ペニー・レイン... この曲のサウンドもいいですよね~。

 間奏のピッコロ・トランペットはもちろん、それだけでなくバックのコーラスや、鉄を叩く音!?など、町の様々な楽しい風景を想像させる音がたくさん入っています。ポールの歌声からいきなり始まる出だし、余韻のあるエンディング。歌詞も味わってほしいのですが、そうした歌詞の物語を踏まえながらもサウンドの細部までぜひ聴いてほしいですね。聴くたびに新たな発見、あるかもしれまんね!

 
Magicalimages



Songwriters
 LENNON, JOHN WINSTON / MCCARTNEY, PAUL JAMES
Lyrics c Sony/ATV Music Publishing LLC

Released in 1967
US Billboard Hot100#1
From The Album"Magical Mystery Tour"

:原詞は太字

In Penny Lane
there is a barber showing photographs
Of every head he's had the pleasure to know
And all the people that come and go
Stop and say hello


ペニー・レインには床屋さんがある
おやじさんは興味を持ったお客さんの
髪型を写真に撮って貼ってるよ
そして行き交う人々はみんな
立ち止まって挨拶をするのさ

On the corner is a banker with a motorcar
The little children laugh at him behind his back
And the banker never wears a mack
in the pouring rain
Very strange

角にはバイクに乗った銀行員がいて
後ろでは小さい子どもが彼のこと笑ってる
銀行員はどしゃ降りのなかだって
絶対にレインコートを着ないのさ
とってもおかしいよね

Penny Lane is in my ears and in my eyes
There beneath the blue suburban skies
I sit and meanwhile back in

ペニー・レインは僕の耳と目のなかにある
田舎の青い空の下
腰を下ろし座ってる僕
…そして話をもとに戻すと…

Penny Lane
there is a fireman with an hourglass
And in his pocket is a portrait of the Queen
He likes to keep his fire engine clean
It's a clean machine

ペニー・レインには
砂時計を持った消防士がいて
ポケットのなかに女王陛下の写真を持っている
彼は消防車の掃除が好きで
車はピカピカなのさ

Penny Lane is in my ears and in my eyes
A four of fish and finger pies
In summer meanwhile back


ペニー・レインが耳と目に焼き付いてる
フィッシュ&チップスを食べて
夏のあいだ悪い遊びをしてたものさ…
…と話を戻すと…

Behind the shelter
in the middle of a roundabout
A pretty nurse is selling poppies from a tray
And though she feels as if she's in a play
She is anyway

ロータリーの真ん中の待合所の陰
可愛い看護婦さんがトレイに載せて
ポピーを売ってるよ
彼女はお芝居に出てるつもりのようだけど
とにかく本当に出てるのさ

Penny Lane,
the barber shaves another customer
We see the banker sitting waiting for a trim
And the fireman rushes in from the pouring rain
Very strange


そこはペニー・レイン
床屋さんがほかのお客さんのヒゲを剃ってる
銀行員も座って整髪の順番待ちさ
消防員が駈けつけてくるんだ
どしゃ降りの雨を抜けて
おかしな風景だよね

Penny Lane is in my ears and in my eyes
There beneath the blue suburban skies
I sit and meanwhile back


ペニー・レインが耳と目に焼き付いている
青く澄んだのんびりとした空の下
僕は腰を下ろしてる
…そうしてる間に…

Penny Lane is in my ears and in my eyes
There beneath the blue suburban skies
Penny Lane

ペニー・レインが耳と目に焼き付いてる
青く澄んだのんびりとした空の下
そこはペニー・レイン…

(Words and Idioms)
mac=Mackintosh=ゴム引きの生地で作った防水のレインコート
suburban=郊外の、いなかくさい
roundabout=環状交差路,ロータリー
shelter=(バス停などの)待合所; 雨宿りの場所
poppy=ケシ,ポピー
trim=〔きれいに〕刈り整えること、トリミング

