのける.
from time to time=ときどき


日本語訳 by 音時

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“You take my breath away”というタイトルのBootlegがあるようですね。
しかしこのアートワークはなんだ...?(^▽^;)


◆このハイド・パークでのライヴがおそらく、新曲「テイク・マイ・ブレス」を披露したライヴだと思います。冒頭フレディが「新曲をやるよ。Take My Breath... Away」とBreathとAwayの間になぜか間隔を入れるので、耳で聞いた人が「新曲は"Take My Breath"だと思ったんだろうな。Live At Hyde Park 1976




◆Queenの"See What A Fool I've Been"。Queenっぽくなくて当時の僕はガッカリ…というかブルースな曲にビックリ!。どっちかといえばLed Zeppelinのロバート・プラントに歌わせたい。