日本語訳 by 音時

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2019年のイギリス映画「イエスタディ」(映画.COM)....映画のなかに、この曲も出てきません。でも「ペニー・レイン」そして「ストロベリー・フィールズ」は出てくるんですね。どういうことだかは...映画を観てのお楽しみ!はい、この映画の感想はやっぱり僕も、あらためて...「ビートルズの歌が聴ける世の中でよかった~!」です(^-^)/

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◆"ペニー・レイン"は"Strawberry Fields Forever"と両A面で発売になり、"全米No1になった曲です。
US Top 40 Singles for the Week Ending 18th March, 1967

「ペニー・レイン」は5位からごぼう抜きで1位に。でも翌週にはこれまた動きのよかったタートルズ"Happy Together"が首位に立ちます。4位はシュープリームス「恋ははかなく」。5位の「ルビー・チューズデー」も泣かせますね。

-1 5 PENNY LANE - The Beatles
-2 8 HAPPY TOGETHER - The Turtles
-3 3 BABY I NEED YOUR LOVIN’ - Johnny Rivers
-4 1 LOVE IS HERE AND NOW YOU’RE GONE - The Supremes
-5 2 RUBY TUESDAY - The Rolling Stones

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◆さて、この"ペニー・レイン"とは何か?ポールが次のように言っています。

"ペニー・レイン"はリヴァプールの遊覧バスさ。そこにはいろんな頭の写真を飾ってる床屋があって...いや、ただのヘア・スタイルの写真だよ。行き交う人々は皆立ち止まって挨拶するんだ。街角には銀行があって、僕らは銀行のことでは多少でっちあげたものの、とにかく素晴らしい場所へのノスタルジアと事実の入れ混じった歌なんだ。郊外のあの青い空…そこは今もあるんだ。

 上記は僕の持っている本「ビルボード・ナンバー1・ヒット上」(音楽之友社)に書いてあったことですが、また別な本「ビートルズ全曲解説」(東京出版)では"ペニー・レインとは彼らが通っていた学校のそばにあるバス・ロータリーのこと"と書いてありました。

どっちが本当?「Lane」っていうからには「バス」かな?ビデオにも「バス」が出てきますがバスそのものの名前ではなく「行き先」表示のようにも見えます。


◆"A four of fish and finger pies"の一行が和訳ではなかなか手ごわいですね。

"A four of fish"というのは"フィッシュ&チップス"を食べるのに標準的なサイズであることらしいです。(genius.comより)

また"finger pie"については「ビートルズ全曲解説」に次のように書かれていました。

ささいな連想がもっとも刺激的な少年時代の想い出を引き出すことがある。「フィンガー・パイ」というのは「万引き」と「ヘビー・ペッティング」を表すスラングだ。この2つとも少年時代に誰しもが経験する儀式である。これは自分の姿を思い出すポールの個人的なディテールで、彼もまた自分が作ったお遊びをやってる気持ちになっているのだ。

…ということで2つのことをまとめて「悪い遊び」としてしまいました(^▽^;)。


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◆さいごにビートルズからは離れてしまうのですが、実は僕は「ペニー・レイン」を知ったのは世代的にもリアルタイムではありません。"ペニー・レイン"は「お店」の名前だと思っていました。というのは、僕と「ペニー・レイン」の出会いは、吉田拓郎さんの歌"ペニー・レインでバーボン"でした。

 原宿のお店"ペニー・レイン"。ここは拓郎を始めとしたフォークの仲間たちの原宿でのたまり場、だったようです。ビートルズの"ペニー・レイン"ではいろいろ変わり者だけど憎めないヤツが集まってくる場所。そんなことで店名をつけたのでしょうね。

◆吉田拓郎"ペニー・レインでバーボン"1974年「今はまだ人生を語らず」の1曲目です。



(この記事で参考にしたページ)
・Wikipedia
・ビートルズ全曲解説(ティム・ライリー)東京書籍
・ビルボード・ナンバー1ヒット(上)1955-1970(音楽之友社)
・ウィキペディア「今はまだ人生を語らず」